
2025/08/01(金)
自律型AIエージェントの分野で画期的な進化を遂げたManusが、バージョン1.5として大幅にアップデートされました。従来の15分かかっていたタスクが4分で完了するという4倍の高速化を実現し、さらにフルスタックWebアプリケーションの構築からコラボレーション機能まで、開発者の作業効率を劇的に向上させる機能が追加されています。
この記事では、Manus 1.5の具体的な改善点と実際の使用感、そして1プロンプトでWebサービスを作成する実践例を詳しく解説します。AI開発ツールの選択に迷っている方や、開発効率を向上させたい方にとって、非常に参考になる内容となっています。
目次
Manus 1.5では、従来バージョンから大きく3つの領域で進化を遂げています。それぞれの改善点を具体的に見ていきましょう。
最も注目すべき改善点は、タスク完了速度の約4倍高速化です。従来のManus 1.4では平均15分かかっていた複雑なタスクが、Manus 1.5では4分で完了するようになりました。
この高速化は単純な処理速度の向上だけではありません。エンジン全体が「より高速かつ信頼性が高いもので再設計」されており、以前は複雑すぎて失敗していたタスクも成功するようになっています。つまり、速度と品質の両方が同時に向上しているのです。
さらに、単一タスク用に拡張されたコンテクストウィンドウにより、より大きく複雑な問題を一貫して処理できるようになりました。これは、長時間のリサーチやコーディングタスクにおいて、途中で文脈を失うことなく作業を継続できることを意味します。
例えると、以前は「短い机で作業していたため、途中で資料を片付けながら進めていた」のに対し、今は「大きな作業台を使えるようになった」状態です。広い机(=拡張されたコンテクストウィンドウ)のおかげで、資料を出しっぱなしでも全体を見渡しながら一気に仕事を進められます。
Manus 1.5の最も革新的な機能は、完全なWebアプリケーションを1つのプロンプトで構築できることです。この機能には以下の要素が含まれます:
これらの機能により、従来であれば複数の専門知識と数週間の開発期間が必要だったWebサービスを、数十分で完成させることが可能になりました。
Manus 1.5では新たにコラボレーション機能が追加され、チームメンバーを共有セッションに招待できるようになりました。これにより、複数人でのAIエージェント活用が可能となり、チーム開発の効率性が大幅に向上します。
Manus 1.5の実力を検証するため、実際にWebサービスを作成してみました。今回作成したのは、「認証内容を入力したらOpenAIのGPT Image Miniで APIでその内容を表現する文字付きのインフォグラフィックを横長で作成する」というWebサービスです。
以下の仕様でWebサービスの作成を依頼しました:
結果として、数十分程度でフルスタック構成のWebサービスが完成しました。生成されたサービスには以下の要素が含まれていました:
機能 | 実装内容 |
ダッシュボード | 直感的な操作画面 |
データベース | ユーザーデータと生成履歴の管理 |
認証システム | Manusアカウントとの連携 |
API統合 | OpenAI GPT Image Miniとの接続 |
画像生成機能 | テキストからインフォグラフィック生成 |
完成したWebサービスの品質は予想以上に高く、実用レベルに達していました。特に印象的だったのは以下の点です:
認証システムの完成度:Manusアカウントを持っていて承認されていないとアプリを使用できないという、セキュリティ面でも配慮された設計になっていました。これにより、自分専用のアプリとして安全に公開・利用することができます。
履歴管理機能:生成した画像の履歴が自動的に保存され、過去の作業を簡単に振り返ることができる機能も実装されていました。
公開機能の簡便性:作成したWebサービスは簡単に公開でき、最新バージョンへの更新も数クリックで完了します。
今回のWebサービス作成で使用したクレジットは1000程度と、比較的少ない消費量でした。これは、従来の開発コストと比較すると非常に効率的と言えるでしょう。
Manus 1.5を利用する際に知っておくべき重要な条件があります。
Manus 1.5は有料プランでのみ利用可能です。無料プランのユーザーはManus-1.5-liteのみ使用できます。
Manusの管理画面上部で簡単にバージョンを切り替えることができるため、有料プランユーザーは用途に応じて最適なバージョンを選択できます。
Manus 1.5は「簡単だけれども作るのが面倒くさいような実用的な内容」のWebサービス作成に特に威力を発揮します。今回作成したインフォグラフィック生成サービスのように、個人的な作業効率化ツールや小規模なビジネスツールの開発に最適です。
Manus 1.5は、AI支援開発ツールとして画期的な進化を遂げた製品です。主要なポイントを改めて整理すると:
ただし、有料プラン限定の機能であることを考慮し、コスト対効果を十分に検討した上で導入を判断することが重要です。開発効率の大幅な向上を求める個人開発者や企業にとって、Manus 1.5は非常に魅力的な選択肢となるでしょう。
AI技術の進歩により、プログラミングの敷居が下がり続けている現在、Manus 1.5のようなツールは今後ますます重要な役割を果たすことになると予想されます。
本記事の内容は、以下の資料も参考にしています:
Manus 1.5は、AIを活用してWebアプリケーション開発を支援するツールです。特にフルスタックのWebアプリケーションを、たった一つのプロンプトで構築できる点が特徴です。従来バージョンに比べて処理速度が大幅に向上し、チームでの共同作業も可能になりました。
Manus 1.5を使うと、フロントエンド、バックエンド、データベース、ユーザー認証システムを含むフルスタックWebアプリケーションを、AIの力で自動的に構築できます。OpenAI APIなどの外部AI機能との連携や、リアルタイム通知システムの実装も可能です。
いいえ、Manus 1.5は有料プランでのみ利用可能です。無料プランのユーザーは従来のバージョンのみ使用できます。高速化された処理速度やフルスタック開発機能を利用するには、有料プランへのアップグレードが必要です。
従来、要件定義からテストまで数週間かかっていたWebサービス開発が、Manus 1.5を使うことで数十分から数時間程度に短縮できます。特に、実用的なWebサービスを迅速に作成したい場合に効果を発揮します。
Manus 1.5は、Webサービスの開発を効率化したい個人開発者やスタートアップ企業、社内向けの業務効率化ツールを開発したい企業におすすめです。プログラミングの専門知識がなくても、高品質なWebサービスを作成できます。
Workstyle Evolution代表。18万人超YouTuber&『ChatGPT最強の仕事術』著者。
株式会社Workstyle Evolution代表取締役。YouTubeチャンネル「いけともch(チャンネル)」では、 AIエージェント時代の必須ノウハウ・スキルや、最新AIツールの活用法を独自のビジネス視点から解説し、 チャンネル登録数は18万人超(2025年7月時点)。