Slackが企業のエージェントOSに進化:Salesforce連携強化とAI統合で変わるワークスペース - 生成AIビジネス活用研究所

Slackが企業のエージェントOSに進化:Salesforce連携強化とAI統合で変わるワークスペース

Slackが企業のエージェントOSに進化:Salesforce連携強化とAI統合で変わるワークスペース

Slackは単なるコミュニケーションツールから「企業のエージェントOS(Agentic Operating System)」への大きな転換を発表しました。この変革により、Slackは全ての企業アプリ、データ、AIエージェントを統合する統一されたワークOSとして機能し、会話型インターフェースを通じて企業の業務プロセスを根本から変えようとしています。

特に注目すべきは、AgentForce 360との連携強化サードパーティーAIサービスとの接続拡大、そして企業データの横断検索機能の3つの柱です。これらの機能により、従業員はSlack上から様々な企業システムにアクセスし、AIの力を借りて効率的に業務を進められるようになります。

Salesforce連携の大幅強化:AgentForceとの統合

Salesforce連携の大幅強化:AgentForceとの統合

Slackの「エージェントOS」戦略の中核となるのが、Salesforceとの深い連携です。AgentForce 360の動きと合わせて、Slackは企業のあらゆるデータとプロセスを統合するプラットフォームとして機能します。

AgentForceによる業務自動化

AgentForceのAIエージェントは、全ての有料プランで導入可能となり、以下のような機能を提供します:

  • Agent for Sales:営業プロセスの自動化と顧客データの即座な参照
  • Agent for IT:ITサービスの問い合わせ対応と技術的な課題解決
  • Agent for HR:人事関連の質問対応と従業員サポート

これらのエージェントにより、従業員はSlack上から多くの機能を直接利用できるようになり、複数のアプリケーションを行き来する必要がなくなります。

チャンネルエキスパートエージェントの活用

注目すべき機能が「チャンネルエキスパートエージェント」です。この機能により、特定のSlackチャンネル内での確認作業が自動化されます。ただし、利用にはAgentForceが必要であり、Salesforceとの接続が前提となります。

サードパーティーAIサービスとの接続拡大

サードパーティーAIサービスとの接続拡大

Slackは、自社のAI機能だけでなく、様々なサードパーティーAIサービスとの統合も大幅に拡大しています。これにより、企業は最適なAIツールを組み合わせて使用できるようになります。

主要なAI統合サービス

Slack App Marketplaceを通じて、以下のようなAIサービスが利用可能になりました:

  • ChatGPT:リアルタイムサーチAPIによりSlack内に統合
  • Claude:Anthropicのクロードも直接連携可能
  • Notion:ドキュメント管理との連携
  • Perplexity:検索機能の強化
  • Dropbox:ファイル管理との統合

MCP(Model Context Protocol)対応

SlackはMCP(Model Context Protocol)にも対応し、Anthropic、Dropbox、OpenAIなどのサードパーティーAIを新たにAPI統合することで、できることが大幅に増えました。これにより、企業は複数のAIサービスを組み合わせて、より高度な業務自動化を実現できます。

企業データの横断検索機能

企業データの横断検索機能

Slackの「エージェントOS」戦略の一つが企業データの横断検索です。エンタープライズプラス以上のプランでは、AI活用したエンタープライズ検索機能により、様々な企業システムに散らばったデータを統一的に検索できるようになります。

検索機能の特徴

  • リアルタイム検索:Real-Time Search APIにより即座に結果を取得
  • 権限管理の維持:ユーザーの権限に応じた検索結果の表示
  • 多様なデータソース:Salesforce、Dropbox、Notionなど複数のサービスを横断
  • コンテキスト理解:会話の文脈を理解した関連性の高い検索結果

この機能により、従業員は必要な情報を探すために複数のアプリケーションを切り替える必要がなくなり、Slack上で一元的に情報にアクセスできるようになります。

企業にとっての実践的なメリット

企業にとっての実践的なメリット

Slackの「エージェントOS」への進化は、企業にとって以下のような具体的なメリットをもたらします:

業務効率の大幅向上

  • アプリケーション切り替えの削減:Slack上で多くの業務を完結
  • 情報検索時間の短縮:横断検索により必要な情報に即座にアクセス
  • 自動化による作業軽減:AIエージェントによる定型業務の自動化

コミュニケーションの質向上

  • コンテキストの共有:関連データを含めた議論が可能
  • リアルタイム協業:複数のツールのデータを同時に参照
  • 意思決定の迅速化:必要な情報がすぐに手に入る

コスト最適化

  • トレーニングコストの削減:統一されたインターフェースで学習コスト低減
  • 運用管理の簡素化:一元的な管理による運用効率化

Slackの新料金体系とAI機能の統合

Slackの新料金体系とAI機能の統合

2025年8月17日以降、Slackは価格改定と同時に、全ての有料プランにAI機能を統合すると発表しました。これまで別途料金が必要だったAI機能が、各プランに標準搭載されることで、より多くの企業がAIの恩恵を受けられるようになります。

プラン別AI機能の詳細

プラン月額料金主要AI機能
Pro据え置き要約機能、ハドルノート
Business+$15(約20%値上げ)AIワークフロー生成、ファイル要約、毎日のまとめ、検索、言語翻訳
Enterprise+(新設)新価格AI活用したエンタープライズ検索、高度なデータ分析

この価格改定により、ビジネスプラスが値上がりした一方で、AI機能が標準搭載されることで、実質的な価値は大幅に向上しています。特に、AIワークフロー生成や企業データの横断検索機能は、従来では考えられなかった業務効率化を実現します。

まとめ

まとめ

Slackの「企業のエージェントOS」への進化は、以下の3つの柱によって実現されています:

  • Salesforce連携の強化:AgentForce 360との統合により、CRMデータへの直接アクセスと業務自動化を実現
  • AIサービスとの接続拡大:ChatGPT、Claude、Notionなど多様なAIツールとの統合により、最適なAI環境を構築
  • 企業データの横断検索:複数システムのデータを統一的に検索し、必要な情報に即座にアクセス

価格改定により一部プランは値上げとなりますが、AI機能の標準搭載により実質的な価値は大幅に向上しています。特にSalesforceユーザーにとっては、追加コストなしでSlackの基本機能を利用できるようになることで、大きなメリットを享受できるでしょう。

企業がこの変化に適応し、Slackを中心とした統合ワークフローを構築することで、業務効率の大幅な向上と競争優位性の確立が期待できます。

📺 この記事の元となった動画です

よくある質問(FAQ)

Q1 Slackが「企業のエージェントOS」になると、具体的に何が変わるのですか?

Slackが企業内の様々なアプリ、データ、AIエージェントを統合するプラットフォームとなり、従業員はSlackを通じて、より効率的に業務を進められるようになります。特に、Salesforceとの連携強化、サードパーティーAIサービスとの接続拡大、企業データの横断検索機能が強化されます。

Q2 Slackの新しい料金プランでは、AI機能はどのように変わりますか?

2025年8月17日以降、Slackの全ての有料プランにAI機能が標準搭載されます。ビジネスプラスプランは値上げされましたが、AIワークフロー生成やファイル要約などの機能が追加され、より高度な業務効率化が可能です。

Q3 SlackとSalesforceの連携によって、どのような業務が自動化できますか?

AgentForceのAIエージェントを活用することで、営業プロセスの自動化(Agent for Sales)、ITサービスの問い合わせ対応(Agent for IT)、人事関連の質問対応(Agent for HR)などがSlack上から直接行えるようになります。これにより、複数のアプリケーションを行き来する手間が省けます。

Q4 Slackで企業データを横断検索するには、どのプランが必要ですか?

企業データの横断検索機能は、エンタープライズプラス以上のプランで利用できます。AIを活用したエンタープライズ検索機能により、Salesforce、Dropbox、Notionなど複数のシステムに分散したデータを一元的に検索できます。

Q5 Salesforceユーザーは、Slackを無料で使えるようになるのですか?

はい、全てのSalesforceユーザーは、SlackとSlack-Salesforce統合にアクセスできるようになり、Slackの基本機能を無料で利用できます。これにより、CRMデータへのアクセスが容易になり、営業チームの生産性向上が期待できます。


この記事の著者

池田朋弘のプロフィール写真

池田朋弘(監修)

Workstyle Evolution代表。18万人超YouTuber&『ChatGPT最強の仕事術』著者。

株式会社Workstyle Evolution代表取締役。YouTubeチャンネル「いけともch(チャンネル)」では、 AIエージェント時代の必須ノウハウ・スキルや、最新AIツールの活用法を独自のビジネス視点から解説し、 チャンネル登録数は18万人超(2025年7月時点)。

著書:ChatGPT最強の仕事術』(4万部突破)、 『Perplexity 最強のAI検索術』、 『Mapify 最強のAI理解術

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