
2025/08/03(日)
Google AI Studioは、Googleが提供する生成AI統合プラットフォームです。ブラウザ上でGeminiモデルを活用し、画像生成、音声生成、音楽生成といった多様なメディア制作を一つの環境で実現できます。
特に注目すべきは、各機能が独立して動作するのではなく、相互に連携して統合的なコンテンツ制作が可能な点です。例えば、生成した画像をGoogle Driveに自動保存し、それを他の機能で再利用できるなど、ワークフロー全体が最適化されています。
この記事では、Google AI Studioの中でも特に「メディア作成(Generate Media)」について、具体的な検証結果とともに詳しく解説していきます。
目次
Google AI StudioのImage生成機能では、Imagen 4、Imagen 4 Ultra、Imagen 3の3つのモデルが利用可能です。実際に同じプロンプトで比較検証したところ、明確な品質差が確認できました。
「40代の日本人女性が風の中で髪が揺られながら微笑んでいる様子」という日本語プロンプトで検証した結果、Imagen 4でも十分にハイクオリティな画像が生成されました。特に注目すべきは、日本人の顔立ちや表情の自然さです。
Imagen 4 Ultraでは、さらに細部の描写精度が向上し、髪の毛の質感や肌の自然な光沢まで精密に再現されています。生成速度も非常に高速で、2枚の画像がほぼ瞬時に完成します。
日本語の文字を画像内に含める検証も行いましたが、現時点では完全な制御は困難です。文字が微妙に表示されることはありますが、正確性や可読性の面で実用レベルには達していません。ただし、全く生成できないわけではなく、今後の改善が期待される分野です。
高品質な画像生成には相応のリソースが必要で、短時間で制限に達する可能性があります。私の検証では、数枚の生成でクォータ制限に到達したため、計画的な利用が重要です。
Google AI StudioのSpeech Generation機能は、ノートブックLMクラスの自然な会話を生成できる強力な機能です。実際に検証したところ、従来の3分制限を大幅に超える長時間コンテンツの制作が可能になっていました。
「2人がGoogle AI Studioに関して会話している内容を5分ぐらい作って」というリクエストで検証した結果、以下のような自然な会話が生成されました:
佐藤さん:「最近、Google AI Studioってよく聞くんだけど、あれって何ができるの?」
回答者:「ざっくり言うと、Googleの大規模言語モデルGeminiをノーコードで試せる開発環境だよ。ブラウザだけでプロンプト設計とか、簡単なAIアプリも作れる。」
この会話は非常に自然で、実際の人間同士の対話と区別がつかないレベルです。
従来は3分程度が上限だった印象ですが、現在は10分以上の音声コンテンツが生成可能です。この大幅な時間延長により、ポッドキャスト形式のコンテンツや教育用音声教材の制作が現実的になりました。
実際に生成した音声コンテンツは以下となります。
複数人の会話だけでなく、一人で話すモードも利用可能です。これにより、解説動画のナレーションや、プレゼンテーション用の音声コンテンツも効率的に制作できます。
Google AI Studioの音楽生成機能は、従来の「一回作りきり」ではなく、リアルタイムでインタラクティブに音楽を生成できる革新的な機能です。
「Interactive Music Creation Control」機能では、リアルタイムで音楽パラメータを調整できます。実際に以下のジャンルで検証しました:
特に印象的だったのは、ユーザーがUI上のノブを操作すると、リアルタイムで音楽が変化する点です。これにより、従来のAI音楽生成では不可能だった「演奏しながら創作する」体験が実現されています。
Google AI StudioのGemini Image Generation機能は、Gemini 2.0 Flash Imageを活用した連続的な画像生成が特徴です。単発の画像生成ではなく、ストーリー性のある連続画像の制作が可能です。
「日本人キャラクターが日本のいろんな名所を訪ねて紹介している画像を連続的に作って、北海道から沖縄まで」というプロンプトで検証したところ、生成速度は非常に高速でした。
ただし、キャラクターの再現度はChatGPT Imageと比較すると低いという課題があります。連続する画像間でキャラクターの外見に一貫性を保つのは、現時点では完全ではありません。
生成された全ての画像は自動的にGoogle Driveに保存されます。これにより、後からの管理や他のアプリケーションでの活用が容易になります。保存形式は独自のGoogle AI Studioファイル形式(おそらくJSON形式)で、後から再現や編集が可能です。
Google AI StudioのVideo Generation機能はVeo 2モデルを使用していますが、現時点では制限が多い状況です。
検証の結果、以下の制限が確認されました:
静止画から動画を生成するAnimate Image機能は利用可能です。既存の画像をアップロードし、「だんだんとズームアウトする」などの指示で簡単なアニメーション効果を追加できます。
ただし、この機能も同じクォータ制限の影響を受けるため、計画的な利用が必要です。
Google AI Studioは、単なる生成AIツールの集合体ではなく、統合的なクリエイティブプラットフォームとして大きな可能性を秘めています。
特に以下の点で、他のAIツールとは一線を画しています:
現時点ではクォータ制限や一部機能の制約がありますが、これらは技術の成熟とともに解決されていくと予想されます。特に、個人クリエイターから企業まで、幅広い用途でのコンテンツ制作を革新する可能性を持っています。
Google AI Studioを活用することで、従来は専門的なスキルや高価な機材が必要だったマルチメディアコンテンツ制作が、誰でも手軽に、しかし高品質に実現できる時代が到来しています。今後のさらなる進化に注目し、積極的に活用していくことをお勧めします。
Google AI Studioは、Googleが提供する生成AI統合プラットフォームです。Geminiモデルを活用して、画像生成、音声生成、音楽生成など、多様なメディア制作をブラウザ上で簡単に行えます。各機能は連携しており、生成した画像をGoogle Driveに保存して再利用するなど、効率的なワークフローを実現できます。
Google AI Studioの画像生成機能では、Imagen 4、Imagen 4 Ultra、Imagen 3の3つのモデルが利用可能です。同じプロンプトでもモデルによって生成される画像の品質に差があり、Imagen 4 Ultraが最も高画質です。ただし、高品質な画像生成にはクォータ制限があるため、計画的な利用が必要です。
Google AI Studioの音声生成機能では、最大10分以上の音声コンテンツを作成できます。従来の3分制限を大幅に超えており、ポッドキャスト形式のコンテンツや教育用音声教材の制作に適しています。会話形式だけでなく、一人で話すモードも利用可能です。
Google AI Studioの音楽生成機能は、リアルタイムでインタラクティブに音楽を生成できます。「Interactive Music Creation Control」機能を使用すると、UI上のノブを操作して音楽パラメータを調整し、リアルタイムで音楽の変化を体験できます。K-POP、ドラムベース、シンセウェーブなど、様々なジャンルの音楽を生成可能です。
Google AI Studioで生成された画像は、自動的にGoogle Driveに保存されます。これにより、後からの管理や他のアプリケーションでの活用が容易になります。保存形式は独自のGoogle AI Studioファイル形式で、後から再現や編集が可能です。
Workstyle Evolution代表。18万人超YouTuber&『ChatGPT最強の仕事術』著者。
株式会社Workstyle Evolution代表取締役。YouTubeチャンネル「いけともch(チャンネル)」では、 AIエージェント時代の必須ノウハウ・スキルや、最新AIツールの活用法を独自のビジネス視点から解説し、 チャンネル登録数は18万人超(2025年7月時点)。