Microsoft Copilot無料版が大幅機能拡張!OutlookやExcel対応でGPT-5も利用可能に - 生成AIビジネス活用研究所

Microsoft Copilot無料版が大幅機能拡張!OutlookやExcel対応でGPT-5も利用可能に

Microsoft Copilot無料版が大幅機能拡張!OutlookやExcel対応でGPT-5も利用可能に

Microsoft Copilotの無料版が、2025年8月から9月にかけて大幅な機能拡張を実施します。これまで有料のMicrosoft 365 Copilotライセンスが必要だった多くの機能が、通常のMicrosoft 365ライセンスでも利用可能になり、企業での導入ハードルが大きく下がることが期待されています。

特に注目すべきは、Word、Excel、PowerPoint、Outlookといった主要なOfficeアプリでCopilot機能が使えるようになることです。さらに、画像やポスター生成機能、そして最新のGPT-5モデルへのアクセスも可能になります。これにより、多くの企業が追加コストなしで高度なAI機能を業務に活用できるようになります。

無料版で利用可能になる主要機能

今回のアップデートにより、通常のMicrosoft 365ライセンスユーザーでも以下の機能が利用できるようになります:

  • Word、Excel、PowerPoint、OutlookでのCopilot機能
  • Copilotチャット機能の全面開放
  • 画像・インフォグラフィック生成機能
  • GPT-5モデルへのアクセス(制限付き)

これまで無料版では基本的なCopilotチャット機能に限られていましたが、利用条件の大幅な見直しにより、追加契約なしで使える機能が大幅に増加しました。

Outlookでの検索機能が大幅改善

OutlookのCopilot Chat画面。Copilotペインでメールの要約や計画作成を提案。
OutlookアプリでのCopilot Chat赤枠部分

特にOutlookでの活用において、私は大きな可能性を感じています。従来のOutlookのキーワード検索では見つからないメールでも、Copilotに自然言語で質問することで、適切な検索結果を得られるケースが多いと実感しています。

例えば、「先月の予算会議に関するメール」や「田中さんからの契約書関連の連絡」といった曖昧な表現でも、Copilotは文脈を理解して関連するメールを見つけ出してくれます。これは従来の完全一致型検索では実現できない、大きなメリットです。

2025年7月からは、さらに高度な機能として会議スケジュール設定の自動化も実装されており、参加者のスケジュールの空き状況を基に最適な会議日時を特定し、アジェンダの作成や招待の送信まで支援してくれます。

画像・ポスター生成機能の実用性

新たに追加される作成機能では、画像、ビデオ、インフォグラフィックの生成が可能になります。私が実際に試してみたところ、社内向けの簡単なポスターやプレゼンテーション資料であれば、十分実用的なクオリティで作成できることがわかりました。

例えば「AI社内展開」というテーマでインフォグラフィックを依頼すると、適切なレイアウトとデザインで資料を生成してくれます。編集機能も備わっているため、生成後の微調整も可能です。

Copilotでの画像生成デモンストレーション。プロンプトとスタイル設定のUI。
Copilot画像生成機能のプロンプト入力とスタイル指定アニメスタイルでソーラーパネル設置ガイドの画像を生成する例
Copilotのポスターデザイン機能画面。多様なポスターテンプレートが表示されている。
Copilotのポスター生成機能のテンプレート例

技術的には、2025年5月にDALL-E 3からGPT-Image-1を内包するGPT-4oアーキテクチャへの移行が完了しており、より豊かなディテールと優れた構図を持つ画像生成が実現されています。これにより、従来のBingによる既存画像検索とは異なり、完全に新しい画像を生成する能力を獲得しています。

CanvaやAdobe Creative Suiteといった専用ツールと比較すると機能は限定的ですが、社内で手軽に資料を作成するという用途においては、十分な価値を提供すると考えられます。

GPT-5へのアクセスと制限事項

最新のGPT-5モデルも利用可能になりますが、アクセスには制限があります。具体的には、「通常アクセス」と「優先アクセス」の2段階に分かれており、無料版ユーザーは通常アクセスでの利用となります。

GPT-5は2025年8月8日に正式に統合が開始され、Microsoft 365 CopilotおよびMicrosoft Copilot Studioにて世界中で展開されています。従来モデルと比較して知能面で大きな進化を遂げており、より高度な推論能力と自然な対話が可能になっています。

Microsoft 365 Copilotライセンス保持者の場合は優先アクセス(安定した品質・パフォーマンス)を享受できますが、無料版でも基本的な機能は十分に活用できると期待されます。

社内データアクセスの制限

重要な制限事項として、Copilotが社内情報を直接検索できる機能は、引き続きMicrosoft 365 Copilotライセンスを利用している場合に限られます。つまり、無料版では社外データを使うことができません。

この制限により、無料版では以下のような機能は利用できません:

  • SharePointやOneDriveに保存された社内文書の検索・要約
  • Teams会議の議事録自動生成
  • 社内データベースとの連携
  • 組織固有の情報を活用した回答生成

しかし、一般的な業務支援、文書作成、データ分析などの基本的な機能は十分に活用できるため、多くの企業にとって価値のあるアップデートと言えるでしょう。

Google Workspaceとの競争激化

今回の機能拡張により、Google WorkspaceのGeminiとの競争がさらに激化すると予想されます。Google Workspaceでは既にGeminiがプランに含まれており、Gmail、スプレッドシート、Googleドキュメント、Google Meetなどの主要アプリでAI機能を利用できます。

法人向け生成AIサービス利用動向調査によると、Microsoft Copilotが42.3%、Google Geminiが28.5%の利用率を記録しており、両サービスが主要プラットフォーマーとして企業業務において高い導入率を示しています。

これまでMicrosoft Copilotは制限が非常に厳しく、無料版では基本的なチャット機能しか使えず、文字数制限も厳しいという課題がありました。しかし、今回の無料版機能拡張により、使用シーンが大幅に増加する可能性があります。

まとめ

Microsoft Copilotの無料版機能拡張は、企業のAI活用において大きな転換点となる可能性があります。主なポイントをまとめると以下の通りです:

  • 主要Officeアプリでの利用が可能:Word、Excel、PowerPoint、Outlookで追加コストなしでAI機能を活用
  • 検索機能の大幅改善:特にOutlookでの自然言語検索により、従来の検索では見つからないメールも発見可能
  • 画像・ポスター生成機能:社内資料作成において実用的なクオリティでの自動生成が可能
  • GPT-5アクセス:最新AIモデルを制限付きながら無料で利用可能

2025年8月から9月にかけて順次展開される予定のこのアップデートにより、多くの企業がAI活用の第一歩を踏み出すきっかけになると期待されます。無料版でも十分な価値を提供する一方で、より高度な機能が必要な場合は有料版への移行を検討するという、段階的なアプローチが可能になります。

📺 この記事の元となった動画です

よくある質問(FAQ)

Q1 Microsoft Copilotの無料版で何ができるようになりますか?

Microsoft Copilotの無料版では、Word、Excel、PowerPoint、Outlookなどの主要なOfficeアプリでCopilot機能が利用可能になります。また、画像やインフォグラフィックの生成、最新のGPT-5モデルへのアクセス(制限付き)も可能になります。

Q2 Microsoft Copilot無料版はいつから利用可能になりますか?

Microsoft Copilotの無料版機能拡張は、2025年8月から9月にかけて順次展開される予定です。

Q3 Microsoft Copilotの無料版でGPT-5を利用する際の制限はありますか?

はい、Microsoft Copilotの無料版でGPT-5を利用する場合、アクセスに制限があります。「通常アクセス」での利用となり、Microsoft 365 Copilotライセンス保持者の「優先アクセス」と比較して、品質やパフォーマンスが異なる場合があります。

Q4 Microsoft Copilotの無料版では、社内のデータを検索できますか?

いいえ、Microsoft Copilotの無料版では、SharePointやOneDriveに保存された社内文書の検索・要約、Teams会議の議事録自動生成、社内データベースとの連携など、社内データへの直接アクセスはできません。これらの機能は、Microsoft 365 Copilotライセンスが必要です。

Q5 Microsoft Copilotの無料版で生成できる画像やポスターのクオリティはどの程度ですか?

Microsoft Copilotの無料版で生成できる画像やポスターは、社内向けの簡単な資料やプレゼンテーション資料としては十分実用的なクオリティです。CanvaやAdobe Creative Suiteといった専用ツールと比較すると機能は限定的ですが、手軽に資料を作成する用途には適しています。


この記事の著者

池田朋弘のプロフィール写真

池田朋弘(監修)

Workstyle Evolution代表。18万人超YouTuber&『ChatGPT最強の仕事術』著者。

株式会社Workstyle Evolution代表取締役。YouTubeチャンネル「いけともch(チャンネル)」では、 AIエージェント時代の必須ノウハウ・スキルや、最新AIツールの活用法を独自のビジネス視点から解説し、 チャンネル登録数は18万人超(2025年7月時点)。

著書:ChatGPT最強の仕事術』(4万部突破)、 『Perplexity 最強のAI検索術』、 『Mapify 最強のAI理解術

合わせて読みたい
関連記事

公式LINEで最新ニュースをゲット

LINE登録の無料特典
LINE登録の無料特典
icon

最新のAIニュース
毎週お届け

icon

生成AIの業務別の
ビジネス活用シーン

がわかるAIチャット

icon

過去のAIニュースから
事実を確認できる
何でもAI相談チャット

icon

ニュース動画
アーカイブ

ページトップへ