GoogleのAI研究ツールNotebookLMが、2024年10月末に大規模なアップデートを実施しました。最新のGemini 2.5モデルの搭載、100万トークンのコンテキストウィンドウ、RAG(Retrieval Augmented Generation)精度の50%向上、そして待望の会話履歴自動保存機能など、研究者や知識労働者にとって革命的な改善が行われています。
これまでも十分に高性能だったNotebookLMが、さらなる進化を遂げたことで、大量の文書を扱う研究作業や学習プロセスが劇的に効率化されることが期待されます。本記事では、今回のアップデートの詳細と、それが私たちの知識作業にもたらす具体的なメリットについて詳しく解説します。
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今回のアップデートで最も注目すべきは、最新のGemini 2.5モデルの搭載です。元々はGemini1.5Proが搭載されており、それでも十分な精度でしたが、従来のモデルと比較して、より高度な推論能力と理解力を備えており、複雑な多段階推論タスクにおいて特に優れた性能を発揮します。
Gemini 2.5は「思考モデル」の新世代として設計されており、研究論文の分析、複数の議論の比較、異なるトピック間の関連性の発見といった高度な知的作業において、従来よりもはるかに精密で洞察に富んだ回答を提供できるようになりました。
特に印象的なのは、長時間の対話を続けても初期の指示を見失わないという改善点です。これまでのAIツールでは、会話が長くなるにつれて最初の質問や文脈を忘れてしまうことがありましたが、Gemini 2.5の搭載により、一貫性のある対話を維持できるようになっています。

今回のアップデートでは、Geminiの100万トークンコンテキストウィンドウがすべてのプランで利用可能になりました。大規模な文書コレクションの分析において劇的な性能向上をもたらします。
100万トークンという数字がどれほど大きいかを具体的に説明すると、一般的な書籍1冊分(約300ページ)の内容を10冊丸ごと一度に処理できる容量です。研究者が複数の論文や報告書を同時に分析したい場合、これまでは文書を細かく分割して処理する必要がありましたが、今回のアップデートにより、大量の資料を一括で扱えるようになりました。
さらに、マルチターン会話の容量が6倍以上に拡張されたことで、長期間にわたる研究プロジェクトでも、一貫性のある対話を維持しながら深い洞察を得ることが可能になっています。

RAG(Retrieval Augmented Generation)は、文書から関連情報を検索し、それを基に回答を生成するAI技術です。NotebookLMは登録したデータから検索するサービスであり、まさに核心技術であるRAGが50%の精度向上を実現したことは、研究作業の質を大幅に向上させる重要な改善です。
この精度向上により、NotebookLMは単に質問に答えるだけでなく、複数の角度から情報源を自動的に探索し、初期のプロンプトを超えて発見した内容を統合して、より微妙で包括的な回答を提供できるようになりました。
特に大規模なノートブックにおいて、この改善は顕著に現れます。適切なコンテキスト設計により、最も関連性の高い情報に基づいた高品質で信頼性の高い回答を提供し、情報源に確実に根ざした内容を生成します。これにより、研究者は膨大な資料の中から重要な洞察を効率的に抽出できるようになります。

多くのユーザーが待ち望んでいた会話履歴の自動保存機能が、ついに実装されました。この機能により、セッションを閉じた後でも会話を再開でき、長期プロジェクトにおける継続性が大幅に改善されます。
これまでは、重要な議論や洞察を得た後、ページをリロードしたり別のタブに移動したりすると、その内容が失われてしまうという問題がありました。研究過程で得られた貴重なインサイトや議論の内容が消えてしまうことは、多くのユーザーにとって大きなストレスでした。
新しい自動保存機能では、すべての会話が自動的に保存され、後から参照することが可能になります。また、共有ノートブックにおいても、チャット履歴は個人のみに表示されるため、プライバシーも適切に保護されています。ユーザーはいつでもチャット履歴を削除することも可能です。

これらのアップデートにより、NotebookLMの利用シーンは大幅に拡張されます。従来も非常に優秀だったツールが、さらに賢くなったことで、以下のような場面での活用が期待されます:
大量の論文や研究資料を一度に処理し、複数の文献間の関連性や矛盾点を自動的に特定できるようになります。100万トークンの容量により、文献レビューの効率が劇的に向上します。
市場調査レポート、競合分析資料、顧客フィードバックなどの大量のビジネス文書を統合分析し、戦略的洞察を抽出できます。会話履歴の保存により、長期的なプロジェクト管理も容易になります。
教科書、講義資料、参考文献を統合して、個人に最適化された学習体験を提供できます。カスタマイズ機能により、学習者のレベルや目標に応じた指導スタイルを設定できます。

NotebookLMの今回のアップデートは、AI支援による知識作業の新たな標準を確立したと言えます。主要な改善点を改めて整理すると:
これらの機能により、NotebookLMは単なるAIツールを超えて、知識労働者の思考パートナーとしての役割を果たすようになりました。研究、学習、ビジネス分析など、様々な場面でその真価を発揮することが期待されます。
今回のアップデートを機に、NotebookLMを活用した新しい知識作業のスタイルを探求してみることをお勧めします。きっと、これまでにない効率性と洞察の深さを体験できるはずです。
本記事の作成にあたり、以下の情報源も参考にしています:
2024年10月末のアップデートで、最新のGemini 2.5モデルの搭載、100万トークンのコンテキストウィンドウ、RAG(Retrieval Augmented Generation)精度の50%向上、会話履歴自動保存機能が追加されました。これにより、大量の文書を扱う研究作業や学習プロセスが効率化されます。
Gemini 2.5は、より高度な推論能力と理解力を備えており、複雑な多段階推論タスクにおいて優れた性能を発揮します。特に、長時間の対話でも初期の指示を見失わないため、一貫性のある対話を維持できます。
100万トークンは、一般的な書籍1冊分(約300ページ)の内容を丸ごと一度に処理できる容量です。複数の論文や報告書を同時に分析したい場合に、大量の資料を一括で扱えるようになりました。
RAG精度が向上したことで、NotebookLMは複数の角度から情報源を自動的に探索し、初期のプロンプトを超えて発見した内容を統合して、より包括的な回答を提供できるようになりました。大規模なノートブックにおいて、重要な洞察を効率的に抽出できます。
会話履歴が自動的に保存されるため、セッションを閉じた後でも会話を再開でき、長期プロジェクトにおける継続性が大幅に改善されます。研究過程で得られた貴重なインサイトや議論の内容が失われる心配がありません。
Workstyle Evolution代表。18万人超YouTuber&『ChatGPT最強の仕事術』著者。
株式会社Workstyle Evolution代表取締役。YouTubeチャンネル「いけともch(チャンネル)」では、 AIエージェント時代の必須ノウハウ・スキルや、最新AIツールの活用法を独自のビジネス視点から解説し、 チャンネル登録数は18万人超(2025年7月時点)。