
2025/09/14(日)
Veo 3でプロンプトを試してみたものの、ロボットのような話し方や不自然な間が入ってしまった経験はありませんか?この記事では、数週間にわたる実践的なテストを通じて確立した、自然な対話と映画的な表現を一貫して生成できるプロンプト手法をご紹介します。
目次
手法 | 最適な用途 | 主なメリット | 無料プラン対応 |
---|---|---|---|
構造化プロンプト | 精密な対話・演出制作 | シーン制御、音響効果、リアリズム | ✅(Gemini app経由) |
ナラティブプロンプト | カジュアルな物語コンテンツ | 高速・柔軟・創造的表現 | ✅(Gemini app) |
リファレンスガイダンス | 連続シーン・キャラクター制作 | 外観一貫性、スタイル継続性 | ❌(有料プラットフォーム必須) |
3つのプロンプト手法があるのは分かりましたが、AIツール初心者としてはどれから始めればいいのか迷ってしまいます…
まずはナラティブプロンプト手法から始めることをおすすめします!「温かいキッチンで、シェフが笑顔で料理している」のような、一つの段落で自然に場面を描写するだけで、驚くほど高品質な動画が作れます。慣れてきて「音響効果をもっと細かく指定したい」「カメラワークを精密にコントロールしたい」と感じたら、構造化プロンプトにステップアップしてください。私の経験では、最初から複雑な手法を使うより、シンプルな方法で成功体験を積む方が上達が早いです。
この手法は、シーンを意図的にフレーミングするアプローチです。ミニ脚本を書くようなイメージで取り組みます。
🎬 推奨プロンプト構造例:
シーン:キッチンでのクッキング
カメラ:フライパンのクローズアップから開始、徐々にズームアウト
音響:オリーブオイルの音、ジュージューという焼く音、環境音
キャラクター:[詳細な外見描写]
対話:「今日は特別なレシピをご紹介しますね」[温かみのある口調]
構造化プロンプトって、まるで映画の脚本を書くみたいで、すごく専門的で難しそうです…!
確かに最初は複雑に見えますが、実は「箇条書きで整理する」程度の感覚で始められます。「シーン:〇〇」「音響:〇〇」「対話:〇〇」のように、思いついた要素を項目ごとに分けて書くだけです。完璧な脚本を書く必要はありません。私も最初は「フライパンの音」「笑顔」「温かい雰囲気」程度の簡単な指定から始めました。むしろ、一度この手法に慣れると「なぜ思った通りの映像にならないのか」が分かりやすくなり、修正も簡単になります。映画制作の経験は一切不要です!
ASMRクッキングシーンの制作で、この手法を使用しました。ジュージューという音、クローズアップ映像、多層音響を含む詳細な指示を書いた結果、素晴らしい仕上がりになりました。ただし、カメラの動きや音響効果一つ一つを詳細に記述する必要があり、完璧にするまでに時間がかかりました。
一つの流れるような段落でシーンを描写する、より有機的で物語性を重視したアプローチです。
📝 推奨プロンプト例:
温かいキッチンで、熟練したシェフが愛情を込めてラザニアを作っている。フライパンからはジュージューという心地よい音が響き、彼女は微笑みながら「この香りがたまりませんね」と視聴者に語りかける。夕日が窓から差し込み、料理に金色の輝きを与えている。
「ラザニアが環境音と共にジュージューと音を立てている」という簡単なワンライン・プロンプトで、期待以上の結果を得ました。しかし、対話やタイミングが重要な場合は詳細な指定が必要で、シンプルなナラティブプロンプトでは期待外れの結果になることもありました。
参照画像や説明を提供して、シーンやキャラクター間の一貫性を保つ手法です。
ミニナラティブシーケンスの制作時にキャラクター参照プロンプトを使用しました。毎回再記述するよりも一貫性は向上しましたが、結果にばらつきがありました。それでも、構造化プロンプトが最も信頼性が高いという結論に至りました。
2週間にわたって50以上のサンプルを生成し、以下の評価基準でテストを実施しました:
現在、Veo 3は単一のプロンプトでネイティブ対話、音響効果、リアルな動作を統合することで、テキスト-動画生成ツール分野で際立っています。Gemini、Flow、そして最近ではCanvaとの統合により、トップティアユーザー以外にもアクセスが拡大しています。
ユーザーは「話すAI赤ちゃん」のような創造的フォーマットを、短くてユーモラスなマルチクリップ・プロンプトで作成し始めています。しかし、リアリズムの向上と共に責任も伴います。ディープフェイクの悪用リスクは現実的であり、Veo 3のリアリズムは倫理的な考慮事項を提起しています。
Googleは安全フィルターとウォーターマークを適用してAI生成コンテンツを検出可能にしていますが、コンテンツルールと悪用リスクは依然として懸念事項です。
✅ 精密な対話と環境音を重視する場合
→ 構造化プロンプトが最適です
⚡ クイックでナラティブスタイルのクリップ制作
→ ナラティブプロンプトが効率的で創造的です
🔄 複数シーンでの一貫性を重視する場合
→ リファレンスガイダンスでキャラクターとスタイルを安定化できます
Veo 3がすごいのは分かりましたが、実際のビジネスシーンでどんな風に活用できるのかイメージが湧きません…
ビジネスでの活用シーンは本当にたくさんあります!例えば「商品紹介動画」なら、商品を手に取って説明している様子を8秒で生成し、それを複数つなげて完成版を作れます。「社内研修動画」では、実際の作業風景を再現した動画で安全教育ができます。「SNSマーケティング」では、お客様の声を再現した動画で信頼性の高いコンテンツが作れます。
これらのアプローチのうち少なくとも1つは、あなたがより自然に聞こえるVeo 3の対話を、手探りすることなく生み出すお手伝いをするでしょう。まずは最も興味のある手法から始めて、実際に試してみることをおすすめします!
Veo 3は8秒のクリップをデフォルトで生成し、Gemini app経由でアクセス可能です。Flow統合などのより高度なアクセスと機能には、AI Ultraサブスクリプション(月額$249.99)が必要です。
Googleは時々Gemini経由で無料週末アクセスを提供しています – ユーザーあたり3クリップなどの生成数制限があります。
Veo 3のプロンプト間メモリは限定的です – 詳細を繰り返すことで、シーン間の外観一貫性を確保できます。
Veo 3は映画的言語 – パン、クローズアップ、照明、さらにはオブジェクト操作 – に驚くほど忠実に応答します。
はい – Veo 3は安全フィルターを適用し、AI生成コンテンツを検出するためのウォーターマークを埋め込みます。それでも、コンテンツルールと悪用リスクは依然として懸念事項です。
🎉 この記事が役立ったら、ぜひ実際にVeo 3で試してみてください!あなたの創造的なプロジェクトが次のレベルに進むことを応援しています!
Magic Hour共同創業者兼CEO。Y Combinator採択歴を持つ起業家。
AI動画生成プラットフォーム「Magic Hour」の共同創業者兼CEO。Y CombinatorのWinter 2024バッチに採択された実績を持つ起業家である。Meta(旧Facebook)ではデータサイエンティストとして、新規プロダクト開発部門「New Product Experimentation(NPE)」にて0→1のコンシューマー向けソーシャルプロダクトの開発に従事した経験を有する。
この記事は著者の許可を得て公開しています。
元記事:https://magichour.ai/blog/how-to-prompt-for-speaking-in-veo-3
Workstyle Evolution代表。18万人超YouTuber&著書『ChatGPT最強の仕事術』は4万部突破。
株式会社Workstyle Evolution代表取締役。YouTubeチャンネル「いけともch(チャンネル)」では、 AIエージェント時代の必須ノウハウ・スキルや、最新AIツールの活用法を独自のビジネス視点から解説し、 チャンネル登録数は18万人超(2025年7月時点)。