AIツールの活用が急速に進化する中、従来のブラウザベースのAIチャットから、様々な環境に統合されたAIツールへと展開が広がっています。特に注目すべきは、Claude 4.6 Opusで導入されたエージェントチーム機能です。これまで開発作業に特化していたこの機能を、リサーチや資料作成といった非開発業務に活用することで、どのような可能性が開けるのでしょうか。
私は実際にClaudeのエージェントチームを使って、複数のエージェントによる並列調査と批判的議論を通じた統合作業を試してみました。
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現在のAIツール導入状況を整理すると、明確なパターンが見えてきます。もともとブラウザ上のAIチャットとして始まったAIツールは、今や様々なUIと環境に浸透しています。
エンジニア向けには、VS CodeやCursorといったIDE(統合開発環境)上にAIが常駐し、自分の開発環境内で直接操作できるようになっています。これにより、コーディング作業の効率が飛躍的に向上しています。
非エンジニア向けにも大きな変化が起きています。Claude WorkやCodexアプリのようなアプリケーションにより、自分のパソコン上で直接作業ができるようになりました。さらに、ExcelやPowerPointといった既存ツールの右側にAIが配置され、編集や操作を支援する形での統合も進んでいます。

Claude 4.6 Opusのエージェントチーム機能は、本来開発を前提として設計されていますが、並列調査においても非常に有効です。私が実際に試した手法をご紹介します。
今回の実験では、以下の3つの調査エージェントを並行起動しました:
これらのエージェントがそれぞれ異なるソースを当たりながら調査を進め、最終的にリード管理者が結果を統合するという流れです。
コンテクスト制限の回避
従来のClaude単体での調査では、検索結果の大量データによりコンテクスト制限に達してしまい、「情報を圧縮してください」という状況になりがちでした。エージェントチームを使うと、それぞれが別々に調査を行うため、一定の調査ボリュームを確保しながら、最終的な統合結果は適切な分量に収まります。
調査範囲の拡大
各エージェントが専門分野に特化することで、単一エージェントでは見落としがちな詳細な情報まで収集できます。例えば、開発者向けツールの調査では相当な数のツールが発見され、OS系の調査ではブラウザ系ツールまで含めた包括的な情報が得られました。
エージェントチームの優れた点は、それぞれの調査結果がマークダウンファイルとして保存されることです。これにより、次回新しいプロジェクトを立ち上げる際に、これらのアウトプットを読み込んで、より高度な分析を行うことが可能になります。

並列調査を行えるツールは、Claudeエージェントチーム以外にも存在します。
Manusでも並列調査機能が提供されていますが、使用頻度が高いとクレジットが即座に消費され、利用枠がすぐになくなってしまうという課題があります。
中国発のオープンソースベースのKimi K2.5でも並列調査が可能ですが、やはりコスト面での制約があります。
これらと比較すると、Claudeエージェントチームは選択肢の幅を広げる重要な位置づけにあると考えられます。特に、コストパフォーマンスと機能のバランスが優れている点が魅力です。

エージェントチームの活用は、調査だけにとどまりません。以下のような発展的な使い方も可能です。
調査結果を統合した後、さらに4つのエージェントで並列アウトプット作業を行うことができます:
| エージェント | 担当業務 | 成果物 |
|---|---|---|
| レポート再構成エージェント | 調査結果の体系的整理 | 構造化されたレポート |
| Excel作成エージェント | データの表形式整理 | 分析用Excelファイル |
| PowerPoint作成エージェント | プレゼンテーション資料作成 | 発表用スライド |
| SNS投稿エージェント | ソーシャルメディア用コンテンツ | X投稿パターン10種類 |
このように、「集約→拡散→再集約」のサイクルを効率的に回すことができます。
特定のフォルダ内にある資料を多角的に調査・整理する際にも、エージェントチームは威力を発揮します。限られたコンテクストを効率的に使いながら、包括的な分析を実行できます。

エージェントチームをビジネス活用する際の主要パターンを整理しました。
複数の調査テーマを同時進行で進め、最終的に統合するパターンです。市場調査、競合分析、技術動向調査などに適用できます。
一つのテーマから複数の形式のコンテンツを同時生成するパターンです。レポート、プレゼンテーション、SNS投稿、要約資料などを並行作成できます。
一つの対象に対して複数の視点から分析を行い、矛盾点や課題を洗い出すパターンです。各エージェント間での議論が発生するため、より高度な協調が必要になります。
複数のシナリオを同時に検討し、それぞれの妥当性や影響を評価するパターンです。戦略立案や意思決定支援に有効です。
投資判断や提携検討において、財務、法務、技術、市場などの観点から並行して詳細調査を行うパターンです。
複数の選択肢を異なる評価軸で同時比較し、総合的な判断材料を提供するパターンです。

MCPを活用すれば、さらに高度な分散処理が可能になります。例えば、ウェブサイト分析において:
これらが共通のIDやキーを特定しながら、それぞれ分析した結果を最終的に統合するという、まさにマルチエージェントチームが得意とするタスクです。

Claudeエージェントチームの並列調査活用は、従来の単一AI依存から脱却し、より効率的で包括的な情報処理を可能にします。主要なメリットは以下の通りです:
今後、エージェントチームのような協調型AIの重要性がさらに高まるでしょう。ビジネスパーソンにとって、これらのツールを適切に活用することで、調査・分析・資料作成の効率を大幅に向上させることができます。
重要なのは、技術の進歩に合わせて、私たち人間も仮説思考と検証能力を磨き続けることです。AIエージェントチームは強力なツールですが、最終的な判断と方向性の決定は、依然として人間の重要な役割なのです。
Workstyle Evolution代表。18万人超YouTuber&『ChatGPT最強の仕事術』著者。
株式会社Workstyle Evolution代表取締役。YouTubeチャンネル「いけともch(チャンネル)」では、 AIエージェント時代の必須ノウハウ・スキルや、最新AIツールの活用法を独自のビジネス視点から解説し、 チャンネル登録数は18万人超(2025年7月時点)。