
2025/08/14(木)
xAIが開発したGrok Imagineは、テキストプロンプトから高品質な画像や動画を生成できる最新のAIツールです。特に注目すべきは、その生成速度の速さと、他のAIツールでは制限されがちなアダルトな画像を作る「Spicyモード」という独特な機能を搭載している点です。
実際に使用してみると、画像生成の動きは非常に速く、まるでStable Diffusionのような出力方式を採用しているように感じられます。また、元画像からの生成も可能で、例えばキャラクターの表情を変更したり、雰囲気を調整したりといった応用的な使い方もできます。
2025年8月時点で、Grok Imagineは24時間で2,000万以上の画像を生成するという驚異的な処理能力を誇り、動画生成においては6秒までの短編動画を30秒以内で作成できる高速性を実現しています。
目次
「月の下に生物発光するサンゴの街」というプロンプトで、Grok ImagineとAdobe Fireflyを比較してみました。結果として、どちらも一定のクオリティを保っていますが、それぞれに特徴的な癖があることが分かります。
またキャラクター生成において興味深い結果が得られました。既存のキャラクター画像をアップロードし、「このキャラクターが怒っている様子」というプロンプトで生成を試したところ、Grok Imagineは明確にキャラクターを認識し、表情の変更を適切に行うことができました。ただし、キャラクターの一致性については完璧ではなく、元のキャラクターの特徴を保ちながらも、若干の変化が生じる傾向があります。
Grok Imagineの動画生成機能は、静止画像から最大15秒間の動画を作成できる機能です。「Make Video」ボタンを押すことで、既存の画像を動画化することが可能です。
実際に試してみると、動画のクオリティはキャラクターの一致性を保ちながら自然に動かすことができる点で評価できます。動きの質感はMidjourneyに似ており、キャラクターが崩れることなく動作する技術的な完成度は注目に値します。
ただし、現在のところ動画生成には制限があり、より高度な機能を利用するには上位プラン(HyperGrokやPremium)への加入が必要になる場合があります。またスマホアプリのみ対応です。
Grok Imagineの最も議論を呼んでいる機能が「Spicyモード」です。このモードでは、他の多くのAI画像生成ツールでは制限されているNSFW(Not Safe For Work)コンテンツ、つまりエロティックな内容を含む画像や動画の生成が可能になります。
この機能について私は複雑な思いを抱いています。一方で表現の自由という観点から見れば、過度な規制よりも緩和された環境の方が創作活動には有益かもしれません。しかし、X(旧Twitter)上にこうしたコンテンツが氾濫する可能性を考えると、プラットフォーム全体への影響が懸念されます。
実際にSpicyモードを試してみると、確かに通常のモードでは生成できないタイプのコンテンツが作成可能であることが確認できます。ただし、完全に無制限というわけではなく、一定のモデレーションは機能しているようです。
Grok Imagineの優れた点の一つは、キャラクターの一致性を保ちながら、様々なバリエーションを生成できることです。ChatGPTのGPT-imageに近い使用感で、一度生成したキャラクターの特徴を維持しながら、異なるポーズや表情、シチュエーションでの画像を作成できます。
画面下部には複数の選択肢が表示され、ユーザーはその中から気に入ったバリエーションを選んで、さらに発展させることができます。この機能により、一貫したキャラクターデザインを保ちながら、多様な表現を探索することが可能になります。
テイストの変更も比較的柔軟に行えるため、同じキャラクターでも全く異なる雰囲気の作品を作成することができます。これは、ストーリーテリングやキャラクター開発において非常に有用な機能と言えるでしょう。
Grok Imagineの技術的基盤について、いくつかの特徴が見えてきます。まず、生成速度の速さは特筆すべき点で、これはxAIが「Colossus」と呼ばれる大規模なデータセンター(約20万GPU)を活用していることが大きく影響していると考えられます。
動画生成においては「Aurora」というエンジンを採用しており、6秒までの動画を30秒以内で生成できる処理能力を実現しています。これは従来のAI動画生成ツールと比較して圧倒的に高速で、リアルタイムでのコンテンツ作成により適した仕様となっています。
また、日本語でのプロンプト入力にも対応しており、日本のユーザーにとっても使いやすい環境が整備されています。
Grok Imagineの登場は、AI画像・動画生成市場に大きな影響を与える可能性があります。特に、規制に対するアプローチの違いが他のツールとの差別化要因となっています。
多くのAI生成ツールが安全性を重視して厳格な制限を設けている中、Grok Imagineは比較的緩やかな規制方針を採用しています。これは表現の自由を重視するユーザーには歓迎される一方で、コンテンツの適切性や社会的影響について議論を呼ぶ可能性もあります。
X(旧Twitter)との統合により、ソーシャルメディア向けのコンテンツ作成において新たな可能性が開かれることも期待されます。トレンドに応じた即座の動画作成や、マーケティング用途でのプロトタイプ制作など、様々な応用が考えられます。
Grok Imagineは、高速な生成能力と独特な規制方針を特徴とする、注目すべきAI画像・動画生成ツールです。主なポイントを以下にまとめます:
規制に対するアプローチの違いは賛否両論があるものの、表現の自由と技術的な可能性を追求する姿勢は評価できます。今後のAI生成ツール市場において、重要な選択肢の一つとなることは間違いないでしょう。
本記事の内容は、以下の資料も参考にしています:
Grok Imagineは、xAI社が開発したテキストプロンプトから画像や動画を生成するAIツールです。高速な生成速度と、NSFWコンテンツの生成を可能にする「Spicyモード」が特徴です。24時間で2,000万以上の画像を生成する処理能力を持ち、動画は最長6秒のものを30秒以内に作成できます。
Spicyモードは、Grok Imagineの独自機能で、他の多くのAI画像生成ツールでは制限されているNSFW(Not Safe For Work)コンテンツ、つまりエロティックな内容を含む画像や動画の生成を可能にします。ただし、完全に無制限ではなく、一定のモデレーションは機能しています。
Grok Imagineでは、静止画像から最大15秒間の動画を作成できます。「Make Video」ボタンを押すことで、既存の画像を動画化することが可能です。ただし、動画生成機能の一部は上位プランでのみ利用可能で、無料版では制限がある場合があります。
はい、Grok Imagineは日本語でのプロンプト入力に対応しています。日本のユーザーにとっても使いやすい環境が整備されており、日本語で指示を与えることで画像や動画を生成できます。
Grok Imagineの方がAdobe Fireflyよりも生成速度において優位性があります。リアルタイムでの作業に適しており、より迅速に画像生成の結果を得たい場合に適しています。
Workstyle Evolution代表。18万人超YouTuber&『ChatGPT最強の仕事術』著者。
株式会社Workstyle Evolution代表取締役。YouTubeチャンネル「いけともch(チャンネル)」では、
AIエージェント時代の必須ノウハウ・スキルや、最新AIツールの活用法を独自のビジネス視点から解説し、
チャンネル登録数は18万人超(2025年7月時点)。