
2025/08/17(日)
Excel作業で「データ分析に時間がかかりすぎる」「複雑な関数を組むのが大変」「分析結果の信頼性が心配」といった悩みを抱えていませんか?
2025年9月29日にMicrosoftが発表したExcelのAgent Modeは、これらの課題を根本的に解決する画期的な機能です。従来のExcel作業を大幅に自動化し、自然言語での指示だけで複雑な多段階作業を自動実行できるようになりました。
この記事では、実際にAgent Modeを使用した体験をもとに、その革新的な機能と実用性について詳しく解説します。データ分析業務の効率化を図りたい方、Excel作業の自動化に興味がある方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
Excel Agent Modeは、Microsoft 365 Copilotの新機能として登場した、AI駆動の自動化ツールです。従来のCopilotが単発的な作業支援にとどまっていたのに対し、Agent Modeは複数工程の自律的なタスク実行を可能にします。
最大の特徴は、元データとの紐付きを保持したまま分析を実行することです。これまでのAIツールでは、分析結果が元データから切り離されてしまい、「この結果は本当に正しいのか?」という不安がありました。しかし、Agent ModeはExcel上で直接操作を行い、関数やデータの参照関係を維持するため、結果の検証が容易になります。
実際にAgent Modeを使用して、動画の各指標(ビュー数、インプレッション数、クリック率など)の相関関係を分析してみました。その結果、以下のような優れた機能を確認できました。
「動画の各指標の相関関係を分析したい」という指示を出すと、Agent Modeは以下の処理を自動的に実行しました:
特に印象的だったのは、データの整合性が完璧に保たれていたことです。例えば、インプレッション数の数値が元データと完全に一致しており、計算ミスや転記ミスが一切ありませんでした。
単純な数値計算だけでなく、以下のような高度な分析も自動実行できました。
さらに高度な分析として、クリック率(CTR)の高い動画と低い動画を比較し、タイトルの特徴を分析する作業も実行しました。
「CTRが高いもの10件、低いもの10件を比較して、タイトルにどういう違いがあるかを分析してほしい」という指示に対し、Agent Modeは以下の処理を実行:
Agent Modeの優れた点は、定量的な分析結果を定性的な分析につなげやすい形で出力することです。タイトルの文字列データも含めた分析結果がExcel上に整理されるため、そのままGPTなどの生成AIに入力して「タイトルの特徴やクリック率を高めるためのポイント」といった定性的な分析を行うことが可能です。実際の結果、完全に実用レベルのハイレベルな分析でした。
従来のAIツールとの最大の違いは、元データとの紐付きが維持されることです。分析結果の各数値が元データのどの部分から算出されたかが明確で、関数による参照関係も確認できます。これにより、「AIが出した結果だから信頼できない」という不安が大幅に軽減されます。
すべての処理がExcel環境内で完結するため、以下のメリットがあります:
実際の使用では、データの転記ミスや計算ミスが一切発生しませんでした。これは、Agent ModeがExcelの標準機能を活用して処理を行うため、人的ミスが介入する余地がないからです。
Agent Modeは現在、以下の環境で利用可能です:
利用にはFrontierプログラムへの参加が必要で、段階的なロールアウトが行われています。
Agent Modeを利用するには、以下の手順を実行します:
従来のExcel Copilotは単発的な質問応答や簡単な関数生成にとどまっていましたが、Agent Modeは複数のステップを組み合わせた複雑な分析を自動実行できます。また、結果の品質チェックや修正も自動的に行われるため、より信頼性の高い分析が可能です。
ChatGPTやGeminiなどの汎用AIツールと比較して、Agent Modeは以下の優位性があります:
現在はWeb版のみの提供ですが、間もなくデスクトップ版でも同様の機能が利用可能になる予定です。これにより、より多くのユーザーがAgent Modeの恩恵を受けられるようになります。
Microsoftは、Agent ModeをExcelだけでなく、WordやPowerPointにも展開することを発表しています。特にPowerPointでは「Manusスタイル」での進化が予定されており、プレゼンテーション作成の自動化も期待されます。
現在のAgent ModeはSpreadsheetBenchの評価で57.2%の精度を達成していますが、継続的な改善により、さらなる精度向上が期待されます。
Excel Agent Modeは、データ分析業務を根本的に変革する可能性を秘めた革新的な機能です。実際の使用体験から、以下の点で従来のツールを大きく上回る性能を確認できました:
現在はWeb版のみの提供ですが、デスクトップ版への展開も予定されており、より多くのユーザーがこの革新的な機能を活用できるようになります。データ分析業務の効率化を図りたい方は、ぜひAgent Modeの活用を検討してみてください。
本記事の内容は、以下の資料も参考にしています:
Excel Agent Modeは、Microsoft 365 Copilotの新機能で、AIを活用してExcelのデータ分析を自動化するツールです。従来のCopilotと異なり、複数工程の複雑なタスクを自律的に実行し、元データとの紐付けを保持したまま分析できるため、分析結果の信頼性が向上します。
Agent Modeでは、動画の視聴数やインプレッション数などの指標の相関関係分析、クリック率(CTR)の高い動画と低い動画のタイトルの特徴分析などが可能です。自然言語で指示を出すだけで、データの抽出、新しいシートの作成、相関係数の計算、結果の可視化などが自動で行われます。
従来のExcel Copilotは単発的な質問応答や簡単な関数生成が中心でしたが、Agent Modeは複数のステップを組み合わせた複雑な分析を自動で実行できます。分析結果の品質チェックや修正も自動で行われるため、より信頼性の高い分析が可能です。
Excel Agent Modeは現在、Excel Web版で利用可能です。利用にはMicrosoft 365 Copilotライセンスの保有、またはMicrosoft 365 Personal/Familyサブスクリプションが必要です。Frontierプログラムへの参加が必要で、段階的にロールアウトされています。デスクトップ版も順次対応予定です。
Excel Agent Modeを利用するには、Excel Web版にアクセスし、Copilotチャットを開いて「エージェントモード」をデフォルトに設定します。その後、自然言語で分析指示を入力することで、Agent Modeが自動的に分析を実行します。
Workstyle Evolution代表。18万人超YouTuber&『ChatGPT最強の仕事術』著者。
株式会社Workstyle Evolution代表取締役。YouTubeチャンネル「いけともch(チャンネル)」では、 AIエージェント時代の必須ノウハウ・スキルや、最新AIツールの活用法を独自のビジネス視点から解説し、 チャンネル登録数は18万人超(2025年7月時点)。