
2025/07/22(火)
Googleが開発したワークフロー作成ツール「Opal」が、ついに日本語に対応しました。以前は英語版のみの提供でしたが、現在は日本語での入力・操作が可能となり、プログラミング知識がなくても自然言語だけでAIワークフローを構築できる画期的なツールとして注目を集めています。
このツールの最大の魅力は、「新しいAIの知識を入力したら、これを非常に分かりやすく整理してくれた上でGoogleスライドの説明資料にしてくれる」といった複雑な要求を、たった一文で伝えるだけで自動的にワークフローを生成してくれることです。
本記事では、実際にOpalを使用した体験をもとに、その機能性、使い方、そして今後の可能性について詳しく解説していきます。
目次
Google Opalは、Googleが開発したノーコードAIワークフロー作成ツールです。2025年7月に米国で実験的にリリースされ、その後日本を含む15カ国に展開されました。
このツールの革新的な点は、「バイブコーディング(Vibe Coding)」と呼ばれる手法を採用していることです。従来のプログラミングのようにコードを書く必要がなく、自然言語で「こんなことをしたい」と伝えるだけで、AIが自動的にワークフローを構築してくれます。
日本語対応により、「ユーザーが入力した要件を満たすAIサービスをディープリサーチし、ディープリサーチした結果を適切な比較軸を作ったスプレッドシートとして出力する」といった複雑な処理も、日本語で直感的に指示できるようになりました。
実際にOpalを使用してみると、その便利さが実感できます。例えば、「AIアライメント」という概念について調べたい場合、以下のような流れで処理が進みます:
このプロセス全体が数分で完了し、手動で行えば数時間かかる作業を大幅に短縮できます。ただし、現時点では生成されるスライドは「だいぶライト」な内容となっており、詳細な資料作成には追加の調整が必要です。
Opalの優れた点の一つは、生成されたワークフローを後から柔軟に編集できることです。初期生成されたワークフローは「バージョン1」として保存され、そこから以下のような調整が可能です:
特に印象的なのは、「画像生成で調査結果を表現する1枚の画像を作って表示して」といった追加要求を自然言語で伝えるだけで、右側のステップに新しい処理が追加される点です。この言葉でどんどん足していける機能は非常に楽で、従来のワークフロー作成ツールとは一線を画します。
またOpalのディープリサーチ機能は、以前の英語版と比較して大幅に改善されています。以前は10分以上かかっても処理が完了しないケースがありましたが、現在は数分でスピーディーに処理が完了します。
ディープリサーチの処理過程も進化しており、以前は1つの大きな処理でしたが、現在は多段階で本当に検索して戻すという試行的なアプローチに変更されています。これにより、より精度の高い調査結果を得られるようになりました。
調査結果は適切にフォーマットされ、Gemini 2.5 Flashを使って表形式に整理されます。この一連の処理により、複雑な比較表も短時間で作成できるようになっています。
日本語対応により大幅に使いやすくなったOpalですが、いくつかの課題も存在します:
最も顕著な問題は、「油断するとすぐ英語になってしまう」点です。日本語で入力しても、処理の途中で英語出力に切り替わってしまうケースが頻発します。そのため、「全てアウトプットは日本語でお願いします」といった明示的な指示を毎回含める必要があります。
スプレッドシート作成機能では、シート名の日本語対応が不完全で、「シート1」といった英語ベースの名前でないとエラーが発生する場合があります。これは英語版がベースとなっているシステムの制約によるものと考えられます。
複雑なワークフローでは、途中の処理でエラーが発生し、期待した出力が得られないケースがあります。特にGoogleサービスとの連携部分で問題が生じやすい傾向があります。
現在、OpenAIのエージェントキットやDifyなど、様々なワークフロー作成ツールが存在しますが、Opalには独自の優位性があります:
特徴 | Google Opal | 他のツール |
---|---|---|
初期設定の簡単さ | 自然言語で一発生成 | 手動でノード配置が必要 |
修正の容易さ | 会話形式で追加・変更 | GUI操作が中心 |
学習コスト | 極めて低い | 中〜高程度 |
Googleサービス連携 | ネイティブ対応 | API経由で制限あり |
特に、「言葉でバンバン直していく」という操作性は、知る限り今のところこのOpalが一番スムーズに動いて簡単という印象があります。この直感的な操作性は、ワークフロー作成の敷居を大幅に下げる要因となっています。
Google Opalの日本語対応は、AIワークフロー作成の民主化において重要な一歩です。現時点では荒削りな部分もありますが、言葉だけでワークフローを作れて、言葉で修正できるという体験は非常に快適で、今後の可能性を強く感じさせます。
主なポイントをまとめると:
他のツールも今後、同様の機能を追加していくと予想されますが、Opalが示した「言葉で処理していく」というアプローチは、ワークフロー作成の新しいスタンダードになる可能性があります。実験段階の現在でも十分に価値のあるツールですが、正式版のリリースが非常に楽しみです。
本記事の内容は、以下の資料も参考にしています:
Google Opalは、Googleが開発したノーコードAIワークフロー作成ツールです。自然言語で指示を出すだけで、AIが自動的にワークフローを構築してくれるため、プログラミングの知識がなくても利用できます。
はい、Google Opalは日本語に対応しています。日本語での入力や操作が可能になり、日本語で複雑な処理を指示することもできます。
Google Opalを使うと、例えば「新しいAIの知識を入力したら、これを非常に分かりやすく整理してGoogleスライドの説明資料にしてくれる」といった複雑な要求を、自然言語で指示するだけで自動的にワークフローを生成できます。また、生成されたワークフローは後から編集することも可能です。
Google Opalのメリットは、自然言語で簡単にワークフローを作成・修正できる点です。初期設定が簡単で、会話形式でステップを追加・変更できるため、学習コストが低く、Googleサービスとの連携もスムーズに行えます。
Google Opalの課題点として、言語設定が不安定で英語に切り替わってしまう場合があること、スプレッドシート作成機能でシート名の日本語対応が不完全な場合があること、複雑なワークフローでエラーが発生しやすいことなどが挙げられます。
Workstyle Evolution代表。18万人超YouTuber&『ChatGPT最強の仕事術』著者。
株式会社Workstyle Evolution代表取締役。YouTubeチャンネル「いけともch(チャンネル)」では、 AIエージェント時代の必須ノウハウ・スキルや、最新AIツールの活用法を独自のビジネス視点から解説し、 チャンネル登録数は18万人超(2025年7月時点)。