たとえば、ChatGPTでダイニングテーブルの広告を見かけたとします。気になるけれど、うちの部屋に入るのか、何人座れるのか、手入れは楽なのか。広告だけでは分かりません。
OpenAIは米国時間の9月16日、その疑問を広告の場でそのまま聞ける仕組み「Sponsored Agents」のテストを始めたと発表しました。広告をクリックすると、企業がスポンサーする専用のAIと会話を始められます。
この記事では、Sponsored Agentsを中心に、同時に発表された広告主向けの機能も含めて、何が変わったのか、広告主の仕事はどこへ移るのかを整理します。
目次

OpenAIの公式発表は、ChatGPT広告の新機能をまとめた内容でした。4つの新機能に分けて見ていきます。
1つ目は「Sponsored Agents」です。広告をクリックしたあと、企業がスポンサーする専用のAIエージェントと会話できます。
2つ目は、ChatGPTの中で広告を作れる機能です。「Ads Managerプラグイン」に自然な言葉で指示するだけで、キャンペーンの作成・更新・分析ができます。
3つ目は、広告の管理画面に入るAIの制作支援です。広告のクリック先のページと目的から、広告文と画像をAIが提案します。会話の文脈に合わせた文言の自動調整と自動翻訳も、ここに含めます。
4つ目は、HubSpotとShopifyとの連携です。OpenAIにとって、初のCRM(顧客管理)パートナーと、初のEC(ネット販売)パートナーにあたります。
なお、Sponsored Agentsは米国の一部の広告主でテスト中の段階で、日本ではまだ使えません。ただ、そのうち日本にも来るでしょう。
ChatGPT広告そのものは、2月に米国で試験が始まってから約4か月後の6月に、日本でも試験が始まりました。僕の見立てですが、Sponsored Agentsも、年内くらいには日本で使えるようになるのではないでしょうか。

Sponsored Agentsの流れは、次のとおりです。広告を見て、クリックして、会話を始めるかを選びます。始めたら、自分の条件を伝えて質問し、納得したら企業のサイトへ進みます。
OpenAIが例に挙げたのは、ダイニングテーブルです。部屋に収まるのか、何人座れるのか、表面の手入れはどうするのか。そうした疑問を、広告の場で企業のAIに聞けます。
大事なのは、会話を始めるかどうかは利用者が選ぶ点です。広告を見ただけで会話が始まるわけではありません。
従来のバナー広告は、クリックすると企業のページへ移るのが基本でした。疑問が残れば、ページの中で答えを探すことになります。Sponsored Agentsは、そのクリックのあとの空白を、対話で埋める仕組みだと思います。

OpenAIは、Sponsored Agentsとの会話をはっきりラベル表示すると説明しています。ChatGPT自身の独立した回答とは区別され、利用者が最初に始めた会話からも切り離されます。
この分離が守っているのは、ChatGPTの通常の回答が特定の広告主に左右されない、という信頼だと思います。会話が地続きだと、どこまでが中立な情報で、どこからが宣伝なのか、読み手には分からなくなるからです。
一方で、分からないこともあります。分離が画面上のラベルだけなのか、会話の情報そのものを遮断しているのか。発表本文には書かれていません。
ChatGPTの独立した回答と、広告の会話を分ける。この線引きが保たれるかどうかが、この仕組みの信頼を左右します。

Sponsored Agentsは、会話が続く広告です。そのため、向き不向きも、会話が続くかどうかで決まるのではないでしょうか。
相性がよいのは、サイズや仕様、手入れのように、具体的な質問が生まれる商品です。家具や家電のように、検討に時間をかける買い物が当てはまります。
反対に、以前の記事で整理したとおり、見た目のインパクトで衝動買いを促す商品や、大量に見せたい認知広告は、現状ではGoogleやMetaのほうが得意です。クリック後に長い入力や営業面談が必要な高額サービスも、会話の途中で関心が冷めやすくなります。
質問が生まれる買い物。この条件を、自社の商材に当てはめてみるのが最初の一歩です。
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広告を出す側にも、AIが入ってきます。広告主は、ChatGPTの中で、ウェブサイトやブリーフ(広告の目的や条件をまとめた資料)をもとに、キャンペーンを作れます。成果の把握や、次にやることの提案も、同じ画面で受け取れます。
広告文と画像の提案は、広告主が確認・編集してから、採用するかを選ぶ仕組みです。文言の自動調整と自動翻訳は、広告主が自分で有効にしたときだけ動く、オプトインの機能です。
プラグインで作ったキャンペーンを、公開前にどう確認するのかは、発表には書かれていません。ただ、AIが案を出すほど、確認する量も増えます。
作る時間は減っても、「出してよいか」の判断は残る。その判断の質が、成果を左右するようになります。
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Ads Managerが変えるのは、広告づくりの中身です。HubSpotとShopifyとの連携が変えるのは、その作業を行う場所です。
HubSpotでは、ChatGPT広告のアカウントを接続し、広告の作成、成果の追跡、リード(見込み客)への対応まで、HubSpotの中で行えます。
Shopifyでは、米国の販売者が、アプリストアのChatGPT Adsアプリから広告を管理できます。商品情報は、Shopify Catalogを通じて、すでにつながっています。
このアプリは、9月23日から国際展開される予定です。ただし、対象はChatGPT広告が使える市場です。日本が含まれるかは、発表からは分かりません。
OpenAIは、広告の成果が数字に変わる場所に、広告機能を置いたのではないでしょうか。CRMならリード、ECなら購入です。新しい画面を覚えさせるのではなく、普段の画面の中にAIを入れる。この動きは、広告に限りません。
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今回の発表は機能の登場であり、成果の実績はまだありません。自分の仕事に引き寄せて、次の3点を確認しておくとよいでしょう。
続報で見たい点も3つあります。課金の方式、参加している広告主の数と業種、そして会話の分離が実際の運用で信頼にどう効くか。いずれも、今回の発表では明らかになっていません。
会話が広告の入口になっても、通常の回答が広告主から独立しているうちは、便利な広告のままでいられると思います。その前提が崩れたとき、会話は「気づかれない広告」に変わります。
ChatGPTの広告をクリックしたあと、企業がスポンサーする専用のAIエージェントと会話できる仕組みです。OpenAIが米国時間の9月16日にテストの開始を発表しました。ダイニングテーブルの広告なら、部屋に収まるか、何人座れるか、手入れはどうするかといった疑問を、広告の場で企業のAIに聞けます。会話を始めるかどうかは利用者が選びます。
OpenAIは、この会話をはっきりラベル表示すると説明しています。ChatGPT自身の独立した回答とは区別され、利用者が最初に始めた会話からも切り離されます。ただし、分離が画面上のラベルだけなのか、会話の情報そのものを遮断しているのかは、発表本文には書かれていません。
現時点では使えません。米国の一部の広告主でテストしている段階です。ChatGPT広告そのものは、2月に米国で試験が始まってから約4か月後の6月に、日本でも試験が始まりました。Sponsored Agentsも年内くらいには日本で使えるようになるのではないでしょうか。課金の方式や参加している広告主の数は、今回の発表では明らかになっていません。
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