ChatGPT「dots」とは?OpenAIの常駐型AIエージェントを、最初の1か月で使い倒す方法 - 生成AIビジネス活用研究所

ChatGPT「dots」とは?OpenAIの常駐型AIエージェントを、最初の1か月で使い倒す方法

ChatGPT「dots」とは?OpenAIの常駐型AIエージェントを、最初の1か月で使い倒す方法

  • 常駐型AI「dots」は、頼まなくてもクラウド上で24時間先回りして動いてくれる。
  • 最初の1か月は会話が利用枠に数えられず、無茶ぶりして使い方を試せる。
  • 前提は月1.5万円のProプラン。無茶ぶりできる期間は最初の1か月に限られる。

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「常駐型AI」dotsは、頼まなくても動くChatGPT

「頼まなくても、クラウドで24時間先回りして動く」というdotsの特徴を示す解説イラスト

いけとも:今日のテーマは、OpenAIのDevDayで出てきた常駐型AIの「dots」と、その周りの発表です。

一番大きいのは、ChatGPTに加わった新サービスのdotsだと思っています。ただ、周りに聞いても「何ができるのか、今ひとつピンときません」という声が多いんです。

これまでのChatGPTは、僕らが何かお願いして初めて動くものでした。dotsは違います。クラウド上にいて、24時間いつでも、こちらが何も言わなくても動きます。

「メール送りましたか」「この予定、ありますよね」と、先回りして世話を焼いてくれる。頼まなくても動くエージェントです。

尾原:僕はdots祭りになっています。見る角度は2つあります。

1つは、常駐型AIエージェントが、みんなが使えるレベルに仕上がってきたこと。仕事のやり方がどう変わるのか、という観点です。もう1つは、短期的なバブルとしての側面です。

いけとも:具体的には、どんな使い方をされていますか。

尾原:dotsはクラウド上に、専用のコンピューターを用意してくれます。これまでの常駐型AIは、専用のパソコンを用意してセットアップするハードルがありました。それがいりません。

しかも、メールやスケジュールを先回りしてくれる「バーチャル秘書」のイメージだけではもったいない。

GitHubとGoogle Driveをつないでおけば、コード開発も、スライド資料の作成も、これまで通常のAIに頼んでいた仕事が、そのまま頼めます。

「最初の1か月」は、無茶ぶりするほど得をする

「最初の1か月は枠を気にせず、無茶ぶりして試せる」という期間限定の使い方を示す解説イラスト

尾原:dotsは、標準でGPT-6 Astraクラスで動きます。しかも最初の1か月、つまり10月末ごろまでは、dotsとの会話が利用枠に数えられません。

もちろん、月1.5万円のプラン(Proプラン)に入っていることが前提です。でも、なんでもできる状態に、今なっています。OpenAIは相当に大盤振る舞いをしているわけです。

いけとも:容量を気にせず、めちゃくちゃ無茶ぶりして、どんな使い方でもいけるからこそ、ということですよね。

尾原:そうそう。孫さんのすごさは、大風呂敷を広げられることもあるんですが、無茶ぶりできる超優秀なスタッフと、その無茶ぶりに対応する資金を調達してくる力だと思うんです。それを、この1か月だけ疑似体験できます。

これまでは、どうしても利用枠の設定を考えます。資料を作るなら、まず骨格を作って、テキストを入れて、シナリオを固めて、キーチャートを作って、ブレがなければ次へ。スモールステップで進めるわけです。

でも、無茶ぶりでいいと思えば、「判断しやすいように、完璧なプレゼン資料の形で、3つのシナリオで作っておいて」とお願いできます。

承認コストや判断コストが下がる。無茶ぶりできるというのが、体感できるんです。

いけとも:とりあえず投げておいて、いらなければ消せばいい、と思えるわけですね。

尾原:ここまで無茶ぶりしても、意外とブレないんだ、という感覚が分かってくる。この感覚づくりが、めちゃくちゃいいなと思います。

OpenAIが今、ヘビーユーザーを囲い込む理由

「上場前の今、赤字覚悟でヘビーユーザーを囲い込む」というOpenAIの狙いを示す解説イラスト

尾原:この大盤振る舞いには、戦略的な意味が2つあると思っています。

1つは、ヘビー課金ユーザーを、いかに先に囲い込むかという競争です。もう1つは、サム・アルトマンの野望が変わっていなければ、ユーザー側の「スーパーAIコンシェルジュ」、つまりAIポータルになっていくということ。そこに弾みをつけたい。

さらに、Anthropicの上場が、おそらく11月の感謝祭の前あたりです。そこで、OpenAIはちゃんとしている、Anthropic一辺倒じゃないんだ、という姿を見せたいはずです。

上場すれば、四半期ごとに決算資料を出さなければいけません。そうなると、大盤振る舞いをしにくくなる。だから、この3か月、特に10月までが、失敗してもコストじゃないと思えるゴールデンタイムです。

いけとも:赤字覚悟で使い倒してもらう、ということですね。

尾原:初期のアーリーアダプターは、何をやっても赤字になるんです。食べ放題がわかりやすい。すごい大食いの人が来ると、赤字になるかもしれません。

でも、そのお店が人気になると、気軽な人も使うようになります。全体で見れば、そんなにみんな食べ切るわけじゃない。月額でも、ちゃんと儲かります。

着メロもそうでした。月額300円で8曲ダウンロード、あるいはし放題。あれで枠を使い切る人の割合は、1割以下だったんです。

AIの利用コストは、年々ものすごい勢いで下がっています。今のうちに有料ユーザーを囲い込んでおけば、コストは後から下がってくる。上場が見える中で踏んでくるのは、正しい戦略判断だと思います。

「秘書」ではなく「AI主席補佐官」になった

「頼まなくても間違いに気づく、AI主席補佐官」という進化を示す解説イラスト

いけとも:次は、パーソナルコンシェルジュとしての価値について、自分で試して感じたことを話してもいいですか。

「AI秘書」とよく言いますが、僕の感覚では、秘書を大きく超えてAI主席補佐官のレベルになった、というのが一言です。

驚いたのは、こんなことです。メールで日程調整を送ったとき、10月14日の水曜日のつもりが、12月14日と書いてしまいました。

10分後に、dotsから「12月14日になっていますが、曜日が違います」と指摘されました。こちらは何も言っていないのに、つないでいるデータから文脈を把握して、先回りしてくれた。そこまで見ているのか、と思いました。

また、イベントが終わったら勝手に分析して提案したり、営業ミーティングのあとには次回への改善提言まで作ってきます。

尾原:それはヤバいですね。

いけとも:裏側では、相当なデータを整理しているはずです。皆さんにも再現できる方法があります。

ChatGPTに最近できた「Space」という機能があります。Notionのようなものです。ここに、「あなたが今把握している私の状況を、全部書き出してください」と頼みます。

すると、僕の場合は12個の大きな論点が出てきました。AI研究、ニュース、自作ツール、新しいコミュニティ。それぞれに「論点」「現状」「Next Action」が付きます。

そこで、「Next Actionの中で、一定のしきい値を超えたものだけチャットで出してください」と頼んであります。10個あったら1個しか出さない、くらいの調整です。その結果、「確かにそれ重要だよね」というものだけが届きます。

さらに、「キャッチアップしたら、そのページにどんどん貯めてください」と頼むと、10分から1時間くらいの単位で、新しく追いかけたことを教えてくれます。

普段チャットに出てくるのは、氷山の一角。裏では、何百個もの論点を整理して、そのうち刺さるものだけを出している。この仕組みが見えると、安心感がまるで違います。

秘書の視野は1日、主席補佐官の視野は長期

「秘書は1日・1週間の予定、主席補佐官は長期の論点を見る」という視野の違いを示す解説イラスト

尾原:秘書と主席補佐官の違いは、スコープです。

秘書が持っているのは、その日1日、その1週間のスコープです。サポートしている方のToDoを滑らかにして、失敗を減らす。

主席補佐官は、長期的な視野で、重要な論点を整理します。そのうえで、緊急なことも、優先順位をマネジメントしながら、先回りしてサポートしてくれます。

いけとも:僕は、1年前のChatGPT Pulseと比べて、進化を感じました。あれは、カレンダーなどを見ながら、今日はこの予定ですね、と浅く教えてくれるものでした。

尾原:Pulseとの違いは、A面とB面の進化だと思います。

常駐型AIエージェントの大きな役割は、まず、シグナルを拾うこと。今この瞬間のチャンスや、炎上する前に予防すべきリスクを拾う。これがA面です。

B面は、「あなたにとって、どのシグナルが重要か」を選ぶ力です。すべてのシグナルに対応していたら、人間の時間は足りません。

重要で緊急なものは、もちろん拾います。でも人間は、緊急じゃないけれど重要なことに、どうしても注意が向きにくい。『7つの習慣』で言われたことです。

長期的な自分の論点や方向性を見ながら、あなたにとって重要なシグナルを送り続ける。その力が、この1年でものすごく上がったということだと思います。

いけとも:もう1つ、面白いと思ったのは、複数アカウントへの対応です。ChatGPTのプラグイン接続が、最近、複数アカウントに対応しました。僕の場合、個人のGmailも会社のGmailも入っています。

そこに、先ほどのPulse的な先回りと、論点整理のレベル向上が重なって、注意が向きにくい範囲まで追ってくれるようになりました。

AnthropicはB2B寄り、OpenAIはB2C寄り。戦略の足場が違う

「Anthropicは企業向け、OpenAIは個人向けが足場」という戦略の違いを示す解説イラスト

尾原:OpenAIとAnthropicの違いは、シンプルに言うと、AnthropicはB2B寄り、OpenAIはB2C寄りです。

特にAnthropicは、年換算の売上でOpenAIを上回った、という報道もあります。ただ、MCPやスキルを出していた頃は、OpenAIとは全然遠い立場でした。

だから、まずOpenAIに独占させないために、オープンなMCPでモジュール化を進めた。徹底的に部品化して、企業が仕事をするときに、「営業のスキルがあります」「そのMCPにつなげます」と使える環境を、先に作ったんです。

それが効果的でした。バイブコーディングの能力にも力を集中して、B2Bを中心に収益を伸ばしてきました。

OpenAIは、B2Bのケアもしなければいけません。でも彼らの戦略の一番の足場は、ユーザー側の圧倒的なAIコンシェルジュ、AI主席補佐官になること。

そこで重要なのが、文脈をきっちり理解することです。「他の人はこうかもしれないけれど、いけともさんなら、これがプライオリティ高いですよね」。それができるように、文脈をちゃんと取って、その文脈に基づいて「あなたらしい答え」を返す。そこに、戦略のフォーカスが当たっていると思います。

DevDayで驚いた、OpenAIの「反応の速さ」

「Jevのような判断特化AIに、OpenAIが即対抗」という動きを示す解説イラスト

いけとも:DevDayで、ほかに注目されたものはありますか。

尾原:たくさんありますが、2つです。

1つ目は、OpenAIが、Jevのような判断特化のAIに、真っ向から対抗してきたこと。この反応の速さはヤバいな、と思いました。

OpenAIが本気になれば、3日くらいでクローンのようなものは作れるだろうと思っていましたが、本当にぶつけてくる。勝つためには何でもやる会社だな、と。

2つ目は、いけともさんも言っていた、ツール連携の話です。非常に便利ですよね。

ツールから ChatGPT を動かし、サブスクの枠で回す

「ツールの合図でChatGPTが動き、プラン枠で回せる」という仕組みを示す解説イラスト

いけとも:おっしゃる通りです。ほかにも気になる発表はあったんですが、ツール連携は、サブスクの枠を有効に活用する手段として、めちゃくちゃいいなと思いました。

これまでMCPは、ChatGPT側がツールにリクエストして、データを持ってきたり書き込んだりする使い方が中心でした。

今回は、MCP Eventsという仕組みが出ました。つないだツール側で何か起きると、それをきっかけに、決めておいた指示どおりにChatGPTが動き出せます。

もう1つが、Sign in with ChatGPTです。自分のChatGPTのプランの枠を、ほかのアプリから使えます。APIキーはいりません。

僕は自分のニュース収集ツールを作っています。これまでは、「どのモデルで、どう依頼すれば、1回数ドルくらいでいい文脈が出せるか」と、ケチって考え抜いていました。

今は、入力ツールで「これ重要」と押すと、ChatGPTに依頼が飛びます。気にせずエージェントで処理させて、Codexで結果を持たせる。あまり考えずに使えるようになりました。これは、めちゃくちゃいいです。

プランも、100ドルと200ドルの2段階に、500ドルが加わりました。200ドルのプランは枠が減ったので、500ドルを契約して、その中で使い倒せたら、かなりいいですよね。

尾原:この半年で、バイブコーディングによって、プログラムが全く分からなくても、独自ツールを作る負荷が本当に減りました。自分専用のダッシュボードを持つのは、AIをよく使う人なら当たり前になっています。

そこに、常設のAIエージェントが普及期に入ってきました。これを掛け算すると、独自ツールからAIをフックしにいく使い方になります。

これまでの常設AIエージェントは、1時間に1回聞きに行く、朝何時に動く、せいぜいメールが来たときだけ動く、というものでした。

でも、「どのタイミングで、何を動かすか」を、自分で作ったツールで好きなタイミングにかけられる環境を作らないと、そのAIは選ばれにくい。動かすタイミングを自分で握ることが大事になります。

尾原さんの「77論点」が、AIに渡した文脈で変わる

「AIの能力はモデルの性能より、渡した文脈で変わる」という結論を示す解説イラスト

いけとも:さっきのSpaceで、論点リストは出ましたか。

尾原:77論点が、7領域に整理されて出てきました。

いけとも:素晴らしい。「キャッチアップしたら全部足して」「別のノートにして」と頼むと、分割して動きが分かるので、これは面白いです。

尾原:最後に今日言いたいことは、AIの能力は、もはやモデルの性能ではなく、AIに渡した環境、特に文脈によるということです。

だから、この1か月のゴールデンタイムは、パスワード管理のように、万が一漏れたらヤバいものは渡さない。でも、漏れてもいいという範囲では、渡せるものは渡してみる。そうしたほうが、主席補佐官がプライオリティをマネジメントしてくれるので、いいんじゃないかという感覚です。

僕の場合は、お客さんの機密に当たらない、個人で探求しているテーマ群に限ります。Facebookの公開投稿や、自分自身の論点考察メモ。今まで利用枠の消費のために躊躇していたものを、全部データに入れる。

そうすると、最初の77個の論点が、その文脈を突っ込んだときに、どこまで精緻になるか。ビフォー・アフターを、いけともさんにも共有したいと思います。

いけとも:楽しみです。

尾原:踊るアホに見るアホ、どうせアホなら踊らにゃ損。そんな楽しい時代だと思います。

いけとも:分かりやすいです。一方で、逆張りで言うと、AIが勝手に情報を整理して、さっきのSpaceに書いてくれるんですが、外には出しにくくなるんですよね。Claudeも、最近はメモリにデータをためる方向を強めています。つまり囲い込みです。

でも、人間がきちんと要望すれば、そこまで絶対ダメとは言われません。何を読まれているのか、AIがどんなルートで判断しているのかを、こちらが見えるようにしながら使う。その感覚を持っておくと、ある時に切り替えたり、同じことを再現したりするときにも、構成が分かっているので応用が利きます。

尾原:そうですね。AIの本質は、人間より認知の範囲が広くて、人間が分からないくらいの多次元の軸の中から、新しいルールを探してくれることです。だから、どう身を預けるかという身体感覚を持っておくのが大事です。

自分の77個の論点が分かれば、自分らしさは保てます。そのうえで、いちばん遠い論点を10個挙げて、と頼めば、自分らしさを担保しながら、拡張もしてくれる。AIとダンスするように使っていく。これが大事だと思います。

いけとも:ぜひ、踊りながら、いい活用方法を見つけていきましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. dotsとは何ですか?

dotsは、OpenAIがDevDayで発表したChatGPT上の常駐型AIエージェントです。クラウド上に専用のコンピューターを持ち、24時間いつでも動きます。

GitHubやGoogle Driveをつなげば、コード開発やスライド資料の作成も頼めます。

Q2. dotsはいくらで使えますか?最初の1か月は何が違いますか?

月1.5万円のProプランに入っていることが前提です。最初の1か月、つまり10月末ごろまでは、dotsとの会話が利用枠に数えられません。

Q3. 「AI秘書」と「AI主席補佐官」は何が違いますか?

秘書が見るのは、その日1日やその1週間のスコープです。主席補佐官は、長期的な視野で重要な論点を整理し、緊急なことも優先順位をつけて先回りします。

尾原さんとの対談では、この違いを「秘書から主席補佐官へ」と語っています。

YouTube動画版はこちら:https://youtu.be/9HbWnA7WmEY

ポッドキャストできく:https://open.spotify.com/episode/5UIQiO94DCYlQtGzMmB3x4


新著(7/27発売)『Claude 最強のAI自動化術』:https://amzn.to/4eTUVG1

YouTube『いけともch』:https://www.youtube.com/@iketomo-ch

Podcast『いけとも尾原DeepなAIニュース』:https://open.spotify.com/show/3hGAbKZI5oo9PsbFI1IxTr

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