AIエージェント資料作成比較:ChatGPT・Manus・GenSpark・Skyworkの実力検証 - 生成AIビジネス活用研究所

AIエージェント資料作成比較:ChatGPT・Manus・GenSpark・Skyworkの実力検証

今のAIエージェントは、どのレベルの資料が作成できるのか? 資料作成業務の効率化を目指し、最新のAIエージェント4つ(ChatGPTエージェント、Manus、GenSpark、Skywork)を使って、同一条件でのPowerPoint資料作成を比較検証しました(2025年7月22日の実施)。

今回の検証では、「AIサービスについて、1つ1ページでまとめたプレゼンテーション資料」という具体的なタスクを各エージェントに依頼しました。

この記事では、実際の検証結果を基に、それぞれのAIエージェントの特徴と、どのような場面でどのツールを選ぶべきかについて詳しく解説します。資料作成業務の自動化を検討している方にとって、実践的な判断材料となる内容です。

検証条件と使用したプロンプト

資料作成比較検証で、AIエージェントに与えられた具体的な指示内容。
資料作成比較検証でAIエージェントに与えられた具体的な指示内容
AIエージェントに与えられたPowerPoint資料作成プロンプト

今回の比較検証では、以下の統一されたプロンプトを各AIエージェントに送信しました:

「プレゼンテーション専門のAIデザイナー兼リサーチャーです。以下に定義しているAIサービス機能を一つ一つしっかり調べてください。最新情報でまとめてください。その上で、日本語で分かりやすくシンプルな宣伝デザインのパワーポイントで使えるスライドを作成してください。」

このプロンプトには、13個のAIサービスのリストが含まれており、各エージェントには同じ情報源と要求仕様を提示しています。検証は全て有料プランで実施し、公平な条件下での比較を心がけました。

各AIエージェントの作業プロセスと特徴

ChatGPTエージェント:△ 時間がかかり、資料としてのクオリティもそこそこ

ChatGPTエージェントは、1時間近くの間をかけて資料を作成しました。他エージェントに比べて時間は2~3倍かかっている印象です。

ChatGPTエージェントによる資料作成の実行画面。56分間で39件の検索、325件の情報源を参照。
ChatGPTエージェントによる資料作成の実行画面56分間で39件の検索325件の情報源を参照

資料クオリティについても、それなりのレベルではあるものの、他のAIエージェントと比べると正直現段階では見劣りする印象です。

本検証でChatGPTエージェントが生成した、サービス概要を解説するプレゼンスライド。
本検証でChatGPTエージェントが生成したサービス概要を解説するプレゼンスライド

実際の作業画面&PowerPoint資料は以下です。

ChatGPTの画面

ChatGPTエージェントで作成したPowerPoint資料

Manus:データビジュアライゼーション重視

処理時間はSkyworkよりも少し早い印象です。スライドを見ると、非常に丁寧にまとめられており、それぞれのAIサービスでグラフ等も自動的に作成してくれています。

AIエージェントManusが作成したプレゼン資料の構成と、ChatGPTエージェントに関する生成スライド。
AIエージェントManusが作成したプレゼン資料の構成とChatGPTエージェントに関する生成スライド
  • 情報量:各サービスの説明が最も詳細で充実
  • レイアウト:やや縦長になる傾向があり、16:9比率への調整が必要
  • 編集性:個別要素が分離されており、後からの修正が容易
  • 視覚的品質:全体的に整理されたデザイン

またPowerPointで出力した際には、1つ1つの要素が個別に出力されており、フォントもNotosansと指示が守られているので、後からの編集もしやすいです。

比較検証対象のAIエージェント「Manus」の概要と主要機能・特徴。
比較検証対象のAIエージェントManusの概要と主要機能特徴

Manusでの操作画面(プレビュー)

Manusで作成したPowerPointファイル

GenSpark:圧倒的なスピード重視

GenSparkは「AIスライド」という専門機能を持ち、今回の検証で最も高速な処理を実現しました:

ChatGPTエージェントによるAIサービス紹介スライドの作成画面
GensparkによるAIサービス紹介スライドの作成画面
  • 処理速度:10分以内で完成(最速)
  • アウトライン作成:早期にスライド構成を確定
  • 課題:右側の画像品質がやや粗い、要素が一体化しており修正が困難

PowerPoint資料では、要素が一つのテキストボックスにまとめられていて修正が大変なのと、フォント指定が異なる等の課題が今回はありました。

本検証でGenSparkが作成したスライド。その機能や特徴を効果的に説明している。
本検証でGenSparkが作成したスライドその機能や特徴を効果的に説明している

Gensparkの画面(プレビュー)

Gensparkで作成したPowerPointファイル

Skywork:バランス型の高品質出力

Skyworkは、作業依頼後に、以下のような選択肢の提示があり、ユーザーの要求に応じたカスタマイズが可能でした:

AIエージェントへ資料作成を依頼する際の入力画面例。日本語・簡潔な資料作成を設定中。
AIエージェントへ資料作成を依頼する際の入力画面例日本語簡潔な資料作成を設定中
Skyworkのプレゼンテーション詳細設定画面

スピード感は、Genspark/Manusにはやや劣るものの、ChatGPTエージェントよりは断然早く完成。作成された資料のクオリティも、今回は一番高い印象がありました。

AIエージェントによる情報分析過程と、生成されたPerplexity Comet紹介資料のプレビュー。
AIエージェントによる情報分析過程と生成されたPerplexity Comet紹介資料のプレビュー
  • 対話的設定:対象レベルや要求仕様を事前に確認
  • デザイン品質:最もバランスの取れた美しいデザイン
  • ロゴ精度:各サービスのロゴが最も正確に表示
  • 編集性:PowerPoint変換後の要素が完全に分離され、編集が容易

PowerPointファイルの編集も各要素がしっかり分割されており、Manusと同様に編集しやすい形です。

AIエージェント「Skywork」の機能概要と技術評価。文書・プレゼン作成など5つの専門エージェントを紹介。
AIエージェントSkyworkの機能概要と技術評価文書プレゼン作成など5つの専門エージェントを紹介

Skyworkの作業画面(プレビュー)

SkyworkでつくったPowerPoint資料

 

実用性の観点からの詳細分析

作成時間と効率性

業務効率化の観点から、各ツールの時間効率を分析すると以下のような特徴が見えてきます:

AIエージェント 作成時間 適用場面
GenSpark ★★★ 10分以内 緊急の資料作成、初稿作成
Skywork ★★☆ 約15分 品質重視の正式資料
Manus ★★☆ 約15分 詳細な情報が必要な資料
ChatGPTエージェント ★☆☆ 約1時間 汎用的なタスクの一環

各AIエージェントの最適な活用場面

ChatGPTエージェント:汎用性を活かした複合タスク

ChatGPTエージェントは、資料作成だけでなく、以下のような複合的なタスクで真価を発揮します:

  • 企画から資料作成まで一貫した支援:プロジェクト全体の流れを把握した資料作成
  • 多様な形式への対応:PowerPoint以外の形式も含めた柔軟な出力
  • 継続的な改善:フィードバックを受けた段階的な品質向上

単純な資料作成では他のツールに劣りますが、複雑な要求や継続的なプロジェクトでは、その汎用性が大きな強みとなります。

Manus:情報密度重視の専門資料

Manusは以下のような場面で最も効果を発揮します:

  • 技術資料や仕様書:詳細な情報が必要な専門的な資料
  • 調査報告書:複数のデータソースを統合した分析資料
  • 教育・研修資料:学習者に詳細な情報を提供する必要がある資料

情報の充実度では他を上回るため、内容の正確性と詳細さが重要な資料作成に適しています。

GenSpark:スピード重視の初稿作成

GenSparkの高速処理能力は、以下の場面で特に価値を発揮します:

  • 緊急の資料作成:短時間で最低限の品質を確保したい場合
  • アイデア出しの支援:構成やデザインのたたき台として活用
  • 大量の資料作成:複数の類似資料を効率的に作成

完成度よりもスピードを重視する場面では、GenSparkが最適な選択肢となります。

Skywork:品質とバランスを重視した正式資料

Skyworkは以下のような重要な場面での使用に適しています:

  • クライアント向けプレゼンテーション:外部に提示する正式な資料
  • 経営陣向け報告書:高い品質とプロフェッショナルな見た目が求められる資料
  • マーケティング資料:ブランドイメージを重視した宣伝・広報資料

デザイン品質とロゴの正確性において最も優れているため、対外的な資料や重要なプレゼンテーションに最適です。

今後の展望と技術進化の方向性門特化型AIの優位性

今回の検証で明確になったのは、特定タスクに特化したAIエージェントの優位性です。ChatGPTエージェントのような汎用型は確かに幅広いタスクに対応できますが、資料作成やグラフ作成といった特定の業務においては、専門特化型のツールがより高いレベルの成果を提供します。

この傾向は今後も続くと考えられ、業務効率化を目指す企業や個人は、用途に応じて複数のAIツールを使い分けることが重要になってくるでしょう。

 

まとめ

今回の比較検証により、AIエージェントによる資料作成の現状と各ツールの特徴が明確になりました。主要なポイントを以下にまとめます:

  • 専門特化型の優位性:資料作成においては、汎用型よりも専門特化型AIエージェントが高い品質を実現
  • 用途に応じた使い分けの重要性:スピード重視ならGenSpark、品質重視ならSkywork、情報量重視ならManusという明確な特徴
  • 実用レベルの到達:全てのツールがビジネス実用レベルの品質を達成し、そのまま使用可能な水準
  • PowerPoint連携の向上:各ツールともOffice形式での出力品質が大幅に改善
  • 編集性の考慮:後からの修正を前提とした場合、要素の分離度が重要な選択基準

AIエージェントによる資料作成は、もはや「実験的な試み」ではなく、「実際の業務で活用できる実用的なソリューション」となっています。適切なツール選択と活用方法を理解することで、資料作成業務の大幅な効率化が実現できるでしょう。

📺 この記事の元となった動画です

よくある質問(FAQ)

Q1
AIエージェントを使った資料作成で、特に時間がかかったのはどのツールですか?

今回の検証では、ChatGPTエージェントが資料作成に最も時間を要しました。情報収集、事実確認、構成設計といったプロセスを丁寧に行うため、約1時間かかりました。汎用的なAIエージェントであるため、専門特化型に比べて時間がかかる傾向があります。

Q2
資料作成をAIエージェントに依頼する際、スピードを重視するならどのツールがおすすめですか?

GenSparkがおすすめです。GenSparkは「AIスライド」という専門機能を持ち、今回の検証では10分以内で資料作成を完了しました。ただし、細かなカスタマイズには限界があるため、スピード重視の初稿作成に向いています。

Q3
AIエージェントで作成した資料をPowerPointで編集しやすいのはどのツールですか?

Skyworkが最も編集しやすいです。PowerPoint変換後の要素が完全に分離されているため、後から自由に修正できます。Manusも個別要素に分離されているため編集しやすいですが、Skyworkの方がより柔軟に編集可能です。


この記事の著者

本記事でAIエージェント4種の資料作成能力を比較検証した執筆者。
本記事でAIエージェント4種の資料作成能力を比較検証した執筆者。

池田朋弘(監修)

Workstyle Evolution代表。18万人超YouTuber&『ChatGPT最強の仕事術』著者。

株式会社Workstyle Evolution代表取締役。YouTubeチャンネル「いけともch(チャンネル)」では、
AIエージェント時代の必須ノウハウ・スキルや、最新AIツールの活用法を独自のビジネス視点から解説し、
チャンネル登録数は18万人超(2025年7月時点)。

著書:
ChatGPT最強の仕事術』(4万部突破)、
Perplexity 最強のAI検索術』、
Mapify 最強のAI理解術

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