
2025/08/07(木)
Google Geminiに新しく追加された「Storybook」機能をご存知でしょうか。この機能は、簡単なプロンプト入力だけで10ページの完全な絵本を自動生成し、さらにナレーション付きの音声読み上げまで提供する画期的なAIツールです。
私が実際に試してみたところ、「スタジオジブリ風のイラストで、ビジネスパーソンが生成AIを導入し始めてからどんどん使いこなすまでのストーリーブックを作成してください」というプロンプトを入力すると、わずか約2分程度で高品質な絵本が完成しました。
この機能の驚くべき点は、プロンプトの解析、ストーリー構成、画像生成、音声合成を並列処理で同時に行い、最終的に統合されたアウトプットとして提供される技術的な完成度の高さです。従来のAIツールでは個別に行う必要があった複数の作業を、一つのワークフローで完結できるのは革新的と言えるでしょう。
目次
Storybook機能を使用する際の流れは非常にシンプルです。文章で、画像のスタイルとストーリー内容を指定するだけで、AIが自動的にストーリーを構築し、各ページに適した画像を生成します。例えば以下のように依頼します。
スタジオジブリ風のイラストでビジネスパーソンが生成AIを導入し始めてからどんどん使いこなすまでのストーリーブックを作成してください。
私が生成した「ケンタと魔法のパートナー」という絵本では、以下のような完成度の高いストーリーが展開されました:
特に印象的だったのは、キャラクターの一貫性です。主人公のケンタは全ページを通じて同じ男性キャラクターとして描かれており、AIパートナーの「ソラ」も一定のビジュアルイメージを保持していました。ただし、ソラのキャラクター設定については、テキストでは性別が明確でなかったものの、画像では女性キャラクターとして描かれるなど、テキストと画像の整合性に若干の課題も見受けられました。
Storybook機能の大きな魅力の一つは、様々な画像スタイルに対応していることです。私は実際に以下の2つのスタイルで絵本を生成してみました。
マインクラフト風で生成した「ブロックオフィスへようこそ」では、AIエージェントが最初は苦手意識を持たれていたものの、徐々に人間に馴染んできて一緒に仕事をするようになる過程が、ブロック調の親しみやすいビジュアルで表現されていました。
特に、「一人で残業していると、そっとマグカップを差し出す」といった細やかなコミュニケーションシーンまで描かれており、AIの技術的な側面だけでなく、人間味のある関係性も表現されていたのが印象的でした。
この機能は単なる娯楽ツールを超えて、ビジネスシーンでの活用可能性も大いに秘めています。私が実際に生成した絵本を見て感じたのは、以下のような用途での活用です:
特に、AIやDXといった抽象的な概念を扱う際に、ストーリー形式で具体的なシーンを描くことで、聞き手の理解と共感を得やすくなると考えられます。実際、私が生成した絵本では、「膨大な市場調査データがまるで魔法のように見やすいグラフになる」という表現で、AIの価値を直感的に理解できる形で表現されていました。
Storybook機能は非常に革新的である一方で、現時点では編集機能の制限という課題があります。私が実際に使用してみて感じた主な制限は以下の通りです:
実際に、私が一度生成した絵本を修正しようとした際、再生成後は「大体一緒だけど微妙に違うバージョン」になってしまい、完全に作り直されていることが確認できました。この点は、実用性を高めるために今後改善が期待される部分です。
しかし、この制限があっても、初回生成のクオリティの高さを考えると、十分に価値のある機能だと感じています。特に、プロンプトの精度を高めることで、一発で満足のいく結果を得られる可能性が高いため、使い方次第では現在の制限も大きな問題にはならないでしょう。
Storybook機能の登場は、Googleのクリエイティブ性に関する技術レベルが着実に向上していることを示しています。現在は静止画による絵本生成ですが、今後は以下のような発展が期待されます:
特に注目すべきは、このような複数の要素を組み合わせて一つのアウトプットを作成する機能が、ライトなサービスとしてGeminiに組み込まれていることです。これは、今後さらに多様で高度な機能が同様の形で提供される可能性を示唆しており、AIツールの使いやすさと機能性の両立という点で大きな進歩と言えるでしょう。
Gemini Storybook機能は、以下の点で画期的なツールだと評価できます:
現時点では編集機能の制限がありますが、初回生成のクオリティの高さを考えると、多くの用途で十分に実用的です。特に、抽象的な概念を分かりやすく伝えたい場面や、聞き手の関心を引きつけたいプレゼンテーションなどでは、非常に有効なツールになると考えられます。
今後の機能拡張により、さらに柔軟で高度なコンテンツ制作が可能になることを期待しつつ、現在の機能でも十分に革新的な価値を提供していると言えるでしょう。AIによるコンテンツ制作の新たな可能性を示すツールとして、多くの方に試していただきたい機能です。
Gemini Storybookは、Google Geminiに追加されたAI絵本生成機能です。簡単なプロンプトを入力するだけで、10ページの絵本を自動で作成し、ナレーション付きの音声読み上げも可能です。ストーリー構成、画像生成、音声合成を並列処理で行うため、短時間で高品質な絵本が完成します。
Gemini Storybookで絵本を生成する手順は簡単です。まず、作りたい絵本のテーマと画像のスタイル(例:スタジオジブリ風、マインクラフト風)を指定します。すると、AIが自動的にストーリーを構築し、各ページに適した画像を生成してくれます。約2分程度で絵本が完成します。
Gemini Storybookでは、様々な画像スタイルを指定できます。記事内では、スタジオジブリ風やマインクラフト風のスタイルで絵本が生成されています。他にも様々なスタイルに対応しており、用途や好みに合わせて絵本の表現を選ぶことができます。
Gemini Storybookで生成した絵本は、プレゼンテーションの導入、研修・教育資材、マーケティング資料、社内コミュニケーションなど、様々なビジネスシーンで活用できます。特に、AIやDXといった抽象的な概念を分かりやすく伝えたり、聞き手の関心を引きつけたりするのに有効です。
現時点では、Gemini Storybookで生成した絵本を部分的に編集することはできません。一度生成された絵本の個別ページや要素を修正したり、HTML形式で出力したりする機能は提供されていません。修正する場合は、再生成する必要がありますが、全体が作り直されるため、気に入った部分も変わってしまう可能性があります。
Workstyle Evolution代表。18万人超YouTuber&『ChatGPT最強の仕事術』著者。
株式会社Workstyle Evolution代表取締役。YouTubeチャンネル「いけともch(チャンネル)」では、
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