LTX-2.3 vs Wan 2.2 徹底比較|どちらの動画生成AIツールを使うべき? - 生成AIビジネス活用研究所

LTX-2.3 vs Wan 2.2 徹底比較|どちらの動画生成AIツールを使うべき?

2026年7月28日 2026年7月28日 動画生成AI

LTX-2.3 vs Wan 2.2 徹底比較|どちらの動画生成AIツールを使うべき?

「オープンウェイトの動画生成AIを使いたいけれど、LTX-2.3とWan 2.2のどちらを選べばいいの?」
2026年現在、この2つは”公開されている動画生成モデル”の二大巨頭です。しかも面白いことに、両者はまったく正反対の強みを持っています。

Wan 2.2は「映像のクオリティ」で勝ち、LTX-2.3は「速度・音声・尺の長さ」で勝つ。この記事では、実際に同じプロンプト・同じAPIで両モデルを走らせた実測結果をもとに、あなたの用途にはどちらが向いているかをハッキリさせていきます。

目次

こんな方におすすめです

  • AI動画生成をビジネスやプロダクトに組み込みたいエンジニア・開発者の方
  • ローカル環境で動画生成AIを動かしたいクリエイターの方
  • SNS・YouTube・広告用の動画を効率よく量産したいマーケター・制作会社の方
  • ライセンス条件を確認したうえで商用利用したい企業のご担当者

3行でわかる要約

Wan 2.2は「映像の美しさ」で勝つ
後述の比較テストでは、当時のオープンモデルの中で最も高いモーションスコアを記録しました。人体の描写や顔の一貫性も優秀です。しかもライセンスはApache 2.0で、生成した動画に対して一切の権利主張がありません。

LTX-2.3は「速さ・音・尺」で勝つ
筆者らの実測では約6倍高速。さらに映像と同期した音声を同時生成でき、Magic Hour APIでは1回で最大30秒のクリップを作れます。LTXは今もオープンな新バージョンがリリースされ続けており、Wanの基盤モデルのオープンウェイトは2.2が最新のままです。

実務家がたどり着く”合わせ技”
普段の試行錯誤と量産はLTX-2.3で高速に回す。リアリティ・動きの自然さ・顔の一貫性が勝負を分ける案件だけWan 2.2に切り替える。これが最も現実的な運用パターンです。

💡 ローカル環境が用意できない場合でも、この2つのモデルはホスティング型のAPI経由でGPUなしで試せます(本記事の実測もその方法で行っています)。

※ 記事内の「クレジット」は実測に使ったMagic Hour APIの課金単位で、動画生成AI共通の単位ではありません。他のホスティング事業者では課金体系(秒単位課金、モデル別単価など)が異なります。

質問者

そもそも、オープンなモデルをわざわざ選ぶ理由って何なんでしょうか? SoraやVeoのような出来上がったサービスを使えばいいのでは…?

回答者

おっしゃる通りで、単発で「かっこいい映像が1本欲しい」だけならクローズドモデルで十分です。実際、4K出力や最高画質の領域は今もクローズド側が強いです。オープンモデルを選ぶ意味は、大きく3つあります。1つ目はライセンス。Wan 2.2はApache 2.0で、公式リポジトリにも生成コンテンツへの権利を主張しないと明記されているので、自社プロダクトに組み込むときの権利関係がクリアです。2つ目は、自社のGPUで動かせるため、企画中の商品画像や未公開の台本を外部サービスに預けずに済むこと。3つ目は、LoRAで自社の商品やキャラクターの特徴を追加学習させられることです。逆に言えば、この3つに用がないのであれば、素直にクローズドモデルを使うほうが早いと思います。


LTX-2.3とWan 2.2、どちらを選ぶべき?

ひとことで言えば、画質重視ならWan 2.2、速度・音声・尺重視ならLTX-2.3です。

Wan 2.2のライセンスはApache 2.0で、生成物への権利主張もありません。一方のLTX-2.3は、同じクレジット単価のまま約6倍の速さで同じクリップを返し、Magic Hour API上は最大30秒までのジョブに対応します。ただしLTX-2 Community Licenseでは、年間売上1,000万ドル以上の企業は有償契約が必須となる点にご注意ください。

実測サマリー(同一プロンプト・同一エンドポイント)

項目wan-2.2ltx-2.3
実行時間(実測)約4分45秒未満
解像度1280×7201296×720
フレームレート16 fps24 fps
ファイルサイズ2.78 MB8.94 MB
消費クレジット240240
1本あたりの費用0.72ドル0.72ドル

※ 費用はクレジットパック単価(1クレジット=0.003ドル)で計算しています。従量課金に切り替えると単価はティアによって変わり、720pの動画モードを扱えるCreatorティア(1,000クレジットあたり1.20ドル)なら、同じクリップが約0.29ドルになります。
※ 実際のご請求額は最新レートをご確認ください。

両ジョブとも、まったく同じプロンプト(「黄金色の夕暮れ時、白樺の森に降り積もった新雪の中を駆けるアカギツネ。カメラはその横を低い位置から追いかける」)を使い、720p・5秒の条件で、1つのエンドポイント・1つのクレジット残高から実行しました。もちろん、公開されている重みウェイトを使えば、どちらもローカル環境で動かせます。


実測レポート|同じプロンプトで走らせた結果

数字を具体的に見ていきましょう。

  • ltx-2.3:ジョブ作成から完了まで 27〜43秒
  • wan-2.2:ジョブ作成から完了まで 232〜247秒

最も差が縮まる読み方をしても5.4倍、中央値で見ればおよそ6倍の差です。

面白いのは、リクエスト内容は同じなのに出力そのものが違う点です。wan-2.2は1280×720・16fpsで2.78 MBのファイルを返し、ltx-2.3は1296×720・24fpsで8.94 MBのファイルを返しました。消費クレジットはどちらも240で、720p動画1秒あたり48クレジットという計算になります。

💡 生のAPIレスポンス、実行ログ、そして両方の出力クリップは公開ベンチマークリポジトリに置いてあるので、ご自身の目で検証していただけます。

ローカル環境でも順位は同じ

APIだけでなく、ローカル計測でも同じ傾向が確認されています。RTX 4090を使った3名の評価者による比較テストでは、Wan 2.2 14Bが5秒クリップあたり4分20秒、LTXが1分30秒という結果でした。

※ ただしこのテストのLTX側は旧バージョンのLTX-Video 0.9.5です。「LTXの方が速い」という順位は参考になりますが、倍率そのものは現行版と同じではない点にご注意ください。

同じテストのスコアリングでは、Wan 2.2が当時のオープンモデル中で最高のモーション安定性スコア(8.7)を獲得し、LTX-Video 0.9.5(7.9)を上回りました。あくまで旧版との比較である点は押さえておいてください。


実際に両方使っている人たちのリアルな声

ローカルで両方を動かしているユーザーの声は、上記の実測結果とほぼ一致します。

RTX 5090で両モデルを運用しているあるユーザーは、こう語っています。「Wanの方がモーション・人体描写・品質で優れているか? 間違いなくそうだ。でもWan 2.2で1本作る時間でLTXVなら3本半作れるなら、それは大きなアドバンテージだ」。その方の実測タイムは、10秒・720pのクリップでWan(FP8)が9分、LTX(BF16)が2.5分。しかもLTX側は24fpsで音声付きです。

Wan 2.2が優れているとよく挙げられる点

  • 顔と体の一貫性:特に画像から動画を生成するi2v(image-to-video)で強い。LTXは「i2vで被写体が全く別人になってしまう問題にかなり苦戦している」との声
  • 人体の描写精度:LTXは画面に複数人が登場すると、目やまぶたの描写が崩れやすい
  • エコシステムの充実:コミュニティの標準として長く使われてきたぶん、LoRA(追加学習データ)やチェックポイントの蓄積が圧倒的

LTX-2.3が優れているとよく挙げられる点

  • とにかく速い:言及しているすべての投稿で挙がる最大の武器
  • 音声を同時生成できる:映像と同期した音を1回の処理で生成。「これだけで決め手になる」というユーザーも複数
  • 長尺のワンショットに強い:あるユーザーは音声付き20秒のフルHD動画を生成。「Wanでは非常に複雑なワークフローを組まない限り不可能」とのこと
  • 量子化版なら比較的軽い環境でも動く:fp8やnvfp4のチェックポイントを使い、公称要件より小さいVRAM環境で動かせたという報告があります。ただし条件によって結果は大きく変わるため、数値は参考程度に捉えてください

LTXの弱点として繰り返し指摘されるのは「プロンプト追従性」

「プロンプトへの忠実度がかなり低い」「予測不能すぎる」といった声が目立ちます。

💡 対処法として多くのユーザーが行き着いているのが、「生成前にプロンプトをLLMに書き直してもらう」という方法です。 曖昧な日本語の指示をそのまま英語に直訳するのではなく、被写体・カメラワーク・光の状態・質感などを具体的に描写した英文プロンプトに整えてもらうと、成功率がぐっと上がります。

見逃せない「今後の伸びしろ」の差

もうひとつ重要な視点があります。Wanの基盤となる動画生成モデルのオープンリリースは2.2が最新のままで、エコシステムは成熟しているものの、モデル本体の更新は止まっています(音声駆動のS2VやAnimate、Wan-Dancerといった派生モデルはApache 2.0での公開が続いています)。一方でLTXは基盤モデル自体のオープンなリリースと新しいLoRAが出続けています。Wanで2,000時間以上の実績を持つあるユーザーは、「現時点で、LTXは自分にとって完全にWANを置き換えた」と述べています。


「オープンソース」なのはどっち?ライセンス徹底解説

ここはビジネス利用を考えているなら絶対に押さえておきたいポイントです。動画生成モデルの世界では、「オープンウェイト」と「オープンソース」はまったく別物だからです。

用語意味
オープンウェイト(Open Weights)学習済みモデルのデータ(チェックポイント)をダウンロードして動かせる、という意味。あくまで”入手して実行できる”だけ
オープンソース(Open Source)ライセンス上、利用・改変・商用プロダクトへの搭載が自由にできる状態。承認制・地域制限・売上条件などの縛りがない

Apache 2.0はこの基準を満たします。しかし「年間売上1,000万ドル以上は有償」といった条件や、特定の国での利用除外があるライセンスは満たしません。あくまでこの基準で判定した場合ですが、主要なオープンウェイト系(Wan、Hunyuan、LTX)のうち、条件を満たすのはWan 2.2だけということになります。

主要モデルのライセンス一覧

モデルライセンスオープンソース判定注意点
Wan 2.2Apache 2.0該当なし。生成物への権利主張もなし
LTX-2 / LTX-2.3LTX-2 Community License非該当年間売上1,000万ドル以上は有償契約が必要
HunyuanVideoTencent Hunyuan Community License非該当EU・英国・韓国では利用不可
HunyuanVideo-1.5Tencent Hunyuan Community License非該当EU・英国・韓国では利用不可
Mochi 1Apache 2.0該当なし
CogVideoX2BはApache 2.0、5Bは独自2Bは該当/5Bは非該当5BモデルはCogVideoX Licenseの対象
Open-Sora 2.0Apache 2.0該当なし

Wan 2.2のライセンスは非常にシンプルです。Apache 2.0であることに加え、READMEにはAlibabaが生成コンテンツに対していかなる権利も主張しないと明記されています。

※ 一方のLTX-2 Community Licenseでは、「Commercial Entities(商用事業者)」を年間売上1,000万ドル(約16.4億円)以上の企業と定義し、Lightricks社から有償の商用ライセンスを取得することを求めています。そして、その契約なしの商用利用は「厳格に禁止」と記載されています。

なお、Lightricks社自身のFAQではLTX-2.3を「ライセンスのもとで無料かつオープンソースとして利用可能」と説明していますが、法的に拘束力を持つのは上記のライセンス本文です。契約前には必ず原文をご確認ください。

質問者

無料でダウンロードして動かせるなら、それはもう「オープンソース」なのでは?と思ってしまうのですが、何が違うんですか?

回答者

ここは「入手できるか」と「何に使っていいか」がまったく別の話だと考えるとスッキリします。楽譜が無料で公開されていても、それを使ってコンサートを開いて収益を上げていいかどうかは、別途ライセンスで決まりますよね。それと同じ構造です。オープンウェイトは前者、つまり「モデルのデータを入手して自分の環境で動かせる」という意味しかありません。一方オープンソースは、後者まで含めて自由が保証されている状態を指します。


必要なスペックは?モデル別VRAM早見表

2026年7月時点で押さえておくべきオープンモデルは、Wan 2.2、LTX-2/2.3、HunyuanVideo-1.5の3系統。Mochi 1、CogVideoX、Open-Soraはそれ以前の世代です。

※ ベンダー側は必要スペックを前面に出してくれないことが多いので、ここでまとめておきます。

モデルパラメータ規模動作に必要なVRAM
Wan 2.2 A14B27B MoE(うち14Bが稼働)量子化で6〜8GB/FP16なら54〜65GB
Wan 2.2 TI2V-5B5B24GB
Wan 2.1 T2V-1.3B1.3B8.19GB
LTX-2.320.9BRTX 5090 1枚(32GB)が公称の目安。量子化版はより小さい構成での動作報告もあり
HunyuanVideo-1.58.3Bオフロード併用で14GB
Mochi 110B60GB(ComfyUI経由なら20GB未満)
Open-Sora 2.011BH100 1枚で60.3GB

Wan 2.2の構造をもう少し詳しく

Wan 2.2の14Bモデルは、2つのエキスパートを持つMoE(Mixture of Experts=混合エキスパート方式。処理ごとに必要な部分だけを動かす仕組み)です。総パラメータは27Bですが、1ステップで実際に動くのは14Bぶんだけ。

  • GGUF量子化+T5テキストエンコーダーのCPUオフロードで6〜8GBでも動作
  • FP16では54〜65GBが必要
  • 公式リポジトリのシングルGPU用コマンドは80GB以上を要求

💡 VRAMを圧迫している主犯は、大型のT5-XXL(umT5-XXL)テキストエンコーダーです。重みだけで10GB前後を占めるため、ここをCPU側に逃がせるかどうかが、低VRAM環境で動かせるかの分かれ目になります。

小型版のWan TI2V-5Bなら、24GBのRTX 4090で720p・24fpsを生成でき、5秒クリップが9分以内。さらにWan 2.1の1.3Bモデル(8.19GB)は、今もこのファミリーで最も軽量な選択肢です。

LTX-2.3とHunyuanVideo-1.5

LTX-2.3は公称20.9Bパラメータのモデルで、映像と同期した音声を1回のパスで生成できるのが最大の特徴(Hugging Faceで配布されているチェックポイント名は「22b」表記です)。フル版のdev(bf16)チェックポイントと8ステップの蒸留版に加え、fp8・nvfp4といった量子化版も提供されており、Hugging Faceでは公開直後から多くのダウンロードを集めています。ベースとなるLTX-2は19B版です。ローカル実行環境(LTX Desktop)の公称要件はVRAM 32GB(RTX 5090クラス)とされています。

HunyuanVideo-1.5は3系統の中で最も軽量です。8.3Bパラメータ、モデルオフロード有効時で最低14GB、ステップ蒸留版(480p・i2v)を使えばRTX 4090 1枚で75秒以内に動画を生成できます。

ダウンロード前に知っておきたい3つの落とし穴

  1. 「Wan 2.7のオープンウェイト」を謳うページはSEO目的の偽情報です。 公式のWanオープンウェイト(基盤の動画生成モデル)は2.2が最新です。
  2. 「快適に動く」ラインは宣伝文句よりずっと高い。 あるユーザーいわく「各種の動画モデルは、快適に動かすなら本当は80GB超のVRAMカードが欲しい」。低VRAMで動くという数字は、Wan2GPのようなコミュニティプロジェクトによるもので、これはWanを6GB程度でも動かせるようにしたものです。
  3. AMDユーザーは要注意。 ROCm環境での動画生成は不具合やメモリ不足(OOM)が多いと報告されており、実質的に「ローカルで動く=NVIDIA環境で動く」と考えたほうが安全です。


GPUがない場合の選択肢|ホスティング型APIを使う

ローカル環境を用意するのが難しい場合は、ホスティング型のAPI経由で両モデルを使う方法もあります。本記事の実測に使ったMagic HourのAPIもそのひとつで、この2つのオープンモデルに加えてクローズドモデル(Kling、Veo、Seedance、Sora)を同じリクエスト形式で扱え、モデルの切り替えはmodelフィールドの値を変えるだけです。

選べるモデルとそのスペックは以下のとおりです(image-to-videoエンドポイント基準・2026年7月時点。text-to-video側は選べるモデル名が少し異なるため、最新の一覧は公式ドキュメントでご確認ください)。

モデル別スペック比較

モデルウェイト最大解像度1ジョブの最大尺音声
ltx-2.3オープン1080p30秒あり(追加クレジット不要)
wan-2.2オープン1080p15秒なし
kling-2.5クローズド1080p10秒あり(追加クレジット不要)
kling-3.0クローズド4K15秒あり(追加クレジット必要)
veo3.1クローズド1080p56秒あり(追加クレジット必要)
veo3.1-liteクローズド1080p56秒あり(追加クレジット必要)
seedance-1.5クローズド1080p12秒あり(追加クレジット必要)
seedance-2.0クローズド720p15秒あり(追加クレジット不要)
seedance-2.0-miniクローズド720p15秒あり(追加クレジット不要)
sora-2クローズド720p60秒あり(追加クレジット不要)

※ 最新の一覧は公式ドキュメントでご確認ください。

オープンモデル2つはどちらも1080pに到達しており、4K出力ができるのはkling-3.0だけ。尺はltx-2.3が30秒までなのに対しwan-2.2は15秒まで。そしてwan-2.2は、この一覧の中で唯一まったく音声を生成しないモデルです。

料金の目安

プラン内容
無料400クレジット+毎日100クレジット。576px上限・透かし入り
サブスクリプションCreator 2,400円/月(10,000クレジット)〜
クレジットパック1,000クレジットあたり3.00ドル。不足分の追加購入用
従量課金1,000クレジットあたり0.90〜2.50ドル(ティア別)。現時点ではセルフサービス非対応

※ 本記事の実測「1本0.72ドル(約118円)」はクレジットパック単価での計算です。
※ 最新の料金は公式ドキュメントをご確認ください。

API経由では手に入らないもの

公平を期すために、ホスティング型APIの制約も整理しておきます。要するに**「ハードウェア不要」と引き換えに「細かい制御」を手放す**トレードオフです。

  • 提供されるオープンモデルは2系統まで。HunyuanVideo、Mochi、CogVideoX、Open-Soraは非対応
  • チェックポイント、LoRA、カスタムウェイトの持ち込み不可
  • 量子化の選択、ステップ数、シード値の指定も不可
  • モデル自体の制約はそのまま適用される(例:wan-2.2はAPI経由でも音声を生成しません

LoRAでのファインチューニング、非対応モデルの利用、パラメータレベルの制御が必要なら、迷わずセルフホストを選びましょう。その場合に必要なハードウェアは、上のVRAM早見表をご参照ください。


結局、どちらの上にプロダクトを作るべきか

🎯 プロダクトとして作り込むなら → Wan 2.2
🎯 試行錯誤の速さ、15秒超の尺、音声込みが必要なら → LTX-2.3(年間売上1,000万ドル未満、またはLightricks社との商用契約を結ぶ意思がある場合)
🎯 4K出力や、映画品質の最高峰が必要なら → クローズドモデル

Wan 2.2を推す理由:ライセンスとモーション

Apache 2.0が意味するのは、地域による除外なし、売上による条件発動なし、承認プロセスなし、そして生成物への権利主張なしという4つの「なし」です。ビジネスの土台としては、これ以上ないほど安心できる条件と言えます。

さらに前掲のRTX 4090での比較テスト(LTX側は旧版のLTX-Video 0.9.5)では、当時のオープンモデル中で最高のモーション安定性スコアを記録しました。加えて、80GBのデータセンター用カードから6GBのコンシューマー向けカードまで、3系統の中で最も幅広いハードウェアに対応しています。

LTX-2.3を推す理由:スループットと今後の伸びしろ

同じクレジット単価でテストクリップを約6倍速く返し、Magic Hour API上ではwan-2.2が15秒で止まるところを30秒まで走り、しかも追加クレジットなしで同期音声を付けてくれます。

そして何より、基盤となる動画生成モデルのオープンリリースを更新し続けているのはLTX側です。Wanの基盤モデルのオープンウェイトは2.2が最新のままなので、実務家が指摘する画質の差は、LTX側がこれから埋められる可能性があります。

※ ただし、導入前に必ずライセンスの売上しきい値を確認してください。ここを見落とすと、後から契約交渉が必要になります。


よくある質問(FAQ)

Q1. LTX-2.3はWan 2.2より優れているのですか?

どちらか一方が圧勝という関係ではありません。Wan 2.2はモーション・人体描写・顔の一貫性で優れ、LTX-2.3は約6倍高速で同期音声が付き、Magic Hour API上ではwan-2.2が15秒で止まる場面でも30秒のクリップを生成できます。両方を使いこなしている実務家の多くは、普段の制作はLTX-2.3で回し、リアリティや被写体の一貫性が勝負を分ける案件だけWan 2.2に切り替えるという運用をしています。

Q2. 最良のオープンソース動画生成モデルは何ですか?

Wan 2.2とLTX-2.3、そしてやや後ろにHunyuanVideo-1.5が続きます。プロダクトの土台にするならWan 2.2が有力で、Apache 2.0かつ計測上のモーション品質もトップクラス。速度ならLTX-2.3で、5秒・720pのテストクリップを45秒未満で返し、同じクレジット単価でwan-2.2の約6倍の速さを記録しました。

Q3. 「オープンソースのAI動画生成ツール」として一番良いのは?

「商用プロダクトを出荷できるライセンスであること」をオープンソースの条件とするなら、答えはWan 2.2です。Apache 2.0であり、Alibabaは生成物への権利を主張していません。一方、「ダウンロードして動かせればいい(オープンウェイトで十分)」ということであれば、LTX-2.3の方が速く音声も付きます。ただし年間売上1,000万ドル以上の企業はLightricks社との有償契約が必要です。

Q4. LTX-2はオープンソースですか?

いいえ。LTX-2およびLTX-2.3は、LTX-2 Community Licenseのもとで公開されたオープンウェイトです。このライセンスでは、年間売上1,000万ドル以上の企業に有償の商用ライセンス取得を義務づけています。逆に言えば、そのしきい値を下回る企業や個人は、ライセンス条件のもとで無償で商用利用できます。

Q5. Wan 2.2にはどれくらいのVRAMが必要ですか?

  • テキストエンコーダーをオフロードした量子化14Bモデル:6〜8GB
  • FP16での実行:54〜65GB
  • 公式リポジトリのシングルGPU用コマンド:80GB以上
  • 5B版:24GBのRTX 4090で720p・24fpsが動作

Q6. GPUがなくてもオープンな動画生成モデルを使えますか?

はい、ホスティング型のAPIを使えば可能です。Magic Hourはwan-2.2とltx-2.3の両ファミリーを、クローズドモデルと同じエンドポイントから提供しています。実測では5秒・720pのクリップがどちらも240クレジット、クレジットパック単価で0.72ドル(約118円)でした。


まとめ|まずは同じプロンプトで”6倍の差”を確かめてみてください

ここまで読んでいただいた内容を、最後にもう一度整理します。

画質・モーション・ライセンスの安心感で選ぶならWan 2.2(Apache 2.0、生成物への権利主張なし)
速度・音声・長尺で選ぶならLTX-2.3(約6倍高速、Magic Hour APIでは最大30秒、同期音声付き)
売上1,000万ドル以上の企業はLTXの商用ライセンスが必須、ここだけは必ず事前確認を
迷ったら「LTXで量産、Wanで仕上げ」の合わせ技が最も実用的

とはいえ、スペック表をいくら眺めても、あなたの作りたい映像に合うかどうかは分かりません。大切なのは、実際に同じプロンプトを両方に投げて、出力を自分の目で見比べることです。

ハードウェアが揃っているならセルフホストで、そうでなければホスティング型のAPIで。どちらの入り口でも、同じプロンプトをltx-2.3とwan-2.2の両方に投げて出力を並べてみれば、速度と画質のトレードオフは数分で体感できます。

この記事の著者

Runbo Liのプロフィール写真

Runbo Li

Magic Hour共同創業者兼CEO。Y Combinator採択歴を持つ起業家。

AI動画生成プラットフォーム「Magic Hour」の共同創業者兼CEO。Y CombinatorのWinter 2024バッチに採択された実績を持つ起業家である。Meta(旧Facebook)ではデータサイエンティストとして、新規プロダクト開発部門「New Product Experimentation(NPE)」にて0→1のコンシューマー向けソーシャルプロダクトの開発に従事した経験を有する。

この記事は著者の許可を得て公開しています。

元記事:LTX-2.3 vs Wan 2.2: the two open video models compared

この記事の監修・コメント

池田朋弘のプロフィール写真

池田朋弘(監修)

Workstyle Evolution代表。18万人超YouTuber&著書『ChatGPT最強の仕事術』は4万部突破。

株式会社Workstyle Evolution代表取締役。YouTubeチャンネル「いけともch(チャンネル)」では、 AIエージェント時代の必須ノウハウ・スキルや、最新AIツールの活用法を独自のビジネス視点から解説し、 チャンネル登録数は18万人超(2025年7月時点)。

主な著書:ChatGPT最強の仕事術』、 『Perplexity 最強のAI検索術』、 『Mapify 最強のAI理解術』、 『Gemini 最強のAI仕事術

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