
2025/07/27(日)
AI開発プラットフォームで知られるハギングフェイスが、ついにロボット分野に本格参入しました。同社が発表した「Reachy Mini」は、299ドルという手頃な価格で購入できるAI学習用ミニロボットです。
このロボットの最大の特徴は、ハギングフェイスのプラットフォーム上でプログラムを作成すると、ネット経由でロボットに直接反映されるという革新的なシステムです。従来のロボット開発では複雑な設定や専門知識が必要でしたが、Reachy Miniなら誰でも簡単にAIロボットの開発を始められます。
表情豊かなオープンソースロボットとして設計されたReachy Miniは、人間とロボットのインタラクション、創造的なコーディング、AI実験のために最適化されています。Pythonで完全にプログラム可能で、価格は299ドルからという驚きの設定です。
目次
Reachy Miniは用途に応じて2つのバージョンが用意されています:
項目 | Lite版 | Wireless版 |
価格 | 299ドル | 449ドル |
接続方式 | 外部コンピューター接続必須 | Raspberry Pi 5内蔵・無線接続対応 |
マイク | 2基 | 4基 |
加速度センサー | なし | 搭載 |
動作機構の詳細:
特にWireless版は、WiFi環境があれば単体で動作するため、より手軽にロボット開発を始められます。外部コンピューターとの接続が不要なため、教育現場での活用にも最適です。
Reachy Miniは教育分野での活用が特に期待されています。実際に、2025年7月時点で教育現場におけるロボット活用事例が増加しており、以下のような成功例が報告されています:
茨城県大戸小学校の事例:
2025年6月19日、茨城県茨城町の大戸小学校5年1組(29名)でシャープ製ロボット「RoBoHoN」を用いたプログラミング授業が実施されました。生徒はグループに分かれ、ロボットに自己紹介をプログラミングし、動作確認と発表を行いました。授業終了後には全員でロボットと記念撮影も実施され、生徒の笑顔が確認されています。
東京都世田谷区の英語教育:
英語授業でAI搭載型ロボット「Musio」を活用し、生徒がロボットと対話しながら英語表現を学習する取り組みが行われています。「ロボットと話したい」という意欲的な参加が確認されており、学習効果の向上が期待されています。
Reachy Miniの299ドルという価格設定は、これらの教育現場での導入を大幅に促進する可能性があります。従来の教育用ロボットと比較して圧倒的にコストパフォーマンスが高く、多くの学校で導入しやすい価格帯です。
Reachy Miniが提供する学習体験は、従来のプログラミング教育とは一線を画します。AIでプログラムを生成し、それがロボットとして物理的に動作するという一連の流れを体験できるため、抽象的なコーディングが具体的な結果として目に見える形で現れます。
この「作ったものが反映されて学ぶ」という体験は、特に以下の学習効果をもたらすと考えられます:
Reachy Miniはオープンソースロボットとして設計されているため、ユーザーは中身を自分で工夫して作れる点が大きな魅力です。基本的な機能に加えて、独自のセンサーやアクチュエーターを追加したり、外装をカスタマイズしたりすることが可能です。
この拡張性により、初心者は基本的な使い方から始めて、徐々に高度なカスタマイズに挑戦できます。また、コミュニティで共有されるカスタマイズ事例やプログラムを参考にすることで、学習の幅が大きく広がります。
ハギングフェイスのプラットフォームとの連携により、世界中の開発者が作成したプログラムやアイデアにアクセスできるため、一人では思いつかないような創造的な活用方法を発見できる可能性があります。
Reachy Miniの発売は、ロボット開発の民主化を大きく前進させる可能性があります。予約開始24時間で50万ドルを突破した販売実績からも、開発者や教育現場からの高い期待が伺えます。
特に注目すべきは、AIによるプログラミング自動生成との組み合わせです。GitHub CopilotやAmazon CodeWhisperer、OpenAI Codexなど主要AIコード生成ツールが開発生産性を最大10倍向上させる可能性を示している中、Reachy Miniはこれらの技術をロボット開発に応用する先駆的な製品と言えます。
今後は以下のような発展が期待されます:
ハギングフェイスのReachy Miniは、AI学習用ロボットの新たなスタンダードを確立する可能性を秘めた革新的な製品です。主要なポイントを整理すると:
「これから入りそうな流れ」として、AIによるプログラミング支援とロボット制御の組み合わせは、確実に教育と開発の現場を変革していくでしょう。Reachy Miniは、その変革の最前線に立つ製品として、多くの人々にとって価値ある学習パートナーになると私は考えています。
Reachy Miniは、AI開発プラットフォームのハギングフェイスが開発したAI学習用ミニロボットです。299ドルから購入でき、ハギングフェイスのプラットフォーム上でプログラミングした内容を、インターネット経由で直接ロボットに反映できるため、手軽にAIロボット開発を始められます。
Reachy MiniにはLite版とWireless版の2つのバージョンがあります。Lite版は299ドルで、外部コンピューターとの接続が必須です。Wireless版は449ドルで、Raspberry Pi 5を内蔵し無線接続に対応しているため、単体で動作可能です。Wireless版には加速度センサーも搭載されています。
Reachy Miniは、ハギングフェイスのプラットフォーム上でPythonを用いてプログラミングします。AIがコード生成を支援してくれるため、初心者でも比較的簡単にロボット制御プログラムを作成できます。作成したプログラムは即座にロボットに反映され、動作確認が可能です。将来的にはJavaScriptやScratchにも対応予定です。
Reachy Miniは、プログラミング教育やAI学習に活用できます。生徒はロボットに自己紹介をさせたり、特定の動作をプログラミングしたりすることで、プログラミングの基礎を学ぶことができます。また、AIによるプログラム生成機能を活用することで、より高度なロボット制御にも挑戦できます。
Workstyle Evolution代表。18万人超YouTuber&『ChatGPT最強の仕事術』著者。
株式会社Workstyle Evolution代表取締役。YouTubeチャンネル「いけともch(チャンネル)」では、 AIエージェント時代の必須ノウハウ・スキルや、最新AIツールの活用法を独自のビジネス視点から解説し、 チャンネル登録数は18万人超(2025年7月時点)。