DifyワークフローをMCPでClaude連携する方法 - 生成AIビジネス活用研究所

DifyワークフローをMCPでClaude連携する方法

Claude画面にDifyがYouTubeから抽出したデータ要約が表示されているスクリーンショット
DifyからYouTubeデータを抽出した結果がClaudeに表示されている様子

DifyのワークフローをMCP(Model Context Protocol)として公開し、Claudeから利用する試みで、試行錯誤の上に、ついに成功を収めることができました。しかし、その過程で発見した重要なポイントがあります。それは「日本語はダメ」という、一見すると意外な制約でした。

今回の成功事例では、YouTubeから適切なクエリを持ってきて回答するワークフローを構築しました。例えば「Claudeについての最新ニュースを紹介して」と入力すると、MCPとして設定された「get_data_from_youtube_log」がClaudeから呼び出され、Dify側でGemini 2.5がクエリを最適化し、ログから検索してQ&Aでデータを取得するという仕組みです。

Claude画面でDifyツールが「query: 'Claude'」というリクエストを送信している様子を示すスクリーンショット。
ClaudeでDifyツール呼び出し時のリクエストパラメータ表示

MCP連携の仕組みと実際の動作

Difyワークフローのスクリーンショット。LLM、知識検索、コード、終了の各モジュールが連結されている。
Difyワークフローの全体像開始から終了までのノード

MCPを通じてDifyのワークフローをClaudeから呼び出すと、以下のような処理フローが実行されます:

  • Claude側:ユーザーの質問を受け取り、適切なMCPツールを選択
  • Dify側:Claudeからの入力を受け取り、Gemini 2.5がクエリを分析・最適化
  • データ取得:YouTubeログから関連情報を検索し、Q&A形式でデータを抽出
  • 結果返却:取得したデータをClaude経由でユーザーに提供
Claude画面にYouTubeログから取得した未加工の生データが表示されているスクリーンショット。一部文字化けが見られる。
YouTubeログから取得された未加工のデータ文字化け含む

実際の動作では、若干の処理時間はかかりますが、外部の処理をMCPで導入できることの価値は非常に大きいと感じています。取得されるデータには動画のタイトルや内容が含まれ、元データはIDで管理されているため、プロンプトで「YouTubeリンクにして」と指示することで、適切な形式での連携も可能です。

Claude画面に「Claudeの最新機能について」としてYouTube動画の機能概要が整理されて表示されているスクリーンショット。
Claudeが整形したYouTubeログのデータ要約

失敗の原因:日本語とワークフロー名の制約

前回の動画でDifyをMCP活用する際に失敗した原因は、実は非常にシンプルでした。問題はワークフロー名が日本語になっていたことです。

DifyのMCP連携における制約は以下の通りです:

1. ワークフロー説明文の言語制約

Difyの「説明を編集」ダイアログボックスのスクリーンショット。説明欄に英文が入力されており、パラメータ設定も表示されている。
Difyワークフロー説明文の編集画面英語記述の例

ワークフローを作成する際、説明欄でMCPのパラメータやデータ形式を記述しますが、この説明文が日本語だとバグが発生します。MCPの仕様上、英語での記述が必要となります。

2. ワークフロー名の命名規則

Difyワークフローのスクリーンショット。ワークフロー名「get_data_from_youtube_log」がハイライト表示されている。
Difyワークフロー名の正しい命名規則の例

ワークフロー名には厳格な制約があります:

  • 小文字のみ使用可能
  • ハイフン(-)またはアンダースコア(_)のみ使用可能
  • 64文字以内

この制約の背景には、DifyのMCP設定における技術的な仕様があります。コネクタ設定で使用される「ツール名」が、作成したワークフロー名と完全に一致する仕様になっているためです。つまり、ワークフロー名 = ツール名という関係性があり、ツール名の制限がそのままワークフロー名の制限となっています。

正しい設定方法と注意点

成功するためのポイントを整理すると:

設定項目正しい設定NGな設定例
ワークフロー名get_data_from_youtube_logYouTubeデータ取得、youtube-データ-取得
説明文言語英語で記述日本語で記述
文字数制限64文字以内65文字以上

これらの制約を守ることで、DifyのワークフローをMCPとして公開し、Claudeから問題なく利用することができるようになります。

MCP連携がもたらす可能性の拡大

今回の成功により、DifyのワークフローをMCPとして簡単に公開し、Claudeから使用することができるようになりました。これにより、打ち手が大幅に広がると考えています。

具体的なメリットとしては:

  • 外部処理の統合:複雑な処理をDify側で実行し、結果をClaudeで活用
  • 手軽な公開機能:一度設定すれば、簡単にワークフローを外部から利用可能
  • 柔軟な連携:Claude以外のMCP対応ツールからも利用可能

ただし、導入直後は認識に時間がかかったり、若干の挙動の不安定さがある場合もあります。それでも、手軽に公開できる利便性を考えると、今後の可能性は非常に高いと感じています。

まとめ

改めて、DifyワークフローのMCP連携成功のポイントは以下の通りです:

  • ワークフロー名は英数字・ハイフン・アンダースコアのみ使用
  • 説明文は英語で記述する
  • 64文字以内の命名制限を守る
  • ツール名とワークフロー名が一致する仕様を理解する
  • 導入後の認識遅延や挙動の不安定さを想定した運用を行う

これらの制約を理解し適切に設定することで、DifyとClaudeの強力な連携が実現でき、AI活用の幅が大きく広がります。特に、複雑な外部処理をDify側で実行し、その結果をClaudeの自然言語処理能力と組み合わせることで、従来では困難だった高度なAIアプリケーションの構築が可能になります。

📺 この記事の元となった動画です

よくある質問(FAQ)

Q1 DifyのワークフローをMCP連携でClaudeから利用する際に、日本語で設定するとどうなりますか?

DifyのワークフローをMCP(Model Context Protocol)として公開し、Claudeから利用する場合、ワークフローの説明文を日本語で記述するとバグが発生する可能性があります。MCPの仕様上、説明文は英語で記述する必要があります。

Q2 Difyのワークフロー名を設定する際のルールは何ですか?

Difyのワークフロー名をMCP連携で使用する場合、いくつかの制約があります。ワークフロー名には小文字のみを使用し、使用できる記号はハイフン(-)またはアンダースコア(_)のみです。また、文字数は64文字以内に制限されています。

Q3 DifyとClaudeをMCP連携させるメリットは何ですか?

DifyのワークフローをMCPとして公開することで、ClaudeからDifyの機能を利用できるようになります。これにより、複雑な処理をDify側で実行し、その結果をClaudeで活用したり、Difyのワークフローを様々なMCP対応ツールから利用できるようになるなど、AI活用の幅が広がります。

Q4 DifyとClaudeのMCP連携で、ワークフローがClaude側で認識されない場合の対処法は?

DifyでMCPツールとして設定したワークフローがClaude側で即座に認識されない場合があります。この場合は、数分待ってから再度試行することで解決することが多いです。時間をおいて再度試してみてください。

Q5 DifyでYouTubeのデータを取得してClaudeで利用する際、データがリンクとして機能しない場合はどうすれば良いですか?

DifyでYouTubeのデータを取得した場合、元データがIDで管理されているため、そのままではリンクとして機能しないことがあります。その場合、Claudeへのプロンプトで「YouTubeリンクに変換して」と指示することで、適切な形式に変換できます。


この記事の著者

池田朋弘のプロフィール写真

池田朋弘(監修)

Workstyle Evolution代表。18万人超YouTuber&『ChatGPT最強の仕事術』著者。

株式会社Workstyle Evolution代表取締役。YouTubeチャンネル「いけともch(チャンネル)」では、 AIエージェント時代の必須ノウハウ・スキルや、最新AIツールの活用法を独自のビジネス視点から解説し、 チャンネル登録数は18万人超(2025年7月時点)。

著書:ChatGPT最強の仕事術』(4万部突破)、 『Perplexity 最強のAI検索術』、 『Mapify 最強のAI理解術

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