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2026年7月9日、OpenAIが「ChatGPT Work」を正式リリース。
Claude Coworkにぶつけるようにして登場したこの新機能を、いけとも(池田朋弘)と尾原(尾原和啓)はどう見たのか。
話は機能比較にとどまらず、AIエージェント時代に「自分をどう育てるか」という深いところへ入っていく。
ポッドキャスト(いけとも尾原のディープなAIニュース)はこちら:https://apple.co/3Rhia42
YouTubeでのChatGPT Work完全攻略:https://youtu.be/8daq1U1pg38
2日間でChatGPT Workを習得するハンズオンイベント:https://luma.com/iketomo260808c
いけとも:ChatGPT Workが登場して、OpenAIがAnthropicに対してどんな打ち手を打ってくるのかというテーマはどうでしょうか。
尾原:今回、5.6というアップデートだけじゃなく、一気に来た感がありますよね、OpenAI。
いけとも:いよいよ本格的に、って感じですね。実はちょっと裏話なんですが、3月ぐらいにもOpenAIで似たようなサービスの発表会があって、「来週出しますから、情報解禁日を連絡しますね」と言われて、全然ずっと解禁されずに、5月にも、6月にもって続いていて。
尾原:はいはい、それで結局延期されたんですか?
いけとも:されました。多分内部でめちゃくちゃゴタゴタしたんですよ。いよいよ出たのがすごい大変だったのかなと。名前も完全にClaude Coworkを意識した形で、デスクトップアプリの一般ユーザー向けエージェントアプリとして、ようやく出てきたので。
尾原:どうですか、実際触ってみて。Claude Coworkとかいろいろある中で。
いけとも:一言で言うと、機能的には正直ほとんど変わらず。全然使えて、メインにしてもいいんじゃないかな、って印象です。エージェントアプリなんで、目標を決めると段階的にプランを作れる。コネクターやMCPでいろんなツール連携ができるのはClaudeと同じ構造。
尾原:うん、うん。
いけとも:ブラウザーも内部で持ってて、内部ブラウザで操作もできる。デスクトップの操作もできる。ファイル操作、アウトプット、パワポ作成、Googleスライド作成、みたいなアウトプット系も対応してるという感じなんで、機能はほとんど一つのラインに揃ってますね。
尾原:一方でClaudeも内部ブラウザーも対応したし、機能別の点取り表みたいなものをつけると、あんまり差がない感じですかね。
いけとも:正直あんまり差はないですね。機能差はほとんどないんですけど、やっぱり文章とか、最終的にまとめる力はClaudeが、もともとずっと前から評判で。YouTubeの台本だったり、Excelで作った中身を全部スライド化する過程を、同じテーマで3回ぐらいChatGPT WorkとClaudeで作ってみて、完全にインプットが一緒なんです。
尾原:うん。
いけとも:小さなネタは一緒で、これをExcel形式で分解してまとめられて、プロンプトも一緒で同じ情報を見てるんですけど、僕にとってはClaudeの方がピンときますね。構成もピンとくるし、細かいワード回りもピンとくる。ただこれは好き嫌いかもしれないので絶対的ではないんですが、文章系はClaudeがいいかなと思ってます。
尾原:海外のキーオピニオンリーダーの意見を見ていても、これは僕も実感ですけど、やっぱりFableの方が「推論補完」「推論拡張」という言い方をしたりする。こちらがやりたいことのインテントを察して先回りしてくれる。ロジックの構築みたいなところがFable、うまいなと。
尾原:あと言われたことで抜け落ちてるところ、「ああしといて、こうしといて」みたいなところの補完がうまい。結果的に最後の文章の粒立てが、こちらの一通りなものになる。インテントマネジメントがFableは一歩上行ってるのかな、というのが感覚です。
いけとも:Fableじゃなくても、Opusでもレベル高いですね。
尾原:Sonnet、Opusのレベルになるとコスパはほとんど変わらない。そうすると、文書系はClaudeでやっといて、コーディングに関して言えば、Codexを使う方も結構増えてるという印象ですね。
いけとも:ChatGPT Workが個人的に最も注目しているのは何かというと、実はデスクトップアプリだと無料プランでも使えるんですよ。
尾原:え、そうなんですか。
いけとも:今、Claude CoworkもChatGPT Workもブラウザ版とデスクトップアプリ版が両方ある。デスクトップアプリにしないと、もちろんファイルも対応してないですし、機能としてはデスクトップアプリの方が優れてる。
いけとも:ChatGPT Workはデスクトップアプリだけ無料版でも使えるんです。ブラウザ版は使えない。不思議な体制ですけど。
尾原:まあ理屈で考えると、クラウド版の方はバーチャルマシーンと呼ばれる、要は僕らがデスクトップ版でローカルPCでやってることを、クラウド上で環境を切らないといけないので、クラウドの負担が重たい。あとおそらく上級者向けなので常駐させるという意味で。
尾原:ChatGPTは大胆ですね。新規ユーザーを取りたいんですかね。
いけとも:「まずChatGPTのアプリを入れてほしい」んでしょうね。そこで根付かせて習慣化したい。無料枠は相当少ないんです。ちょうど月曜にYouTube動画を出したんですが、数回依頼したら無料枠がなくなっちゃう。お試しでしかないんですけど、やっぱり一歩使ったときに有料を買うのはハードル高いじゃないですか。
尾原:はいはい。
いけとも:ClaudeもClaude CodeやClaudeを使いましょうねってイベントやっても有料版前提になっちゃうので、そこでターゲットが本当にスーパー限定になっちゃう。ChatGPT Workは、例えば30分とか1時間のワークショップとかで、座学込みで試す先であれば全員無料になりうる。一回エージェントアプリを試させるというツールとして、ChatGPT Workがグンと来たかなと。広げる立場としては、すごい注目してます。
尾原:OpenAIとAnthropicの企業戦略がモロに出ていて、Anthropicが企業向けに振って、そのタンジブルな確実な成長を、というのに対して、OpenAIはユーザー側のスーパーアプリになりたい。まずはデスクトップをダウンロードしていただくって話。有料ユーザーだから経験していることを、残り90%の人にどう体験してもらうかが企業戦略の根にあるから、赤字を抱えているにもかかわらず、広げるアクションを取ってる。
いけとも:ちょっと使ってて思うのは、ChatGPT Workというより、Claude CodeもCoworkもAnthropic全部そうなんですけど、エージェントアプリを使おうと思うと、2022年11月(チャットで相談するときの)インパクトよりも、もうちょっとこっち側が使い方を覚えてないと、進化を体感できない。
尾原:はい、実感的に苦になりますよね。
いけとも:エージェントアプリって、基本は新人と同じように、やり方を段階的にフィードバックで育てて、気づけば仕事できる、という流れなんです。短い時間だと体感できないんですよ、これって。
いけとも:結局多くの人がChatGPT Workを入れて、「なんかすごそう」みたいな、なんかちょっとパワポ作ってみて、これだけだとできるんですけど、なんとなくいいけど自社のパワポでもないし、って感じで、そこで容量切れちゃうんで体感できない人が多いんじゃないかな。カーナビが自動運転になりますよって言ってるんですけど、自動運転のパワーみたいなことをやろうと思うと、いきなりそこには行かないんで、ステップを理解せずになんとなく使って差を感じず、「別にチャットでいいよね」みたいになっちゃう人がめちゃくちゃ増えるんじゃないかと。
尾原:今までは「知りたい」に対して教えてくれる存在だったものから、「代筆」だったり「変身文書く」みたいな、自分がやることが見えていることの下書き、準備レベルをやってくれる、というところに入ってきた。
尾原:いよいよコパイロットとしてのサポートから、自動運転というところに入ってくると、部下を持った経験がない人だと、そもそも「何を任すんだっけ」に慣れていない。自分よりすごい部下を持ったことがあるとか、自分よりすごい外部パートナーに仕事を発注したことがある、という経験がない人にとってみると、仕事のお願いの仕方そのものを学ぶ必要があって、ハードルが高いんですよね。
いけとも:任せたことない経験の人は難しいし、任せるにも順番があるじゃないですか。いきなり丸投げして浅く依頼しても、これはアウトプット出ないよって当然になる。あとコネクターとかMCPでつないでないと、操作できるのはWeb検索しかないんで、「これまでと一緒じゃないの?」ってなっちゃうともったいない。今の出し方だと、たぶん90%以上はそうなるかなと。
尾原:この辺もあと半年ぐらいの進化だと思っていて、Claude Codeとかで、プランニングモードをちゃんと作って使っていると、自分が任せたいことが本当に動くのかどうかを、小さいモジュールを作っていって、動いた検証ができたら、次のモジュールも作って、じゃあこれとこれとこのモジュールが動いたら全部を連結して全体が動くよね、みたいな。システム設計における「概要設計から詳細設計」「連結テスト」と呼ばれる工程を、AIのモードを使っているとちゃんと現実的なところに落としてくれる。
尾原:あとテスト駆動開発って呼ばれるように、実際にテストをやってくれて、このモジュールができたから次のステップに行こう、みたいなところまでAIがやってくれる。こういう感覚も、一回やってみないと分からない。ちっちゃいスモールプロジェクトを失敗してもいいっていう環境で、AIの自動運転にどう任せていくのか、経過報告してくれるから安心なんだよ、みたいな感覚を持つのがめっちゃ大事です。
いけとも:「業務プロセスチェーン」って呼んでるんですけど、いきなり長いチェーンは失敗するし、短すぎたら価値を感じない。いくつか作って繋げたときに、「これ勝手にメール来たら内容を要約してデータベースに登録して資料を作ってやる。これまでバラバラにお願いしたけど、意外とインプットからアウトプットまで入り口から終わりまで行っていくよね」みたいなことを体感して、初めて価値を感じる。そこがちょっとハードル高いんですよね。
尾原:Fableの定額の終わるキャンペーンで、こちらはいつも締め切り前に、「あ、もう遠くに使い切らなきゃ」って、徹夜でいろんなことをやってた結果、見えてきたことがあって。カーナビから自動運転へっていう話に、あともう一段階あると思っていて。自動運転のEVがいっぱい作られるようになると部品化が進むから他社の参入が圧倒的に楽になる、というフェーズがある。
尾原:この半年で圧倒的に、MCPとあとCLIですね。自分のローカルのPCでずっとClaude CoworkだったりChatGPT Workを動かすみたいなことも当たり前になってくると、「あれ、気づいたらこのローカルソフトCLI対応してるから、ローカルパソコンの中で結構ソフトウェア連携が、今までコンピュータユージングで画面をスクショ取ってもらって解釈して動かして、みたいなもったりしたものから、CLIで動くからめっちゃ安定して動くようになってんじゃん」みたいな形で、もう部品の方がAI前提で進化をしていってる。
尾原:世の中の人が大概のユースケースに関してMCPを作ってくれたり、CLIを作ってくれてるから、そのCLIダウンロードしてきて中にデプロイしちゃえば動いてくれる。さらに言えば、Claude CodeとかCodexそのものがCLIを探してきてくれて、注意としてスパイウェアじゃないよねみたいな調査もしてもらって、安全であればインストールもCodexとかがやってくれる、みたいな部品化がどんどん進化していく。この3ヶ月半年でハードルがめっちゃ下がってきていると思うんですよね。
いけとも:あと別の話ですが、指示もレコード&リプレイの世界観と呼んでるんですけど。
尾原:もう一個それですね。
いけとも:MacのChatGPT Workなんですけど、自分でやってるやつを画面録画スタートして操作をして、終わったら再現するスキルができる、みたいな世界観。今はコネクターとかMCPまで持ってきてないと思うんですけど、そこも含めて「これがしたいんだけど」ってやってくれると、必要のパーツを持ってきて組みしてくれれば誰でもできる。こうなるとハードル下がりますよね。
尾原:入力する、お願いすることのハードルが、画像理解が進むことでレコード&リプレイっていう、単純に「何をして」って発注するんじゃなくて、「今こんなことやってんだよ」みたいなことを説明しながら一回操作してみたら、それをスキル化してくれる。入力の勘弁化っていうフェーズと、その入力が勘弁化できたら、勝手にCodexなりClaude Codeが、外部にあるMCPやCLIを調べてきてくれて、「今あなた目の前ではこういうやり方してくれたけど、このやり方の方が自動運転時代は安定性が高いんで、こっちで作っていいですか」って勝手に提案してくれて、勝手に安全性も検証してくれて、勝手にインストールもしてくれる、みたいな方向に移動するんでしょうね。
尾原:ただ、このポッドキャストでも何度も話しているんですけど、そういうふうに自動運転になればなるほど、途中経過においてどういうステップ踏んでんのか、みたいなことを一回自分で泥臭くやってると、「あ、自動運転に任し切っても、途中途中こういうことやってるから多分大丈夫だな」というチェックができる。自動運転になるまで手放しで待とう、というふうにしない方がいいんじゃないかな、って僕は思います。
いけとも:完全に同意ですね。過程を知らないと怖いですし、あとこうなってほしくないなと思うのは、もうやっちゃってる人いると思うんですけど、なんかもうディープリサーチしてコンテンツ作って、チェックせず丸投げ、みたいな、何も自分の要素もない、誰でもできるような謎の自動化の仕組みだけは作らないでほしいですね。何の価値もない、ゴミが量産されるだけで。自分がやってる商談の議事録とか、自分の発信とか、考えたものをベースとして、それを変換していくのはすごくいいと思うんですよ。
尾原:本当にプランニングモードで気軽な壁打ちができるようになってる。特にAIが発達してくるとプランニングモードの仕様書がちゃんとしすぎてるがゆえに、読むのが大変みたいなところもあるんですけど。だから最近僕は、プランニングモードが出してくれた仕様書を一回NotebookLMに持っていって、勝手にNotebookLMがスライドとマインドマップと音声概要を作ってくれる。それが終わるとノーティフィケーション飛んでくるので、プランニングモードで作ってくれたものを音声ポッドキャストで聞いて「ふーふーふー」って言いながら、自分のフィードバックを録音しておいて、その録音を音声入力としてプランニングモードに掘り込む、みたいなことをやってますね。
いけとも:擬似対話で、仕様者ベースの擬似対話をそこでしてアップデートしていくと。面白い。
尾原:本来自分ではなかなかできなかった背伸びしたシステムをどんどん作れるようになってくるので、自分の背伸びの良い設計みたいなことがしばらくは大事になってきて。とはいえ最終的には、もう画面で操作してみれば勝手にどんどん拡張してある程度自動化する、っていう本当に全部お任せの自動運転みたいなところが、日常の仕方で言えばあと半年ぐらいで行けちゃうんじゃないかなと。
いけとも:使用としてはいけますね。でも今、背伸びって話があったんですけど、自分の背をどう伸ばすか、っていうのは、相当頑張った方いいですよね。尾原さんがなぜわかるかというと、前からずっとシステムを設計したりとか全体像を考えているのがあった上で、それでもわかんない部分を背伸びしているだけであって、かなりベースの態度じゃないですか。これ多分、僕とか知らない人が見たら、背伸びっていうか、本当に届かなくて、クレーンシー持っているんだぞ、おそらく。届きません、全く。
尾原:ん、ん。
いけとも:でもその段階で終わってしまうと、結局全部AIに任せることができるようになった時に、途中で変えることもできないし、その作られた仕組みの中で、ある時、自分の物理的に持っていくとか、もの凄い作業ベースのタスクしかできない価値しかなくなっている。代替可能で本当に価値なくなっちゃうわけなので。ちょっとずつ試しながら、背伸びができる範囲を広げて、そういう仕組みを作ったり、考えることができるようになる。今のレベルって人によってまちまちかなと思うので、今のステップから段階的に上がっていくように、丸投げしない方がいい時ってすごくあるな、というのは最近感じます。
尾原:これに対しては2種類だと思っていて。1つはトイケースという言い方をするんですけれども、おもちゃのケースです。失敗しても影響がないようなところで、ちょっとした自分のホビー的なものを作ってみることで、ちっちゃいところで全体感を持つという経験を持ちましょう、という話。
尾原:あともう1つは、ずっと尾原がAIでライフテーマにしているモジュール×複利ってやつで、結局1個1個の小っちゃいタスクがモジュール化していくと、そのモジュールが他のAIエージェントから呼び出されるっていうふうにモジュールが連結していくと、掛け算になっていくから、やっぱり自分がやってるコア業務をAIとしてモジュールにできる。
尾原:その部品を作っているだけじゃなくて、連結されていくことで何が変わるんだという視野を持ちながら、1個1個のモジュールを丁寧に磨いていく感覚を持つことかなと。
いけとも:「トイケース」と「モジュール×複利」ですね。重要ですね。
尾原:ループマネジメントって言葉が流行ってますけれども、確かに自己改善系として全部いい感じでしてくれるかもしれないけど、そこに自分らしさのスパイスをどこに入れていくんだっけ、というところが作れないと、みんなと同じ回答の方に寄っちゃうから、やっぱり自分らしさのスパイスはどこにあるんだ、というところをモジュール化の中でちゃんと埋め込んでいくという経験を積み上げていくのが今のフェーズ。
いけとも:最近のAI使っててふと思ったのが、例えば本を書く時もそうですし、いろんな資料を作るネタを作るのもそうなんですけど、パッと見てフィードバックするっていう脳負荷と、一方でしっかり考えて作っていくかって結構違うんですよね。同時に10本投げてチェックしたが回しが何とでもなるんですけど、なんか一つの難しい新規のテーマのやつを指を作るって言われると、やっぱり1時間ぐらい集中してそこ考えないとなかなかいい回答は回すのと、しっかり掘るのが別だなと最近思っておりまして。
尾原:うん、うん。
いけとも:なんでこんなに深違うのかなと思うと、あのダニエル・カーネマンさんが世に広めたシステム1・システム2ですよね。システム1は直感的な脳で、システム2がしっかり考える脳、みたいな感じ。評価って比較的システム1なんですよね。パッと見て判断できる、ヒューリスティックでできちゃうと。まさにシステム2は経験値がなくてもなんとかなって時間がかかると。
いけとも:システム1的な評価は、システム2で考えた経験がないとできない。知らない領域はチェックがしんどいんですよね。でもこれなきまま評価するだけとか、しっかり考えてないと評価できないんでエージェント回せないから、それができる人に全部仕事生まれていくみたいな感じになる。
いけとも:意図的にちゃんと考えるトレーニングを自分の中に埋めていかないと、できる範囲だけの人になっちゃって、価値がどんどん低減していく。いかに今できないことをちゃんと考えて、そこは時間かかるじゃないですか。丸投げしといたときは終わるんだけれども、自分が理解しないといけない方がボトルネックで、すごい時間をかけて大変なんですけど、そういう時間をすごい意図的にとっていかないと、なんとなくヒューリスティックで判断していて、負荷も低い割にたくさんいるから疲れていて、自分はあんま成長してないみたいな感じになっちゃう。すごい重要だなと思って今考えてますね。
尾原:めっちゃいいキーワードですね。システム2をシステム1に変えていくことをすることによって、単発の経験からその領域に関して、AIと瞬間的な壁打ちができる、その直感力だったりセンスの良さをどう磨くか。僕の仮説的には、圧縮経験って言い方をしてるんですけど、AIの良さって、1個調べたらそこに関連して自分が思ったことだったりとか、「このアウトプットってなんでこのアウトプットになってるんだっけ」というルーツとかコンテキストとか、そういうこともディープリサーチをしたりチャットAIを使うことで、その点を線にしたり面にしたりする。
尾原:この後どういうふうにこれって変わっていくんだろうみたいな予測シナリオを作ったり、みたいなことがすごくできやすい。特にDeep Researchとかをうまく使っていくと、世界中にあるセンスのいい良質な結果を圧縮して追体験することができるので、この圧縮体験の設計の仕方を、自分のどのフィールドで越境して発動していくのか、みたいなことが、システム2からシステム1への転写をいかに効率よく、自分のらしさを作っていくかで重要なのかな、って今思いましたね。
いけとも:完全に同じですね。自動化とか任せることとか早く終わることだけにこだわりすぎると、そこの転写であったり、システム2が働かないんで劣化していけようかなと思い、そうはならないように使っていくのを、個人もそうだし、育成する会社としてもかなり考えていかないといけないのかな、というのは最近のテーマ。
尾原:いかに生産性で残った時間を、そういった自分のシステム1を育てていく、自分を影人材にしていく、AIエージェントが100名部下を持った時のいい上司になる、みたいな時間に、うまく自分の成長を割り当てていくことが大事、ってことですね。ChatGPT Workの話からなかなかAIエージェント時代の、AIエージェントが部下に持つ時代の自分の育て方みたいな、結構いい話になりましたね。
機能面での違いはほとんどありません。内部ブラウザ、ファイル操作、MCP対応、コネクターによるツール連携などの主要機能は両者揃っており、目標を指定すればエージェントが段階的にプランを組んで動く点も共通です。差がつきやすいのは文章生成の粒立てで、対談内ではClaudeの方が文章まとめ・構成・ワード選びで一段ピンとくるという評価。もう1つの決定的な違いは料金設計で、ChatGPT Workはデスクトップアプリに限って無料プランでも試せる(Claude Coworkは有料版前提)。
エージェントは新人と同じで、段階的に任せて、フィードバックで育てないと本領を発揮しません。最初にやるべきは3つ。1つ目は「業務プロセスチェーン」を組むこと——単発のパワポ作成ではなく、「メール来たら要約→DB登録→資料作成」のように複数タスクを繋げて初めて価値を体感できます。2つ目は「トイケース」——失敗しても影響のないホビー的なもので全体感を掴む。3つ目はコネクターやMCPで外部ツールと接続すること。Web検索しかできないままだと、確かに「別にチャットでいい」で終わってしまいます。
システム2(意識的にじっくり考える思考)で1度深く掘った経験を、システム1(直感的に瞬時に判断する思考)に転写していく訓練です。具体的には、AIに丸投げして早く終わらせるのではなく、「なぜこのアウトプットになったのか」のルーツやコンテキストを1度自分で追いかける時間を意図的にとる。Deep Researchやプランニングモードを使って、世界中の良質な結果を「圧縮して追体験」するのが効率的。この訓練を怠ると、評価だけできるヒューリスティックな人になり、時間の経過とともに代替可能な存在になっていきます。AIエージェントが100人の部下になる時代の「上司」になるための土台作りです。
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