Google AI Studio Build機能の実力検証:無料でアプリ開発、ReplitやLovableとの比較結果 - 生成AIビジネス活用研究所

Google AI Studio Build機能の実力検証:無料でアプリ開発、ReplitやLovableとの比較結果

Google AI Studio Build機能の実力検証:無料でアプリ開発、ReplitやLovableとの比較結果

Google AI StudioのBuild機能のホーム画面。アプリ作成用の様々なテンプレートが並ぶ。
Google AI StudioのBuild apps with Gemini画面

Google AI Studioに新たに追加された「Build機能」は、プログラミング知識がなくても、AIを活用したWebアプリケーションを簡単に作成できる画期的なツールです。この機能により、従来は専門的な開発スキルが必要だったAI組み込みアプリの開発が、誰でも手軽に行えるようになりました。

Build機能の最大の特徴は、無料でほぼ無制限に利用できる点にあります。他の類似サービスが有料プランや回数制限を設けている中、Google AI Studioでは相当量のアプリ作成を無料で試すことができます。これにより、「とりあえずこういうアプリを作ってみて、公開してみたい」というレベルの実験的な開発が気軽に行えるのです。

また、作成したアプリは簡単に共有でき、URLを発行するだけで他のユーザーと成果物を共有できます。ただし、共有されたアプリを利用するには、閲覧者もGoogleアカウントでのログインが必要となります。

豊富なテンプレートとショーケース:どんなアプリが作れるのか

Google AI Studio Buildには、様々な用途に対応した豊富なテンプレートとショーケースが用意されています。実際に確認できる主要なアプリケーション例をご紹介します:

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画像・メディア系アプリケーション

Google AI StudioのVeo 3 Galleryで動画生成アプリの動作画面。コードとプレビューが同時に表示。
Veo 3 Galleryのコードアシスタントと動画プレビュー
  • Veo 3ギャラリー:画像ギャラリーの表示・拡大機能を持つアプリ
  • チャーミングGIF作成ツール:「足場犬eating アイスクリーム」のような指定で、複数の画像フレームを生成してGIFアニメーションを作成
  • ピクセルアートメーカー:「キングドラゴン」などのキーワードから、かわいいピクセルアートを自動生成

業務支援・開発系アプリケーション

  • コードアシスタント:ファイル群とソースコード、プレビュー機能を統合した開発支援ツール
  • YouTubeを学習ツールに変換:YouTube動画のURLを入力すると、その内容を学習用アプリに変換
  • ジブニパワードコードレビュー:AIを活用したコードレビュー支援機能

地図・位置情報系アプリケーション

  • MCP Maps 3D:Google Earthと連携し、指定した条件で町や場所を検索・調査する機能
  • Google Maps連携アプリ:場所を探して詳細情報を提供する位置情報活用アプリ

実際の開発体験:ランディングページ作成で検証

Build機能の実力を検証するため、「AI研修を売るための非常に洗練された、かっこいいランディングページ」の作成を依頼してみました。

結果として、要望通りのページが短時間で作成されました。「中小企業向けにウェブサイトを制作しています」というコンテンツを含む、機能的なランディングページが完成し、研修申し込みへの導線も適切に配置されていました。

特に印象的だったのは、ビルド速度の早さです。複雑な要件を含むランディングページでも、数分程度で基本的な構造とデザインが完成しました。

競合サービスとの詳細比較:Replit、Lovableとの違い

同様のAI開発ツールであるReplitとLovableと比較検証を行いました。同じランディングページ作成要件で比較した結果は以下の通りです:

サービス名ビルド速度デザイン品質機能の完成度料金・制限
Google AI Studio Build高速シンプル、実用的要件を満たす基本機能ほぼ無制限で無料
Lovable中程度非常に洗練されたデザイン視覚的に優れた仕上がり無料版は数回のみ
Replitやや時間がかかるシンプル、業務ツール的裏側の実装も含めて作成制限あり

Lovable

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デザイン面で最も優れた結果を示しました。視覚的に洗練されたインターフェースを作成する能力が高く、「見た目の美しさ」を重視するプロジェクトには最適です。ただし、無料版では数回しか利用できない制限があります。

Replit

業務ツール的なアプローチを取っており、見た目よりも機能性を重視した作りになっています。裏側の実装も含めて全体的に作成してくれるため、より本格的な開発を想定している印象です。ただし、その分ビルド時間は長くなる傾向があります。また見た目はやや簡素です。

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Google AI Studio Build

速度と実用性のバランスが取れており、何より無料でほぼ無制限に利用できる点が大きなメリットです。「とりあえず複数のツールでバーッと作ってみて、一番ピンとくるものをベースにしながら作っていく」というアプローチに最適です。

無料利用の制限と実用性:どこまで使えるのか

Google AI Studio Build機能の無料利用について、実際の制限を確認したところ、作る回数や依頼の回数について、基本的にほぼ無制限で利用できることが分かりました。これは他の類似サービスと比較して大きなアドバンテージです。

例えば、LovableやReplitは無料版で数回しか使えない制限がある中、Google AI Studioでは「相当量が無料で試せる」レベルの利用が可能です。これにより、以下のような使い方が現実的になります:

  • 複数のアプリアイデアを次々と試作
  • デザインパターンの比較検討
  • 機能要件の段階的な改善
  • プロトタイプの大量作成とテスト

ただし、無料版には一定の制約があります。本格的なビジネス活用を行う場合は、データプライバシーの観点から有料版への移行が推奨されます。無料版では入力データがGoogleのサービス改善に利用される可能性があるため、機密情報を扱う業務での利用は避けるべきです。

アプリの共有とコラボレーション機能

作成したアプリの共有機能も、Google AI Studio Buildの大きな魅力の一つです。

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  1. シェアアプリボタンをクリック:作成完了後、「シェアアプリ」ボタンを押す
  2. 公開範囲の設定:「Anyone with link」を選択すると、URLを知っている人なら誰でもアクセス可能
  3. URL発行:共有用のURLが自動生成される
  4. アクセス制限:ただし、閲覧者はGoogleアカウントでのログインが必要(ゲストアカウントでは利用不可)

共有されたアプリでは、作成者の情報も表示されるため、誰が作ったアプリなのかが明確に分かります。これにより、チーム内でのアプリ共有や、クライアントへのプロトタイプ提示などが効率的に行えます。

実際に別のGoogleアカウントでログインしたブラウザからアクセスしても、同様の機能を利用できることが確認できました。例えば、ピクセルアートメーカーで「キャットインザシー」を生成したり、デザインの色調を「赤いっぽい色」に変更するといった操作が、共有先のユーザーでも問題なく実行できます。

実際の開発プロセスと使いやすさ

Google AI Studio Buildの開発プロセスは、非常に直感的で使いやすく設計されています。実際の操作手順を詳しく見てみましょう:

基本的な開発フロー

  1. 要件の入力:自然言語で作りたいアプリの内容を詳細に記述
  2. 自動生成:AIが要件を解析し、適切なコードとデザインを生成
  3. プレビュー確認:リアルタイムでアプリの動作を確認
  4. 修正・調整:「ステージのデザインを赤いっぽい色にしてほしい」のような自然言語での修正指示
  5. 保存・共有:完成したアプリの保存と共有URL発行

修正・カスタマイズの柔軟性

特に印象的なのは、修正プロセスの自然さです。例えば、ピクセルアートメーカーで「現状はちょっと青っぽい色の雰囲気なんですけど、赤い感じで多分するようにデザインを考えてくれて」という曖昧な指示でも、AIが適切に解釈して赤いバージョンに変更してくれます。

このような柔軟な修正機能により、プログラミング知識がないユーザーでも、思い通りのアプリに近づけていくことが可能です。

Google系サービスとの連携可能性

Google AI Studio Buildの大きな潜在的メリットの一つが、Google系サービスとの連携可能性です。実際に確認できた連携例として、以下があります:

  • Google Maps連携:MCP Maps 3Dアプリでは、Google Earthと連携して場所の検索・調査機能を実現
  • Google Cloud統合:Capgeminiの事例では、Google Cloudと連携してECプラットフォーム向けAIエージェントを構築
  • YouTube連携:YouTube動画のURLを入力して学習ツールに変換する機能

これらの連携により、単体のアプリケーションでは実現困難な、より高度で実用的な機能を組み込むことが可能になります。特に、既存のGoogleサービスを業務で利用している企業にとっては、シームレスな統合が期待できます。

まとめ:Google AI Studio Build機能の実用性と今後の展望

Google AI Studio Build機能の検証を通じて、以下の重要なポイントが明らかになりました:

  • 無料でほぼ無制限利用:他の類似サービスと比較して圧倒的なコストメリット
  • 高速なビルド性能:複雑な要件でも数分程度で基本的なアプリが完成
  • 直感的な修正機能:自然言語での指示により、プログラミング知識なしでカスタマイズ可能
  • 簡単な共有機能:URLの発行だけで他のユーザーとアプリを共有
  • Google系サービス連携:Maps、YouTube、Cloud等との統合による高度な機能実現

一方で、商用利用時のデータプライバシーの制約や、デザイン面でのLovableとの差、実装の深さでのReplitとの違いなど、用途に応じた使い分けの重要性も確認できました。

Google AI Studio Build機能は、特に「気軽にアプリを作って試したい」「複数のプロトタイプを素早く比較検討したい」「無料でAI機能を組み込んだアプリを開発したい」というニーズに対して、非常に有効なソリューションです。今後のアップデートにより、さらなる機能拡張やGoogle系サービスとの連携強化が期待され、ノーコード開発の新たなスタンダードとなる可能性を秘めています。

📺 この記事の元となった動画です

よくある質問(FAQ)

Q1 Google AI Studio Build機能とは何ですか?

Google AI StudioのBuild機能は、プログラミング知識がなくてもAIを活用したWebアプリケーションを簡単に作成できるツールです。豊富なテンプレートが用意されており、画像生成、業務支援、地図連携など、様々な種類のアプリを無料で開発できます。

Q2 Google AI Studio Build機能は無料ですか?

はい、Google AI Studio Build機能はほぼ無制限で無料で利用できます。他の類似サービスが有料プランや回数制限を設けている中で、Google AI Studioでは相当量のアプリ作成を無料で試すことができます。ただし、機密情報を扱う場合は有料版が推奨されます。

Q3 Google AI Studio Build機能で作成したアプリは共有できますか?

はい、作成したアプリは簡単に共有できます。「シェアアプリ」ボタンをクリックし、公開範囲を「Anyone with link」に設定すると、URLを知っている人なら誰でもアクセスできます。ただし、閲覧者はGoogleアカウントでのログインが必要です。

Q4 Google AI Studio Build機能とReplit、Lovableの違いは何ですか?

Google AI Studio Buildは、高速なビルド速度と無料利用が特徴です。Lovableは洗練されたデザインが強みですが、無料版は制限があります。Replitは本格的な開発が可能ですが、ビルドに時間がかかります。初期プロトタイプにはGoogle AI Studio Build、デザイン重視ならLovable、本格開発ならReplitがおすすめです。

Q5 Google AI Studio Build機能はどのようなビジネスシーンで活用できますか?

Google AI Studio Buildは、プロトタイプ開発に特に適しています。無料でほぼ無制限に利用できるため、複数のアイデアを素早く形にして比較検討できます。研修用ランディングページや業務効率化ツールのプロトタイプ作成など、幅広い用途で活用可能です。


この記事の著者

池田朋弘のプロフィール写真

池田朋弘(監修)

Workstyle Evolution代表。18万人超YouTuber&『ChatGPT最強の仕事術』著者。

株式会社Workstyle Evolution代表取締役。YouTubeチャンネル「いけともch(チャンネル)」では、 AIエージェント時代の必須ノウハウ・スキルや、最新AIツールの活用法を独自のビジネス視点から解説し、 チャンネル登録数は18万人超(2025年7月時点)。

著書:ChatGPT最強の仕事術』(4万部突破)、 『Perplexity 最強のAI検索術』、 『Mapify 最強のAI理解術

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