
2025/07/23(水)
ClaudeがついにExcel、Word、PowerPoint、PDFなどのファイルを直接編集・生成できる機能を提供開始しました。その名は「Upgraded file creation and analysis」
この新機能は、Max、Team、Enterpriseプランを対象とし、Proユーザーにも数週間以内に展開される予定です。特にPowerPoint編集においては、ChatGPTエージェントモードとは桁違いの対応力を見せており、既存スライドの構成を維持しながら中身をアップデートできる画期的な機能となっています。
目次
この機能は、Claudeにプライベートなコンピュータ環境を付与し、コード記述やプログラム実行を可能にしたことで実現されました。アップロードされたデータの分析レポートや財務モデルのスプレッドシート、会議資料などのファイルを指示に基づいて生成できるようになっています。
機能を利用するには、設定から「Upgraded file creation and analysis」を有効にする必要があります。最初はシンプルなレポート作成やデータ制御から始めることが推奨されています。
ClaudeのPowerPoint生成は、PPTX Gen.jsというライブラリを使用してPythonベースで動作しています。これはChatGPTのエージェントモードと同様の仕組みですが、Claudeの方がより高精度な結果を生み出しています。
プログラムベースでの生成のため、ManasやJSparkのような専門ツールと比較すると、作れるスライドのデザインには一定の限界があります。しかし、Claudeが正式対応したことで、それなりに見栄えの良いレベルの高いPowerPointを作成できるようになっています。
新規でPowerPointを作成する場合、Claudeは情報収集から始まり、内容をまとめた上でファイル生成に移行します。実際の検証では、ChatGPTよりも高品質なPowerPointスライドが生成されることが確認されています。
生成されたスライドは、ビジネスで活用できるレベルのセッティングになっており、そのまま使える部分も多く含まれています。デザイン面では完璧ではないものの、実用的なレベルに達していると評価できます。
Claudeの最も優秀な機能は、既存のPowerPointファイルをアップロードして、その構成を維持しながら中身を更新できる点です。この機能により、会社のテンプレートや既存の資料をベースとした効率的な資料作成が可能になります。
具体的な処理プロセスは以下の通りです:
この処理により、元のデザインやレイアウトを完全に保持しながら、テキスト内容や画像を新しい情報に差し替えることができます。
同じ条件でChatGPTエージェントモードと比較した結果、既存ファイルの編集においてはClaudeが圧倒的に優秀であることが判明しました。ChatGPTエージェントモードでは、元ファイルの構成を維持せず、全く別のデザインになってしまい、中身の書き換えも適切に行われませんでした。
この差は、Claudeが既存ファイルの構造を深く理解し、それを維持しながら編集する能力に長けているためと考えられます。
Claudeの新機能には重要な制限があります。最も大きな問題はコンテキストウィンドウの制限です。複数のスライドを同時に処理しようとすると、すぐにコンテキストウィンドウの上限(20万トークン)に達してしまい、処理が途中で停止してしまいます。
この制限により、現在は以下のような使い方が推奨されます:
ただし、Enterpriseプランではコンテキストウィンドウが拡大される可能性があり、今後の改善が期待されています。
現在の機能レベルでも、以下のような実用的な活用が可能です:
活用シーン | 具体例 | 効果 |
事例紹介スライドの量産 | 1つの事例テンプレートを使って、異なる企業の事例に差し替え | デザイン統一性を保ちながら効率的な資料作成 |
定期レポートの更新 | 毎週のニュースレポートのテンプレートで最新情報に更新 | 継続的な資料作成業務の自動化 |
会社テンプレートの活用 | 企業の標準テンプレートを使った新規プロジェクト資料作成 | ブランド統一性を保った資料作成 |
Claudeの新機能は将来性が非常に高いと評価できます。現在の主な改善点は以下の通りです:
特にAPI提供が実現されれば、関係ない情報を調整して投げる幅を調整でき、様々な企業がマッシュアップサービスとして活用することが可能になります。
ClaudeのPowerPoint編集機能は、特に既存ファイルの構成を維持しながら中身を更新する能力において、ChatGPTエージェントモードを大きく上回る性能を示しています。主なポイントは以下の通りです:
現時点では1スライドずつの処理という制限はありますが、既存資料の構造を理解して適切に編集する能力は画期的であり、ビジネス現場での資料作成効率を大幅に向上させる可能性を秘めています。
ClaudeのPowerPoint編集機能は、Max、Team、Enterpriseプランで利用可能です。Proユーザーにも数週間以内に展開される予定です。
Claudeでファイル編集機能を利用するには、設定画面から「アップグレードファイルクリエーション」などの機能を有効にする必要があります。設定後、Claudeにファイルをアップロードして指示を与えることで編集が可能になります。
Claudeは、アップロードされたPowerPointファイルを画像として認識し、サムネイルグリッドを生成します。その後、テンプレートの構造を分析し、各スライドのデータをJSON形式で認識、中身を書き換えるプログラムを実行することで、元のデザインを維持しながらテキストや画像を更新します。
ClaudeのPowerPoint編集機能の主な制限事項は、コンテキストウィンドウの制限です。一度に処理できるスライド数に上限があり、大量のスライドを同時に処理することは難しい場合があります。そのため、現在は1スライドずつの処理が推奨されています。
既存のPowerPointファイルを編集する場合、ClaudeはChatGPTのエージェントモードよりも優れています。Claudeは元ファイルの構成を維持し、中身を適切に書き換えることができますが、ChatGPTエージェントモードでは元のデザインが維持されず、書き換えも不正確になることがあります。
Workstyle Evolution代表。18万人超YouTuber&『ChatGPT最強の仕事術』著者。
株式会社Workstyle Evolution代表取締役。YouTubeチャンネル「いけともch(チャンネル)」では、 AIエージェント時代の必須ノウハウ・スキルや、最新AIツールの活用法を独自のビジネス視点から解説し、 チャンネル登録数は18万人超(2025年7月時点)。