
2025/07/22(火)
AIデザインツールが次々と登場する中、「結局どれも似たような機能ばかりで、何が違うの?」と感じている方も多いのではないでしょうか。そんな中、1つのプロンプトで2人の対話動画を自動生成できる革新的なツール「Lovart」が注目を集めています。
従来のAIツールとは一線を画す「会話しながらデザインを作っていく」という新体験は、デザイン制作の概念を根本から変える可能性を秘めています。実際にLovartの実力を徹底検証してみました。
目次
Lovartは「The Design Agent」をコンセプトとした、オールインワンのAIデザインツールです。単なる画像生成ツールではなく、ユーザーとの対話を通じてデザインを作り上げていく「エージェント」として機能する点が最大の特徴です。
従来のAIツールが「指示に従って結果を出力する」だけだったのに対し、Lovartはプロジェクトベースで議論しながら作り込んでいくというスタイルを採用しています。これにより、ユーザーの意図をより深く理解し、期待を上回る成果物を生み出すことが可能になっています。
まず最も印象的だった対話動画の作成機能を試してみました。プロンプトは以下のように設定:
「日本人の女性とAIロボットっぽい2人が会話している様子が良いオフィスで。会話の内容は今生成やAIエージェントを使うと仕事の生産性が全然変わるよね、そういった趣旨で会話をしてほしい。長さは一旦30秒ぐらい」
このプロンプト1つで、Lovartは以下の工程を自動実行しました。
使用可能なモデルとして、GPT-4、Flux、そして動画生成ではRunwayやLuma Dream Machineといった最新のAI技術が統合されており、最大180秒の動画生成が可能です。
途中で4パターンの画像が表示され、どのパターンで作るかを選ぶことができます。
なんとこのわずか2ステップで、下記のような会話動画が完成しました。驚きのクオリティですよね。
対話動画以外にも、様々なデザイン制作機能を試してみました。特に印象的だったのはキャラクターの一貫性を保ったイラスト生成です。
「このキャラクターを完全に使った上で、イラストパターンを3つ作ってほしい。登壇しているシーン、回答しているシーン、考えているシーン」という指示で、同一キャラクターの異なるポーズ・表情のイラストを生成できました。会話をしながらバリエーションをどんどん増やすことができます。
「生成AIのビジネス活用能力を診断するようなウェブサービスを作りたい。そのウェブサービスのUIデザイン案を考えていきたい。まずはファーストビューだけでいいので、どんなデザインがいいかを提案して。ブルーテイストでAI感のあふれるかっこいいデザインにしてほしい」
この指示に対して、LovartはFluxを使用して4つの異なるデザイン案を生成。それぞれが異なるアプローチでAI感を表現しており、選択肢の幅広さに驚かされました。
Lovartの真の革新性は、画像生成とHTML生成を組み合わせた柔軟なアプローチにあります。
画像生成だけでは文字がばらけたり、人物が変わってしまうという課題がありますが、Lovartは以下の手法で解決しています:
実際に「人物の背景を透過し、メインビジュアルとロゴだけ作って、レイアウトのデザインはHTML」という指示で、透過画像とHTMLレイアウトを組み合わせた高品質なデザインが生成されました。
Lovartの最大の魅力は、会話しながら画像を作っていくという体験にあります。ChatGPTでも画像生成は可能ですが、ここまで自然な対話形式でデザインを進化させていく体験は他にありません。
例えば、生成された画像に対して「このロゴ画像だけを文字列は不要です」と指示すると、AIが理解してロゴ部分のみを抽出。さらに「ボタンが横流しているので」といった細かな修正指示にも対応し、リアルタイムでデザインを改善していきます。
実際に使用してみて感じたのは、Lovartが単なるツールを超えた「デザインパートナー」として機能している点です。特に以下のシーンでの活用価値が高いと考えられます:
「普通にこのまま使えそう」というレベルの品質を実現しています。
Lovartを実際に使用した結果、以下の点で非常に印象的でした:
動画生成のコストは高めですが、一つのサンプルを作成して流用するという使い方であれば十分に価値があります。特に、従来のデザインツールでは実現困難だった「AIとの協働デザイン」という体験は、クリエイティブワークの未来を示唆しているように感じます。
AIツールが乱立する中で、Lovartは確実に「使える」レベルに達しており、デザイン制作の効率化と品質向上の両方を実現する可能性を秘めています。特に、デザイン経験が少ない方でも高品質な成果物を作成できる点は、大きな価値があると考えています。
本記事の内容は、以下の資料も参考にしています:
Lovart AIは、ユーザーとの対話を通じてデザインを作成するAIデザインツールです。従来のAIツールとは異なり、プロジェクトベースで議論しながらデザインを作り込んでいく「デザインエージェント」として機能し、画像、動画、HTML、キャラクターデザインなど、多岐にわたるデザイン制作をサポートします。
Lovart AIで対話動画を作成するには、まず作りたい動画のプロンプト(指示文)を入力します。例えば、「日本人の女性とAIロボットがオフィスでAIに関する会話をしている30秒の動画」のように指示します。Lovart AIは、このプロンプトに基づいて動画の構成、会話スクリプト、映像を自動で生成します。
はい、Lovart AIでは生成されたデザインを修正できます。例えば、生成されたロゴ画像に対して「文字列は不要です」と指示したり、ボタンの配置調整を指示したりすることで、AIがリアルタイムでデザインを改善します。対話形式で細かな修正指示ができるのが特徴です。
Lovart AIはクレジット制を採用しており、生成する内容によって消費クレジットが異なります。例えば、画像生成(4枚)には約100-200クレジット、30秒の動画生成には約1700クレジットが必要です。動画生成はクレジット消費が大きいため、コストを考慮した使い分けが推奨されます。
Lovart AIは、プレゼンテーション資料のビジュアル作成、マーケティング素材(SNS投稿用の画像・動画)の作成、ウェブデザインのUIモックアップ作成、ブランドキャラクターのデザインなど、幅広い用途に活用できます。特にフラットデザインの生成能力が高く、高品質なデザインを効率的に作成できます。
Workstyle Evolution代表。18万人超YouTuber&『ChatGPT最強の仕事術』著者。
株式会社Workstyle Evolution代表取締役。YouTubeチャンネル「いけともch(チャンネル)」では、
AIエージェント時代の必須ノウハウ・スキルや、最新AIツールの活用法を独自のビジネス視点から解説し、
チャンネル登録数は18万人超(2025年7月時点)。