
2025/07/30(水)
生成AI活用の具体的な事例を探している企業担当者の皆さんに朗報です。一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)が、国内最大級となる1,008件の生成AI活用事例を収録したデータベースを無料公開しました。このデータベースは、製造業から金融業まで18業界にわたる実際の活用事例を時系列で整理し、企業別・カテゴリー別での検索も可能な画期的なリソースです。
「生成AIを導入したいが、何から始めればよいか分からない」「自社の業界での具体的な活用シーンが見えない」といった課題を抱える企業にとって、このデータベースは貴重な情報源となるでしょう。さらに、データをChatGPTなどの生成AIツールと組み合わせることで、より効率的な情報収集と分析が可能になります。
目次
GUGAが2025年9月に公開したこの生成AI活用事例データベースは、2024年5月から2025年8月までの期間をカバーする国内企業・団体による実際の活用事例を収録しています。単なる事例の羅列ではなく、AI有識者であるGUGA協議員が「PICKER」として一つひとつの事例を査読し、信頼性の高い事例のみを厳選して掲載している点が大きな特徴です。
収録されている事例は以下の18業界に分類されており、各業界での生成AI活用の現状を包括的に把握できます。
このような幅広い業界カバレッジにより、自社の業界だけでなく、他業界の事例からもヒントを得ることができ、新たな活用アイデアの発見につながります。
このデータベースの真価は、単に事例を閲覧するだけでなく、戦略的に活用することで発揮されます。私が特に有効だと考える活用方法をご紹介します。
データベースでは事例が時系列で整理されているため、生成AI活用の進化過程を追跡できます。例えば、2024年5月時点では単純な文書作成支援が中心だった企業が、2025年に入ってより高度な業務プロセス自動化に発展している様子を確認できます。このトレンド分析により、自社の導入ロードマップ策定に役立つ洞察を得られるでしょう。
データベースの検索機能を活用することで、特定の企業がどのような取り組みを行っているか、または特定のカテゴリー(例:顧客対応、営業支援、製品開発など)での事例を絞り込んで確認できます。競合他社の動向把握や、自社の課題に直結する事例の発見に非常に有効です。
データベースの情報をコピーしてChatGPTなどの生成AIツールに入力することで、より深い分析が可能になります。具体的には以下のような活用方法があります:
データベースに収録されている各業界の事例から、特に注目すべき活用パターンをご紹介します。
製造業では生成AIが最も積極的に導入されており、予知保全と品質管理の分野で顕著な成果を上げています。センサーデータを分析して設備の故障を事前に予測する技術や、生産ラインの画像・動画を自動分析して製品の欠陥を早期発見するシステムが実用化されています。
特に注目すべきは、カスタマイズ生産とプロトタイピングの分野での活用です。エンジニアが設計目標と制約条件を設定すると、AIがあらゆる可能な選択肢を探索し、最適な設計案を迅速に生成・改良する仕組みが確立されています。
金融業界では顧客対応と営業効率の向上に生成AIが大きく貢献しています。みずほ銀行では複雑な相談対応の質向上と面談記録作成負担の軽減のため、会話解析と記録自動生成AIを導入し、記録作成時間の大幅な短縮を実現しました。
さらに驚異的な成果を上げているのが三菱UFJ銀行の営業改革です。Claudeを活用した非構造データの自動解析により、顧客獲得10倍・成約率30%改善という具体的な数値成果を達成しています。
建設業界では、設計図面の自動生成や施工計画の最適化、安全管理の強化などで生成AIが活用されています。特に人手不足が深刻な業界であるため、作業効率の向上と安全性の確保を両立する取り組みが注目されています。
このデータベースを提供している一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)は、生成AIの社会実装を通じて産業の再構築を目指す国内有数の組織です。生成AIパスポート資格制度の企画・開発や、IT導入補助金を活用したAIツール導入支援など、多角的な事業を展開しています。私も協議員として参画しています。
特に注目すべきは、GUGA協議員(AI有識者)によるコンサルティングサービスです。データベースの事例を参考にしながら、専門家による具体的な導入支援を受けることも可能です。
GUGAの生成AI活用事例データベースは、以下の点で企業の生成AI導入を強力に支援します:
生成AI導入を検討している企業の皆さんは、まずこのデータベースを活用して自社の業界や類似企業の事例を調査し、ChatGPTなどのツールと組み合わせて戦略的な導入計画を策定することをお勧めします。豊富な実例に基づいた検討により、より確実で効果的な生成AI活用が実現できるでしょう。
本記事の内容は、以下の資料も参考にしています:
GUGA(一般社団法人生成AI活用普及協会)が提供する、国内企業の生成AI活用事例をまとめたデータベースです。製造業から金融業まで幅広い業界の事例が収録されており、企業別・カテゴリー別に検索できます。2024年5月から2025年8月までの事例が掲載されています。
自社の業界や類似企業の事例を検索し、生成AIの導入アイデアや戦略を立てるのに役立ちます。時系列でのトレンド分析、企業別・カテゴリー別の詳細検索、ChatGPTなどの生成AIツールとの連携による高度な分析も可能です。
はい、GUGAの生成AI活用事例データベースは、すべての情報に無料でアクセスできます。生成AIの導入を検討している企業にとって、貴重な情報源となります。
製造業、エネルギー・インフラ、建設・不動産、食品・消費財、医療・介護・製薬、金融・保険、テクノロジー、通信・ネットワーク、メディア・広告・出版、サービス業、公共・自治体、エンターテイメントなど、幅広い18業界の事例が収録されています。
データベースの情報をChatGPTに入力することで、類似事例の抽出、成功要因の分析、導入計画の策定支援、ROI予測などが可能です。例えば、「製造業の品質管理に関する事例を抽出して」といった指示で、関連事例を効率的に特定できます。
Workstyle Evolution代表。18万人超YouTuber&『ChatGPT最強の仕事術』著者。
株式会社Workstyle Evolution代表取締役。YouTubeチャンネル「いけともch(チャンネル)」では、 AIエージェント時代の必須ノウハウ・スキルや、最新AIツールの活用法を独自のビジネス視点から解説し、 チャンネル登録数は18万人超(2025年7月時点)。