
2025/09/09(火)
2025年9月18日、Notionが発表した「Notion 3.0」は、従来のAIアシスタントの概念を根本から覆す革新的なアップデートです。単なる文書作成支援ツールから、実際のチームメンバーのように最長20分間にわたって自律的に作業を遂行するAIエージェントへと進化しました。この新機能により、数百ページの確認作業やデータベース作成といった複雑な業務が、人間の手を離れて自動実行されるようになります。
私自身、この機能を実際に試してみて、その可能性の大きさに驚かされました。新規採用者のオンボーディング計画を依頼すると、AIエージェントは計画を作成するだけでなく、オンボーディングタスクの設定、データベースの更新まで多段階にわたって処理を実行してくれます。これまで人間が数時間かけて行っていた作業が、わずか数分で完了する様子を目の当たりにすると、業務効率化の新たな地平が開けたことを実感します。
目次
Notion 3.0のAIエージェントは、従来のNotionAIが「1つの作業に1つの提案」だったのに対し、複雑なワークフローを自律的に実行できる画期的な機能です。最大20分間の連続自動実行が可能で、一度の指示で複数のステップを含む業務を完了できます。
具体的には、以下のような作業を連続して実行します:
この機能の革新性は、単純な質問回答型AIとは異なり、複数工程にわたる業務全体を自動実行し、数日かかっていた作業を数分で完了させる能力にあります。
私は毎週のAIニュースをNotionにすべて蓄積しています。このデータベースを使って、例えば直近50件の登録がどんな傾向があるかといった分析を簡単に行うことができます。
また、単にチャットで回答するだけではなく、新しいページを作ってもらうこともできます。
また私はクライアントとの打ち合わせに関してNotionを使って保存しています。また内容はAI Meeting Noteを使って内容のさまり、議事録のメモを作っています。会社DBとミーティングDBを作成し、会社とミーティングが1:Nの関係で紐づいています。
このデータを活用し、例えば特定のクライアントにおいてどんなふうな議論があったかというのを過去のデータも含めて分析することもできてしまいます。
Notion 3.0では、カスタムエージェント機能も今後提供されるようです。これにより、事前に決めた形で処理を自動化できるようになります。例えば、「ニュース要約」というカスタムエージェントを作成し、「最新のAIニュース100件から最近のトレンドを分析して、できるだけ分かりやすいように」と設定すれば、定期的にこの処理を自動実行できます。
カスタムエージェントが登場すると、例えばミーティング議事録から提案書を自動作成なども容易にできます。
ステップ | AIエージェントの作業内容 | 従来の人間の作業時間 |
1. 議事録分析 | ミーティング内容から重要なポイントを抽出 | 30分 |
2. 背景整理 | 議論の背景と目的を整理 | 20分 |
3. 提案サマリー作成 | 具体的な提案内容をまとめて文書化 | 60分 |
4. 機密情報の処理 | 機密情報を自動で除外・匿名化 | 15分 |
この一連の作業が、AIエージェントによってわずか数分で完了します。特に背景情報が限られている状況でも、それなりにしっかりとした提案書を作成してくれる点は、実用性の高さを物語っています。
Notion 3.0の真価は、データベース上で動作するという特性にあります。これにより、より元データがしっかりと入っているため、他のAIツールと比較して使いやすさが格段に向上しています。
例えば、商談のメモがNotionのデータベースに蓄積されている場合、AIエージェントはそれらのデータを横断的に分析し、以下のような高度な業務を自動実行できます:
このように、Notionをデータベースとしてうまく活用している組織ほど、AIエージェントの恩恵を大きく受けることができると考えられます。
Notion 3.0のAIエージェントが他のAIツールと根本的に異なる点は、GPTのような汎用的な対話型AIではなく、Notionというデータベース上で動作する専門性にあります。
従来のChatGPTなどの汎用的な文章生成・質問応答AIとは異なり、Notion AIは文書作成・要約に特化した設計を採用しています。特にノートや議事録の自動生成機能において、専門性で優位性を示しています。
また、SlackやGoogleドライブなどの外部ツールとも連携し、アクセス権のある情報のみを使用して、データベース検索機能の強化により複雑な情報を数秒で分析する能力を持っています。
Notion 3.0のAIエージェントを効果的に活用するためには、以下の点に注意することが重要です:
AIエージェントの性能は、Notion上に蓄積されたデータの質と量に大きく依存します。そのため、日常的にミーティング議事録、プロジェクト資料、顧客情報などを体系的にNotionに蓄積することが、AIエージェントの効果を最大化する鍵となります。
効果的なプロンプトテンプレートを作成し、チーム全体で共有することで、AIエージェントの出力品質を向上させることができます。特に、具体的な指示と期待する成果物の形式を明確に示すことが重要です。
いきなり複雑な業務をAIエージェントに任せるのではなく、まずは簡単なタスクから始めて、徐々に複雑な作業に拡張していくことをお勧めします。
Notion 3.0のAIエージェント機能は、業務自動化の新たな地平を切り開く革新的な機能です。以下の点が特に重要です:
この機能により、Notion上のデータ蓄積の価値が飛躍的に向上し、組織の知的生産性が大幅に改善されることが期待されます。今後、AIエージェントと人間が協働する新しい働き方のスタンダードとなる可能性を秘めた、注目すべきアップデートと言えるでしょう。
本記事の内容は、以下の資料も参考にしています:
Notion 3.0のAIエージェントは、最大20分間、自律的に複数の工程を含む複雑なワークフローを自動実行できる機能です。従来のNotion AIが1つの作業に1つの提案だったのに対し、AIエージェントは議事録から提案書作成、タスクデータベース更新などを連続して行い、業務効率を大幅に向上させます。
Notion 3.0のAIエージェントは、会議議事録からの提案書作成、新規採用者のオンボーディング計画の作成、データベースの更新、顧客傾向の分析、フォローアップタスクの設定など、多岐にわたる業務を自動化できます。特に、Notionのデータベースと連携することで、高度な分析と処理が可能になります。
Notion 3.0のAIエージェントを効果的に活用するには、Notion上にミーティング議事録、プロジェクト資料、顧客情報などを体系的に蓄積することが重要です。また、具体的な指示と期待する成果物の形式を明確に示すプロンプトテンプレートを作成し、チーム全体で共有することで、AIエージェントの出力品質を向上させることができます。
Notion 3.0のAIエージェントは、GPTのような汎用的な対話型AIではなく、Notionというデータベース上で動作する専門性を持っています。文書作成・要約に特化しており、特にノートや議事録の自動生成機能において優位性があります。また、SlackやGoogleドライブなどの外部ツールとも連携可能です。
Notion 3.0のカスタムエージェント機能を使うと、事前に決めた形で処理を自動化できます。例えば、「ニュース要約」というカスタムエージェントを作成し、「最新のAIニュース100件から最近のトレンドを分析して、できるだけ分かりやすいように」と設定すれば、定期的にこの処理を自動実行できます。
Workstyle Evolution代表。18万人超YouTuber&『ChatGPT最強の仕事術』著者。
株式会社Workstyle Evolution代表取締役。YouTubeチャンネル「いけともch(チャンネル)」では、 AIエージェント時代の必須ノウハウ・スキルや、最新AIツールの活用法を独自のビジネス視点から解説し、 チャンネル登録数は18万人超(2025年7月時点)。