
2025/08/03(日)
Google DocsにGeminiの高品質な音声合成技術を活用した音声読み上げ機能が追加されました。この機能により、作成した文書を自然で滑らかな音声で聞くことができるようになりました。
従来のGoogle Docsでも基本的な音声読み上げ機能は存在していましたが、今回のアップデートでは、Geminiの先進的な音声合成技術が統合され、より自然で聞き取りやすい音声での読み上げが可能になっています。特に英語での読み上げ品質は非常に高く、まるで人間が話しているかのような自然さを実現しています。
本記事では、この新機能の具体的な使い方から現状の制限事項、そして今後の展望まで、実際に機能を試した結果をもとに詳しく解説していきます。文書作成の効率化や校正作業の改善を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
Google DocsのGemini音声読み上げ機能は、2025年8月18日に正式にリリースされた新機能です。この機能は、Geminiの高度な音声合成技術を活用して、Google Docs内の文書を自然な音声で読み上げることができます。
主な特徴
従来のGoogle Docsの音声読み上げ機能と比較して、音声の自然さと品質が大幅に向上しています。特に英語での読み上げにおいては、人間の話し方に非常に近い自然な抑揚とリズムを実現しており、長時間聞いていても疲れにくい特徴があります。
Google DocsでGemini音声読み上げ機能を使用する手順は非常にシンプルです。
基本的な操作手順
機能を起動すると、文書の冒頭から自動的に読み上げが始まります。音声は非常にクリアで、単語の区切りや文章の抑揚も自然に表現されます。
利用可能な音声オプション
システムでは複数の音声スタイルが用意されており、用途に応じて選択できます:
非常に優秀な機能である一方で、現時点ではいくつかの制限事項があります。実際に使用してみて確認できた主な課題は以下の通りです。
日本語読み上げの精度問題
最も大きな課題は日本語での読み上げ精度です。英語では非常に自然な読み上げが可能ですが、日本語の場合は以下のような問題が発生します:
特に、文書内に括弧や記号が多く含まれている場合、これらを文字通り読み上げてしまうため、内容の理解が困難になることがあります。
部分再生機能の不在
現在の仕様では、文書全体を最初から最後まで読み上げる機能のみが提供されています。特定の段落や選択したテキスト部分のみを読み上げる機能は実装されていません。
再生速度調整機能の制限
現時点では再生速度を変更する機能も提供されていません。これにより、以下のような不便さがあります:
Google DocsのGemini音声読み上げ機能は、同様の機能を提供する他のツールと比較して独自の強みを持っています。
NotebookLMとの違い
同じくGoogleが提供するNotebookLMでも高品質な音声機能が提供されていますが、用途が異なります:
従来の音声読み上げ機能との差別化
従来のブラウザ標準の音声読み上げ機能と比較して:
Google DocsのGemini音声読み上げ機能は、音声合成技術の進歩を実感できる優れた新機能です。現時点では以下のような特徴があります:
優れている点
改善が期待される点
今後のアップデートにより、部分再生機能や再生速度調整機能が追加されれば、文書作成と校正作業の効率化により大きく貢献することが期待されます。特に、選択したテキスト部分のみを読み上げる機能が実装されれば、「部分的に耳から聞いて内容が妥当かをチェックする」「難しい文章を理解するときに音声で確認する」といった、より実践的な活用が可能になるでしょう。
現在でも十分に価値のある機能ですが、今後の機能拡張により、文書作成ワークフローにおける重要なツールとして位置づけられる可能性が高いと考えられます。
本記事の内容は、以下の資料も参考にしています:
Google DocsのGemini音声読み上げ機能は、Geminiの高度な音声合成技術を利用して、文書を自然な音声で読み上げる機能です。従来の音声読み上げ機能よりも音声品質が向上し、特に英語での読み上げは人間が話しているかのように自然です。
Google Docsで文書を開き、上部メニューの「ツール」から「オーディオ」または「Audio」を選択すると、音声読み上げが開始されます。文書の冒頭から自動的に読み上げが始まります。挿入メニューから「Audio buttons」を追加することも可能です。
ナレーター、教育者、教師、説得者、説明者、コーチ、モチベーターなど、複数の音声スタイルが用意されています。用途に応じて音声スタイルを選択することで、より効果的な音声読み上げが可能です。
日本語の読み上げ精度には、記号や特殊文字の読み上げが不自然になる、意味不明な読み上げが発生する、日本語特有の助詞や語尾の処理が不完全である、漢字の読み間違いがあるなどの課題があります。
英語文書の確認や校正、記号や特殊文字が少ないシンプルな日本語文書の読み上げ、マルチタスク環境での文書確認、視覚疲労の軽減などに活用できます。特に英語での利用や、内容の大まかな把握に適しています。
Workstyle Evolution代表。18万人超YouTuber&『ChatGPT最強の仕事術』著者。
株式会社Workstyle Evolution代表取締役。YouTubeチャンネル「いけともch(チャンネル)」では、 AIエージェント時代の必須ノウハウ・スキルや、最新AIツールの活用法を独自のビジネス視点から解説し、 チャンネル登録数は18万人超(2025年7月時点)。