
2025/10/09(木)
Slackは単なるコミュニケーションツールから「企業のエージェントOS(Agentic Operating System)」への大きな転換を発表しました。この変革により、Slackは全ての企業アプリ、データ、AIエージェントを統合する統一されたワークOSとして機能し、会話型インターフェースを通じて企業の業務プロセスを根本から変えようとしています。
特に注目すべきは、AgentForce 360との連携強化、サードパーティーAIサービスとの接続拡大、そして企業データの横断検索機能の3つの柱です。これらの機能により、従業員はSlack上から様々な企業システムにアクセスし、AIの力を借りて効率的に業務を進められるようになります。
目次
Slackの「エージェントOS」戦略の中核となるのが、Salesforceとの深い連携です。AgentForce 360の動きと合わせて、Slackは企業のあらゆるデータとプロセスを統合するプラットフォームとして機能します。
AgentForceのAIエージェントは、全ての有料プランで導入可能となり、以下のような機能を提供します:
これらのエージェントにより、従業員はSlack上から多くの機能を直接利用できるようになり、複数のアプリケーションを行き来する必要がなくなります。
注目すべき機能が「チャンネルエキスパートエージェント」です。この機能により、特定のSlackチャンネル内での確認作業が自動化されます。ただし、利用にはAgentForceが必要であり、Salesforceとの接続が前提となります。
Slackは、自社のAI機能だけでなく、様々なサードパーティーAIサービスとの統合も大幅に拡大しています。これにより、企業は最適なAIツールを組み合わせて使用できるようになります。
Slack App Marketplaceを通じて、以下のようなAIサービスが利用可能になりました:
SlackはMCP(Model Context Protocol)にも対応し、Anthropic、Dropbox、OpenAIなどのサードパーティーAIを新たにAPI統合することで、できることが大幅に増えました。これにより、企業は複数のAIサービスを組み合わせて、より高度な業務自動化を実現できます。
Slackの「エージェントOS」戦略の一つが企業データの横断検索です。エンタープライズプラス以上のプランでは、AI活用したエンタープライズ検索機能により、様々な企業システムに散らばったデータを統一的に検索できるようになります。
この機能により、従業員は必要な情報を探すために複数のアプリケーションを切り替える必要がなくなり、Slack上で一元的に情報にアクセスできるようになります。
Slackの「エージェントOS」への進化は、企業にとって以下のような具体的なメリットをもたらします:
2025年8月17日以降、Slackは価格改定と同時に、全ての有料プランにAI機能を統合すると発表しました。これまで別途料金が必要だったAI機能が、各プランに標準搭載されることで、より多くの企業がAIの恩恵を受けられるようになります。
プラン | 月額料金 | 主要AI機能 |
---|---|---|
Pro | 据え置き | 要約機能、ハドルノート |
Business+ | $15(約20%値上げ) | AIワークフロー生成、ファイル要約、毎日のまとめ、検索、言語翻訳 |
Enterprise+(新設) | 新価格 | AI活用したエンタープライズ検索、高度なデータ分析 |
この価格改定により、ビジネスプラスが値上がりした一方で、AI機能が標準搭載されることで、実質的な価値は大幅に向上しています。特に、AIワークフロー生成や企業データの横断検索機能は、従来では考えられなかった業務効率化を実現します。
Slackの「企業のエージェントOS」への進化は、以下の3つの柱によって実現されています:
価格改定により一部プランは値上げとなりますが、AI機能の標準搭載により実質的な価値は大幅に向上しています。特にSalesforceユーザーにとっては、追加コストなしでSlackの基本機能を利用できるようになることで、大きなメリットを享受できるでしょう。
企業がこの変化に適応し、Slackを中心とした統合ワークフローを構築することで、業務効率の大幅な向上と競争優位性の確立が期待できます。
Slackが企業内の様々なアプリ、データ、AIエージェントを統合するプラットフォームとなり、従業員はSlackを通じて、より効率的に業務を進められるようになります。特に、Salesforceとの連携強化、サードパーティーAIサービスとの接続拡大、企業データの横断検索機能が強化されます。
2025年8月17日以降、Slackの全ての有料プランにAI機能が標準搭載されます。ビジネスプラスプランは値上げされましたが、AIワークフロー生成やファイル要約などの機能が追加され、より高度な業務効率化が可能です。
AgentForceのAIエージェントを活用することで、営業プロセスの自動化(Agent for Sales)、ITサービスの問い合わせ対応(Agent for IT)、人事関連の質問対応(Agent for HR)などがSlack上から直接行えるようになります。これにより、複数のアプリケーションを行き来する手間が省けます。
企業データの横断検索機能は、エンタープライズプラス以上のプランで利用できます。AIを活用したエンタープライズ検索機能により、Salesforce、Dropbox、Notionなど複数のシステムに分散したデータを一元的に検索できます。
はい、全てのSalesforceユーザーは、SlackとSlack-Salesforce統合にアクセスできるようになり、Slackの基本機能を無料で利用できます。これにより、CRMデータへのアクセスが容易になり、営業チームの生産性向上が期待できます。
Workstyle Evolution代表。18万人超YouTuber&『ChatGPT最強の仕事術』著者。
株式会社Workstyle Evolution代表取締役。YouTubeチャンネル「いけともch(チャンネル)」では、 AIエージェント時代の必須ノウハウ・スキルや、最新AIツールの活用法を独自のビジネス視点から解説し、 チャンネル登録数は18万人超(2025年7月時点)。