
2025/09/10(水)
AI支援開発ツールの進化が加速する中、Claude Code拡張機能の最新アップデートが注目を集めています。Claude Sonnet 4.5のリリースと同時に大幅な機能強化が行われ、より自律的な動作と複雑なタスクの委任が可能になりました。しかし、実際にCursorでこの拡張機能を試してみると、期待される新機能の一部が思うように動作しない現実が見えてきます。
本記事では、Claude Code拡張機能の実際の使用感と、特に注目されているCheckpoints(チェックポイント)機能やMCP(Model Context Protocol)対応の現状について、実体験に基づいて詳しく解説します。新機能への期待と現実のギャップを理解することで、より効果的な開発環境の構築に役立てていただけるでしょう。
目次
まず、Claude Code拡張機能の動作面での改善について触れておきます。私が実際に使用してみた感想として、動作が非常に軽快になった点は特筆すべき改善です。以前のバージョンと比較して、レスポンスの速度が明らかに向上しており、開発作業中のストレスが大幅に軽減されています。
特に印象的だったのは、変更の過程が分かりやすく表示されるようになった点です。拡張機能の下部に実行中のプランが表示され、何の処理を行っているかがリアルタイムで確認できます。これにより、AIが何を考えて作業しているかが透明化され、開発者としての安心感が大きく向上しました。
また、Windows環境での動作も改善されています。以前はWSL(Windows Subsystem for Linux)を経由する必要があり、設定が複雑でしたが、現在はより直接的に動作するようになっています。ただし、この改善により新たな課題も浮上していることは後述します。
Claude Code拡張機能の目玉機能として紹介されたCheckpoints(チェックポイント)機能です。この機能は、コード変更前に自動的に状態を保存し、ESCキーを2回押すかrewindコマンドを使用することで前のバージョンに戻せるというものです。
理論的には非常に有用な機能で、「以前これがなくて、Claude Codeが勝手に修正してぶっ壊されたケースがあった」という経験から、この機能は必須だと考えています。
Cursor拡張機能を使うとこの機能は使えないようで、ターミナル・WSLでの利用が必要なようです。
大きな課題が、MCP(Model Context Protocol)への対応状況です。MCPは、AIモデルが外部ツールやサービスと連携するためのプロトコルで、Claude Codeの機能拡張において重要な役割を果たします。
実際に確認してみると、ターミナル上のClaude CodeではMCPが正常に認識されているにも関わらず、Cursor拡張機能版のClaude CodeではMCPが利用できない状況が発生しています。これは、以下の3つの異なるClaude Code環境が存在することが原因と考えられます:
それぞれが独立した設定を持っているため、ターミナルでMCPを設定しても、拡張機能では反映されないという問題が発生しています。この問題を解決するためには、プロジェクトルートにmcp.jsonファイルを配置する必要がありますが、Windows環境では特別な注意点があり、設定が複雑になっています。(私は残念ながらうまく設定できませんでした)
実際にYouTube動画のダウンロード機能の修正作業を通じて、Claude Code拡張機能の実用性を検証しました。結果として、基本的な修正作業については非常にスムーズに動作することが確認できました。
特に印象的だったのは、エラーの原因を特定し、適切な修正方法を提案する能力です。文字列処理のエラーを迅速に特定し、修正案を提示してくれました。また、修正の過程で何を行っているかが明確に表示されるため、開発者として安心して作業を委任できます。
Claude Code拡張機能は確実に進歩していますが、新機能の実装と実際の動作には乖離があるのが現状です。特にCheckpoints機能やMCP対応については、理論的には素晴らしい機能でありながら、実用レベルでの安定性に課題があります。
現実的な対応策として、以下のアプローチを推奨します:
基本機能の活用に集中: 新機能に頼らず、確実に動作する基本的なコード生成・修正機能を中心に活用することで、安定した開発環境を維持できます。
手動でのバックアップ習慣: Checkpoints機能が不安定な現状では、重要な変更前には手動でGitコミットを行う習慣を維持することが重要です。
段階的な機能導入: 新機能については、本格的な開発作業に導入する前に、テスト環境で十分に検証することが必要です。
CursorのClaude Code拡張機能は、動作の軽快さと基本的な開発支援機能において確実な進歩を見せています。しかし、期待される新機能については、まだ実用レベルでの安定性に課題があるのが現実です。
主要なポイントを整理すると:
現段階では、新機能への過度な期待は控え、確実に動作する基本機能を中心に活用することが賢明です。同時に、今後のアップデートで新機能の安定性が向上することを期待しつつ、継続的に検証していく姿勢が重要だと考えています。
CursorのClaude Code拡張機能は、AIを活用した開発支援ツールです。コードの生成や修正をAIがサポートし、開発者の作業効率向上を目指します。特にClaude Sonnet 4.5のリリース以降、機能が大幅に強化され、より自律的な動作と複雑なタスクの委任が可能になりました。
Checkpoints機能は、コード変更前に自動的に状態を保存し、必要に応じて前のバージョンに戻せる機能です。ESCキーを2回押すか、rewindコマンドを使用することで、変更前の状態に復元できます。しかし、記事内では、実際の使用においては期待通りに動作しない場合があると報告されています。
MCP(Model Context Protocol)は、AIモデルが外部ツールやサービスと連携するためのプロトコルです。Claude Codeの機能拡張において重要な役割を果たしますが、環境設定が複雑で、ターミナルとCursor拡張機能で認識状態が異なる場合があります。プロジェクトルートにmcp.jsonファイルを配置することで対応できる場合がありますが、Windows環境では特別な注意が必要です。
CursorでClaude Code拡張機能を利用する際は、設定ファイルの場所が分かりにくい点、Windows環境特有の制約がある点、APIキーの管理方法が不明確な点に注意が必要です。また、新機能(Checkpoints機能など)については、まだ実用レベルでの安定性に課題があるため、基本機能を中心に活用し、重要な変更前には手動でGitコミットを行う習慣を維持することが推奨されます。
はい、Claude Code拡張機能はWindows環境でも使用可能です。以前はWSL(Windows Subsystem for Linux)を経由する必要がありましたが、現在はより直接的に動作するよう改善されています。ただし、MCPの設定など、Windows環境特有の制約があるため、注意が必要です。
Workstyle Evolution代表。18万人超YouTuber&『ChatGPT最強の仕事術』著者。
株式会社Workstyle Evolution代表取締役。YouTubeチャンネル「いけともch(チャンネル)」では、 AIエージェント時代の必須ノウハウ・スキルや、最新AIツールの活用法を独自のビジネス視点から解説し、 チャンネル登録数は18万人超(2025年7月時点)。