
2025/07/28(月)
Google AI Studioに新たに追加された「Build機能」は、プログラミング知識がなくても、AIを活用したWebアプリケーションを簡単に作成できる画期的なツールです。この機能により、従来は専門的な開発スキルが必要だったAI組み込みアプリの開発が、誰でも手軽に行えるようになりました。
Build機能の最大の特徴は、無料でほぼ無制限に利用できる点にあります。他の類似サービスが有料プランや回数制限を設けている中、Google AI Studioでは相当量のアプリ作成を無料で試すことができます。これにより、「とりあえずこういうアプリを作ってみて、公開してみたい」というレベルの実験的な開発が気軽に行えるのです。
また、作成したアプリは簡単に共有でき、URLを発行するだけで他のユーザーと成果物を共有できます。ただし、共有されたアプリを利用するには、閲覧者もGoogleアカウントでのログインが必要となります。
目次
Google AI Studio Buildには、様々な用途に対応した豊富なテンプレートとショーケースが用意されています。実際に確認できる主要なアプリケーション例をご紹介します:
Build機能の実力を検証するため、「AI研修を売るための非常に洗練された、かっこいいランディングページ」の作成を依頼してみました。
結果として、要望通りのページが短時間で作成されました。「中小企業向けにウェブサイトを制作しています」というコンテンツを含む、機能的なランディングページが完成し、研修申し込みへの導線も適切に配置されていました。
特に印象的だったのは、ビルド速度の早さです。複雑な要件を含むランディングページでも、数分程度で基本的な構造とデザインが完成しました。
同様のAI開発ツールであるReplitとLovableと比較検証を行いました。同じランディングページ作成要件で比較した結果は以下の通りです:
サービス名 | ビルド速度 | デザイン品質 | 機能の完成度 | 料金・制限 |
Google AI Studio Build | 高速 | シンプル、実用的 | 要件を満たす基本機能 | ほぼ無制限で無料 |
Lovable | 中程度 | 非常に洗練されたデザイン | 視覚的に優れた仕上がり | 無料版は数回のみ |
Replit | やや時間がかかる | シンプル、業務ツール的 | 裏側の実装も含めて作成 | 制限あり |
デザイン面で最も優れた結果を示しました。視覚的に洗練されたインターフェースを作成する能力が高く、「見た目の美しさ」を重視するプロジェクトには最適です。ただし、無料版では数回しか利用できない制限があります。
業務ツール的なアプローチを取っており、見た目よりも機能性を重視した作りになっています。裏側の実装も含めて全体的に作成してくれるため、より本格的な開発を想定している印象です。ただし、その分ビルド時間は長くなる傾向があります。また見た目はやや簡素です。
速度と実用性のバランスが取れており、何より無料でほぼ無制限に利用できる点が大きなメリットです。「とりあえず複数のツールでバーッと作ってみて、一番ピンとくるものをベースにしながら作っていく」というアプローチに最適です。
Google AI Studio Build機能の無料利用について、実際の制限を確認したところ、作る回数や依頼の回数について、基本的にほぼ無制限で利用できることが分かりました。これは他の類似サービスと比較して大きなアドバンテージです。
例えば、LovableやReplitは無料版で数回しか使えない制限がある中、Google AI Studioでは「相当量が無料で試せる」レベルの利用が可能です。これにより、以下のような使い方が現実的になります:
ただし、無料版には一定の制約があります。本格的なビジネス活用を行う場合は、データプライバシーの観点から有料版への移行が推奨されます。無料版では入力データがGoogleのサービス改善に利用される可能性があるため、機密情報を扱う業務での利用は避けるべきです。
作成したアプリの共有機能も、Google AI Studio Buildの大きな魅力の一つです。
共有されたアプリでは、作成者の情報も表示されるため、誰が作ったアプリなのかが明確に分かります。これにより、チーム内でのアプリ共有や、クライアントへのプロトタイプ提示などが効率的に行えます。
実際に別のGoogleアカウントでログインしたブラウザからアクセスしても、同様の機能を利用できることが確認できました。例えば、ピクセルアートメーカーで「キャットインザシー」を生成したり、デザインの色調を「赤いっぽい色」に変更するといった操作が、共有先のユーザーでも問題なく実行できます。
Google AI Studio Buildの開発プロセスは、非常に直感的で使いやすく設計されています。実際の操作手順を詳しく見てみましょう:
特に印象的なのは、修正プロセスの自然さです。例えば、ピクセルアートメーカーで「現状はちょっと青っぽい色の雰囲気なんですけど、赤い感じで多分するようにデザインを考えてくれて」という曖昧な指示でも、AIが適切に解釈して赤いバージョンに変更してくれます。
このような柔軟な修正機能により、プログラミング知識がないユーザーでも、思い通りのアプリに近づけていくことが可能です。
Google AI Studio Buildの大きな潜在的メリットの一つが、Google系サービスとの連携可能性です。実際に確認できた連携例として、以下があります:
これらの連携により、単体のアプリケーションでは実現困難な、より高度で実用的な機能を組み込むことが可能になります。特に、既存のGoogleサービスを業務で利用している企業にとっては、シームレスな統合が期待できます。
Google AI Studio Build機能の検証を通じて、以下の重要なポイントが明らかになりました:
一方で、商用利用時のデータプライバシーの制約や、デザイン面でのLovableとの差、実装の深さでのReplitとの違いなど、用途に応じた使い分けの重要性も確認できました。
Google AI Studio Build機能は、特に「気軽にアプリを作って試したい」「複数のプロトタイプを素早く比較検討したい」「無料でAI機能を組み込んだアプリを開発したい」というニーズに対して、非常に有効なソリューションです。今後のアップデートにより、さらなる機能拡張やGoogle系サービスとの連携強化が期待され、ノーコード開発の新たなスタンダードとなる可能性を秘めています。
Google AI StudioのBuild機能は、プログラミング知識がなくてもAIを活用したWebアプリケーションを簡単に作成できるツールです。豊富なテンプレートが用意されており、画像生成、業務支援、地図連携など、様々な種類のアプリを無料で開発できます。
はい、Google AI Studio Build機能はほぼ無制限で無料で利用できます。他の類似サービスが有料プランや回数制限を設けている中で、Google AI Studioでは相当量のアプリ作成を無料で試すことができます。ただし、機密情報を扱う場合は有料版が推奨されます。
はい、作成したアプリは簡単に共有できます。「シェアアプリ」ボタンをクリックし、公開範囲を「Anyone with link」に設定すると、URLを知っている人なら誰でもアクセスできます。ただし、閲覧者はGoogleアカウントでのログインが必要です。
Google AI Studio Buildは、高速なビルド速度と無料利用が特徴です。Lovableは洗練されたデザインが強みですが、無料版は制限があります。Replitは本格的な開発が可能ですが、ビルドに時間がかかります。初期プロトタイプにはGoogle AI Studio Build、デザイン重視ならLovable、本格開発ならReplitがおすすめです。
Google AI Studio Buildは、プロトタイプ開発に特に適しています。無料でほぼ無制限に利用できるため、複数のアイデアを素早く形にして比較検討できます。研修用ランディングページや業務効率化ツールのプロトタイプ作成など、幅広い用途で活用可能です。
Workstyle Evolution代表。18万人超YouTuber&『ChatGPT最強の仕事術』著者。
株式会社Workstyle Evolution代表取締役。YouTubeチャンネル「いけともch(チャンネル)」では、 AIエージェント時代の必須ノウハウ・スキルや、最新AIツールの活用法を独自のビジネス視点から解説し、 チャンネル登録数は18万人超(2025年7月時点)。