2026年11月4日、OpenAIがChatGPTの画像生成の新版「Images 2.6」を発表しました。目玉は、ChatGPTの中で短いGIFを作れるようになったことです。OpenAIは、従来より50%速くなったとも説明しています。
では、GIFの出来はどうなのか。人物、商品、手描きの絵、動物などを18パターン試しました。答えは、数秒のループ素材としては十分に実用的、です。あわせて、APIでコマ数を指定して作ったときの費用も測りました。GIF1本あたり約7〜10円です。
得意なのは3つあります。人物と商品が最後まで同じ見た目で動くこと、動かしたい所だけが動くこと、手描きや水彩の絵柄のまま動くこと。限界は2つで、コマごとの細かなズレと、頼めない内容があることです。
OpenAIの説明では、発表の中身は3つです。1つ目は、高速化と、編集を重ねても商品やブランドの細部が保たれやすくなった点。2つ目は、文章か静止画から短いループGIFを作れる点。3つ目は、自分やペット、キャラクターの写真に名前を付けて保存し、別の会話で「@名前」で呼び出せる点です。
開発者向けのAPI(OpenAIの画像生成ガイド)では、速度重視の「Flare」と精度重視の「Sunburst」の2種類が使えます。GIFは新規に画像を作る側も、既存の画像を直す側も出力できます。SVGを出せるのは新規に作る側だけです。標準料金の単価は2.5と同じです。
検証は18パターンです。13本は文章だけでゼロから作り、5本は先に画像を作ってからGIF化しました。
題材は、湯気や雨の路地のような風景、猫やオバケのキャラクター、赤いスニーカー、そして人間のリアル系です。



今回の検証では、ChatGPTは動きの各コマを並べた1枚の画像(コマ一覧)で返してきました。それをGIFに組み直して確認しています。コマ数は6〜12コマで、数秒のループです。
いちばん安定していたのは人物です。窓際のビジネスウーマン、カフェの男性、縁側のおばあさん、信号待ちのランナー。この4本は、顔、髪、服、背景が全コマで一貫していました。実写に近い質感です。人物はすべて架空の人物と指定して作っています。



ビジネスウーマンは、正面の微笑みから、うなずき、手を振るところまでを6コマで表現しました。同じ人物が別人に変わらないことが、素材として使えるかどうかの最初の関門です。

商品も同じです。赤いスニーカーを白い背景で回すと、正面から横、後ろ向き、斜め前へと12コマで動きました。

2つ目の得意は、動かす部分と動かさない部分の切り分けです。朝の窓辺のコーヒーでは、湯気の形だけが毎コマ変わり、カップ、観葉植物、窓は固定のままでした。

雨の夜の東京の路地も同じです。水たまりの波紋と雨粒だけが変化し、路地、看板、ランタンは動きません。真上から撮ったラーメンの写真では、写真の質感のまま、箸が麺を持ち上げて戻す動きになりました。


背景を固定して、見せたい部分だけに動きを足す。広告やSNSの素材では、この性質がそのまま武器になります。
3つ目は、絵柄を保ったまま動くことです。子どもが描いたようなぐるぐる線のフクロウは、手描きの線のまま、目を閉じ、首を傾け、羽を広げました。

水彩タッチのロボットは、元の画像と同じ絵柄でマフラーがなびき、波が寄せました。ホワイトボードの前でプレゼンするペンギンでは、赤い折れ線が1〜8コマ目で伸び、9コマ目から拍手に変わります。


先に画像を決めてから動かすやり方なら、見た目の狙いを外しにくくなります。5本とも、元の絵柄が崩れることはありませんでした。
1つ目の限界は、コマごとの細かなズレです。食パンがトースターから飛び出すGIFでは、トースターが途中で左にずれて見切れ、最後のコマで表情が怒り顔に変わりました。ペンギンは3コマ目で顔の形が崩れ、折れ線も途切れ途切れです。

ドット絵の勇者は、途中のコマで影だけが地面に残り、体が浮いて見えます。

スニーカーも、最後のコマが最初の正面に戻らず、完全な360度回転にはなりませんでした。きれいなループにするには、数回作り直して良い1本を選ぶ前提で使うのが現実的です。
2つ目は、頼めない内容があることです。剣でスライムを倒す依頼は、暴力表現として断られました。「並んで一緒にジャンプする」に言い換えると成功しています。ChatGPTの説明では、アップロードした既存のアニメGIFは編集できません。GIFの機能は、全員に一斉ではなく段階的に展開されています。
開発者向けのAPIでは、コマ数と長さを自分で決められます。リクエストに output_format を “gif” と書き、frame_count でコマ数(2〜16、指定しないと9)、frame_duration_ms で1コマの長さ(20〜2000ミリ秒、指定しないと200)を渡します。9コマで200ミリ秒なら、1.8秒のループです。
費用を実測しました。モデルはFlare、サイズは横768×縦432、品質は中です。3コマは約9円、9コマは約7円、16コマは約10円。1本あたり約7〜10円で、コマ数に比例して高くなることはありませんでした。出力の単価は100万トークンあたり30ドルで、1ドル158円で換算しています。良い1本を選ぶために10本作り直しても、約100円です。今回の18本はChatGPTの画面で作ったので、1本ごとの請求は出ていません。
9コマでは、窓辺のコーヒーの湯気だけが毎コマ変わり、カップ、植物、窓は動きませんでした。

一方、16コマは崩れました。コマが進むほど画面が下へずれていき、最後の段ではカップの下半分が切れています。各コマの下端には、別のコマの一部も写り込んでいます。同じ依頼で、湯気だけを動かすはずでした。

指定できる上限まで増やすと、そのまま使える素材にならないことがあります。9コマ以下で作り、16コマにするときは全コマを見て確かめる前提です。
使いどころは3つ見えます。SNSのリアクション用GIF。商品の動くバナー。広告の案出しで、承認済みの商品写真を固定して背景だけを動かす使い方です。得意2の性質が、ここでそのまま効きます。


APIでは、GIFやSVGを自社のアプリから直接出力できます。ロゴの案をSVGで作り、ループ素材をGIFで出す、といった流れを組み込めます。
今回のGIFは、動画制作の置き換えではなく、静止画制作の延長に短い動きが加わったものだと読めます。名前を付けて保存した参照写真を使えば、同じ人物や商品で、動きのあるシリーズも作りやすくなるでしょう。
試作が速く安くなるほど、差が出るのは企画と最後の確認です。どの商品を、どの場面で、どう動かすかを決める人と、崩れたコマを見逃さず選ぶ人に時間を回せる企業が有利になります。制作会社にとっても、仕上げと品質保証が価値の中心になっていきます。
数秒のループ素材としては十分に実用的でした。人物と商品は全コマで同じ見た目を保ち、手描きや水彩の絵柄も崩れませんでした。一方で、コマごとの細かなズレは出るため、数回作り直して良い1本を選ぶ前提で使うのが現実的です。
Flare・横768×縦432・品質中の実測で、1本あたり約7〜10円でした(出力は100万トークンあたり30ドル、1ドル158円で換算)。output_format に “gif” を書き、frame_count でコマ数(2〜16、指定しないと9)、frame_duration_ms で1コマの長さ(20〜2000ミリ秒、指定しないと200)を渡します。16コマは崩れたので、9コマ以下がおすすめです。
剣でスライムを倒す依頼は、暴力表現として断られました。並んで一緒にジャンプする内容に言い換えると成功しています。ChatGPTの説明では、アップロードした既存のアニメGIFは編集できません。
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