2026年10月26日、AppleがiOS 27.2で「Siri AI」の日本語ベータ版の提供を始めました。メール・メッセージ・写真、そして表示中の画面を踏まえて、アプリの操作まで進めてくれるAIアシスタントです。
Appleは2024年に、この「個人の情報を理解するSiri」を発表していました。ところが2025年に「想定より時間がかかる」として延期を発表し、2026年にGoogleとの提携でモデルを作り直して、ようやく日本語で使えるようになりました。
では、実際にどんなシーンで使えるのか。答えは、予定にする、探して聞く、アプリにつなぐの3つです。一方で、LINEのようにまだ届かない場所も残っています。使える場面とできないことを、順に見ていきます。

2024年6月の発表は、Siriが個人の情報を理解し、画面を認識し、アプリをまたいで操作する構想でした。このSiriの部分が延期され、2026年1月にGoogleとの提携が発表されました。Geminiの力を借りて、モデルが作り直されています。
日本語版は10月26日にベータとして始まり、11月3日には、他社アプリとつなぐ仕組みが開発者向けのプレビューとして公開されました。対応アプリのApp Store申請は、春に受付が始まる予定です。
始める条件は3つです。対応機種のiPhone、最新のOS、AppleのAI機能をオンにして、ベータ版を使うことです。

日本語で使えることと、全アプリを操作できることは別です。ここを分けて読むと、次の場面が現実的に見えてきます。

ここから先の場面は、Appleが発表した機能を日本の仕事に当てはめたものです。実機での成功率までは測っていません。
いちばん分かりやすいのは、案内メールの日時と会場を予定表に入れる使い方です。メールを探して、日時を読み取り、予定欄に打ち直す手間を肩代わりします。ただし、この使い方はAppleの純正アプリ(カレンダー・メール)が前提です。Googleカレンダーなどでは、登録できない場合があります。
「このメールの対応事項を箇条書きにして」と頼み、そのままタスクアプリに入れる使い方もあります。日本語版では、タスク管理アプリへの追加が対応例に挙がっています。
カメラを使えば、ポスターを撮って出演時間を尋ね、複数の予定をまとめて作れます。Appleが挙げた例です。
メールの案内が、予定とタスクに変わる。これが1つ目の場面です。

「会食の予約確認メールを探して」と頼めば、メールの中から該当の1通を出します。メッセージや写真も、同じように横断して探せます。
画面に合計金額と追加料金が出ているなら、その内容を読み取って抜き出してもらうこともできます。表示中の画面を理解する機能です。
カメラでは、目の前のものについて質問できます。専用のSiriアプリの履歴は、iCloudを通じてほかのApple端末にも引き継がれます。
個人的には、ここがいちばん使いどころの多い場面だと感じています。画面やカメラの内容に直接質問できて、資料を呼び出したまま、声で確認できるからです。
端末の中を探して、画面を読んで、答える。これが2つ目の場面です。

3つ目は、他のアプリの操作までつなぐ場面です。日本語版で挙がった連携例は、乗換案内、タスク管理、メモ編集の3種類のアプリです。
乗換案内は、「○○から○○まで」と決まった言い方で、出発地と到着地の2点間を調べる形です。
もうひとつが、文章の下書きです。Appleは、文章を整える作文ツールも用意しています。
価値としてはいちばん大きい場面ですが、いま使えるのは純正アプリと、ごく一部の対応アプリに限られます。
対応アプリの中で、操作まで終わらせる。ここが、従来の音声アシスタントとの違いです。

期待しすぎないほうがよい点があります。
EUでは現在使えず、13歳未満も使えません。
これらの道具がiPhoneで使えるようになれば、価値は大きく上がります。ただ、いまはまだ、これからの段階です。
全アプリ・自動・無制限は、期待しすぎです。

3つの軸で、ChatGPTやGeminiなど他社のAIと比べます。文脈は、個人の情報や画面を踏まえるか。実行は、アプリの操作まで終えるか。継続は、作業が途切れず続くか。
Siri AIが強いのは、文脈と実行です。他社のAIは、接続したサービスやアカウントが出発点になります。Siri AIは、何も接続しなくても、端末内のメールや写真と表示中の画面から探します。
継続は一長一短です。Apple端末どうしの履歴の同期は強みですが、1日の上限は弱みになります。
仕事の5場面に分けると、こうなります。
置き換わるのは5つのうち2つで、残る3つは「調べる」「考える」「長く読む」仕事です。Siri AIは、端末の中で終わる短い作業の入口を引き取る道具です。
スマホでは、入口を握るのはOSを持つ会社です。AndroidではGeminiが入口に入るので、どのAIが入口になるかはOSで決まります。利用者が選ぶのは、どこにどの情報を渡すかになるでしょう。
春にアプリの対応が始まれば、LINEや業務アプリにまで届く日が来るかもしれません。使う側は、いまのうちに予定・メール検索・カメラの3つで感触をつかんでおくと、対応が広がったときの使い分けが早くなります。
アプリを作る側にとっては、連携の公開は、AIの窓口を通じて顧客に届く入口になります。日本語版が始まったいまは、端末の情報をどこまでAIに預けるかを決める、最初の数か月になるでしょう。
2026年10月26日に、iOS 27.2などの更新でベータ版として日本語の提供が始まりました。使うには、対応機種のiPhoneでAppleのAI機能をオンにし、ベータ版を試す設定にします。EUと13歳未満は使えません。
公式の発表では、LINEなど日本の主役の連絡手段への対応は確認できません。他社アプリとつなぐ仕組みは、11月3日に開発者向けのプレビューが始まった段階で、対応アプリの申請受付は春の予定です。
使えません。処理には端末だけでなくクラウド側のモデルも使い、1日の利用上限があります。上限を広げる枠は、今後有料で提供される予定です。
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