OpenAIのSponsored Agentsとは?ChatGPT広告から企業のAIと会話、広告の新機能4つ - 生成AIビジネス活用研究所

OpenAIのSponsored Agentsとは?ChatGPT広告から企業のAIと会話、広告の新機能4つ

2026年9月21日 2026年9月21日 AIの知識&トレンド

OpenAIのSponsored Agentsとは?ChatGPT広告から企業のAIと会話、広告の新機能4つ

  • OpenAIは、広告をクリックすると企業のAIと会話できる「Sponsored Agents」のテストを始めました。
  • 会話は通常の回答と別枠で表示され、広告主にはAIの制作支援やHubSpot・Shopify連携も加わります。
  • 米国の一部の広告主でのテスト段階で、日本ではまだ使えず、課金方式も明らかではありません。

たとえば、ChatGPTでダイニングテーブルの広告を見かけたとします。気になるけれど、うちの部屋に入るのか、何人座れるのか、手入れは楽なのか。広告だけでは分かりません。

OpenAIは米国時間の9月16日、その疑問を広告の場でそのまま聞ける仕組み「Sponsored Agents」のテストを始めたと発表しました。広告をクリックすると、企業がスポンサーする専用のAIと会話を始められます。

この記事では、Sponsored Agentsを中心に、同時に発表された広告主向けの機能も含めて、何が変わったのか、広告主の仕事はどこへ移るのかを整理します。

発表されたのは4つの新機能です

利用者側のSponsored Agentsと、広告主側のAds Managerプラグイン・AIの制作支援・HubSpotとShopify連携を、見る側と出す側に分けて示した4つの新機能の図

OpenAIの公式発表は、ChatGPT広告の新機能をまとめた内容でした。4つの新機能に分けて見ていきます。

1つ目は「Sponsored Agents」です。広告をクリックしたあと、企業がスポンサーする専用のAIエージェントと会話できます。

2つ目は、ChatGPTの中で広告を作れる機能です。「Ads Managerプラグイン」に自然な言葉で指示するだけで、キャンペーンの作成・更新・分析ができます。

3つ目は、広告の管理画面に入るAIの制作支援です。広告のクリック先のページと目的から、広告文と画像をAIが提案します。会話の文脈に合わせた文言の自動調整と自動翻訳も、ここに含めます。

4つ目は、HubSpotとShopifyとの連携です。OpenAIにとって、初のCRM(顧客管理)パートナーと、初のEC(ネット販売)パートナーにあたります。

なお、Sponsored Agentsは米国の一部の広告主でテスト中の段階で、日本ではまだ使えません。ただ、そのうち日本にも来るでしょう。

ChatGPT広告そのものは、2月に米国で試験が始まってから約4か月後の6月に、日本でも試験が始まりました。僕の見立てですが、Sponsored Agentsも、年内くらいには日本で使えるようになるのではないでしょうか。

広告をクリックすると、企業のAIと話せる

ダイニングテーブルの広告を見て、会話を始めるか選び、企業のAIに質問し、企業のサイトへ進むという4段階の流れを示す図

Sponsored Agentsの流れは、次のとおりです。広告を見て、クリックして、会話を始めるかを選びます。始めたら、自分の条件を伝えて質問し、納得したら企業のサイトへ進みます。

OpenAIが例に挙げたのは、ダイニングテーブルです。部屋に収まるのか、何人座れるのか、表面の手入れはどうするのか。そうした疑問を、広告の場で企業のAIに聞けます。

大事なのは、会話を始めるかどうかは利用者が選ぶ点です。広告を見ただけで会話が始まるわけではありません。

従来のバナー広告は、クリックすると企業のページへ移るのが基本でした。疑問が残れば、ページの中で答えを探すことになります。Sponsored Agentsは、そのクリックのあとの空白を、対話で埋める仕組みだと思います。

会話は「別枠」に分けられた

利用者が最初に始めた元の会話と、ラベル表示のあるSponsored Agentsとの会話が、点線の壁ではっきり分離されていることを示す図

OpenAIは、Sponsored Agentsとの会話をはっきりラベル表示すると説明しています。ChatGPT自身の独立した回答とは区別され、利用者が最初に始めた会話からも切り離されます。

この分離が守っているのは、ChatGPTの通常の回答が特定の広告主に左右されない、という信頼だと思います。会話が地続きだと、どこまでが中立な情報で、どこからが宣伝なのか、読み手には分からなくなるからです。

一方で、分からないこともあります。分離が画面上のラベルだけなのか、会話の情報そのものを遮断しているのか。発表本文には書かれていません。

ChatGPTの独立した回答と、広告の会話を分ける。この線引きが保たれるかどうかが、この仕組みの信頼を左右します。

向くのは、質問が生まれる買い物

サイズや手入れの疑問が生まれる家具・家電は向き、衝動買い・認知広告・高額サービスは向きにくいことを左右で比べた図

Sponsored Agentsは、会話が続く広告です。そのため、向き不向きも、会話が続くかどうかで決まるのではないでしょうか。

相性がよいのは、サイズや仕様、手入れのように、具体的な質問が生まれる商品です。家具や家電のように、検討に時間をかける買い物が当てはまります。

反対に、以前の記事で整理したとおり、見た目のインパクトで衝動買いを促す商品や、大量に見せたい認知広告は、現状ではGoogleやMetaのほうが得意です。クリック後に長い入力や営業面談が必要な高額サービスも、会話の途中で関心が冷めやすくなります。

質問が生まれる買い物。この条件を、自社の商材に当てはめてみるのが最初の一歩です。

▶︎ あわせて読みたい:ChatGPT Adsに向く商材、向かない商材——開始200日の実績から整理

広告主の仕事は「作る」から「確認する」へ

広告を自分で作っていたこれまでと、AIが案を出し広告主が確認・編集して採用を選ぶこれからを比べた図

広告を出す側にも、AIが入ってきます。広告主は、ChatGPTの中で、ウェブサイトやブリーフ(広告の目的や条件をまとめた資料)をもとに、キャンペーンを作れます。成果の把握や、次にやることの提案も、同じ画面で受け取れます。

広告文と画像の提案は、広告主が確認・編集してから、採用するかを選ぶ仕組みです。文言の自動調整と自動翻訳は、広告主が自分で有効にしたときだけ動く、オプトインの機能です。

プラグインで作ったキャンペーンを、公開前にどう確認するのかは、発表には書かれていません。ただ、AIが案を出すほど、確認する量も増えます。

作る時間は減っても、「出してよいか」の判断は残る。その判断の質が、成果を左右するようになります。

▶︎ あわせて読みたい:AIが案を作り、人が承認する——Anthropicのコマース設計図

HubSpotとShopifyが変えるのは「置き場所」

ChatGPT広告の作業が、HubSpotのリード対応の画面とShopifyの商品カタログの画面の中にそれぞれ組み込まれることを示す図

Ads Managerが変えるのは、広告づくりの中身です。HubSpotとShopifyとの連携が変えるのは、その作業を行う場所です。

HubSpotでは、ChatGPT広告のアカウントを接続し、広告の作成、成果の追跡、リード(見込み客)への対応まで、HubSpotの中で行えます。

Shopifyでは、米国の販売者が、アプリストアのChatGPT Adsアプリから広告を管理できます。商品情報は、Shopify Catalogを通じて、すでにつながっています。

このアプリは、9月23日から国際展開される予定です。ただし、対象はChatGPT広告が使える市場です。日本が含まれるかは、発表からは分かりません。

OpenAIは、広告の成果が数字に変わる場所に、広告機能を置いたのではないでしょうか。CRMならリード、ECなら購入です。新しい画面を覚えさせるのではなく、普段の画面の中にAIを入れる。この動きは、広告に限りません。

▶︎ あわせて読みたい:Slackの中にAIが働く職場をつくる——Slack Codeの狙い

明日から見ておきたい3点

会話で疑問が解ける商材か、連携で追える範囲、自動調整を許す範囲という3つの確認項目を並べたチェックリストの図

今回の発表は機能の登場であり、成果の実績はまだありません。自分の仕事に引き寄せて、次の3点を確認しておくとよいでしょう。

  • 自社の商材が、会話で疑問が解ける検討型か。お客さまがよく聞く質問を、3つ書き出してみる
  • HubSpotかShopifyを使っているなら、連携で追える範囲を確認する。Shopifyアプリの日本での提供は、発表からは分からないので、続報を待つ
  • 文言の自動調整や自動翻訳を、どこまで許すか。基準を先に決めておく

続報で見たい点も3つあります。課金の方式、参加している広告主の数と業種、そして会話の分離が実際の運用で信頼にどう効くか。いずれも、今回の発表では明らかになっていません。

会話が広告の入口になっても、通常の回答が広告主から独立しているうちは、便利な広告のままでいられると思います。その前提が崩れたとき、会話は「気づかれない広告」に変わります。

よくある質問(FAQ)

Q1. OpenAIのSponsored Agentsとは何ですか?

ChatGPTの広告をクリックしたあと、企業がスポンサーする専用のAIエージェントと会話できる仕組みです。OpenAIが米国時間の9月16日にテストの開始を発表しました。ダイニングテーブルの広告なら、部屋に収まるか、何人座れるか、手入れはどうするかといった疑問を、広告の場で企業のAIに聞けます。会話を始めるかどうかは利用者が選びます。

Q2. Sponsored Agentsとの会話は、ChatGPTの通常の回答と混ざりませんか?

OpenAIは、この会話をはっきりラベル表示すると説明しています。ChatGPT自身の独立した回答とは区別され、利用者が最初に始めた会話からも切り離されます。ただし、分離が画面上のラベルだけなのか、会話の情報そのものを遮断しているのかは、発表本文には書かれていません。

Q3. Sponsored Agentsは日本で使えますか?

現時点では使えません。米国の一部の広告主でテストしている段階です。ChatGPT広告そのものは、2月に米国で試験が始まってから約4か月後の6月に、日本でも試験が始まりました。Sponsored Agentsも年内くらいには日本で使えるようになるのではないでしょうか。課金の方式や参加している広告主の数は、今回の発表では明らかになっていません。

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