10月7日、AnthropicがClaude Haiku 5.5を公開しました。価格は、10万トークン以下の入力なら、100万トークンあたり入力が0.10ドル、出力が0.50ドル。Sonnet 5.5の約20分の1です。
では、この安いモデルにどんな価値があるのでしょうか。答えは、モデルを呼ぶ回数が多い3つの場所にあります。
サブエージェント、Mods、API。初めて聞く言葉も、それぞれの最初で解説しますので、安心してください。この順に見ていきます。

サブエージェントとは、メインのAIエージェントが仕事を分けて任せる、配下のエージェントです。本体を社長にたとえるなら、調べ物を引き受ける下請けにあたります。
Claude CodeやCodexに「競合10社を調べて、比較表にして」と頼むと、本体(メインエージェント)は配下にサブエージェントを5体、10体と同時に立ち上げて進めます。
調べた中身は下請けの机に広がり、本体の机(コンテキスト)には結果だけが戻ります。全部を本体でやると、調べた紙で机が埋まってしまいます。
ただし、モデルを指定しないと、下請けも本体と同じモデルで動きます。本体がOpusなら、調査も要約も校正も、すべてOpusです。
下請けが増えるほど、費用も積み上がります。

Haiku 4.5のころは、Haikuに任せられる仕事が少なく、下請けはほぼSonnet一択でした。探索と整形はHaiku、要約・分類・抽出・ログ確認・事実確認はSonnetという分担です。
Haiku 5.5では、このSonnetの5つがHaikuに移ります。10個の仕事のうち、7個がHaikuの担当になりました。
曖昧な解釈、設計判断、最終判定の3つは、Sonnetや本体に残ります。
本体のモデルは替えません。替えるのは下請けだけです。単価はSonnet 5.5の約20分の1なので、同じ仕事量でも、積み上がる費用が縮みます。

Haikuに出すのは、範囲が決まっていて、結果を検証できる軽い仕事です。4つあります。
探す。どのファイルにあるか、どこで使われているかを調べる仕事です。
絞る。長いログや出力から、失敗や要点だけを抜く仕事です。
仕分ける。同じ形の大量の文書を、要約・分類・抽出する仕事です。
確かめる。単発の事実確認、ブラウザの表示確認、読み取りだけの照会です。
複数の情報源の突き合わせや、別の目での検証はSonnetに。設計の判断、曖昧な依頼の解釈、原因の分からない不具合は、本体に残します。
本体は社長、Haikuは下請け。調べ物は下請けに、判断は社長に、という分け方です。
Anthropic自身も、Haiku 5.5をコーディング作業のサブエージェントとして使うことを勧めています。
設定は、Claude Codeに頼むだけで済みます。振り分けのルールの文を貼って「このルールで設定して」と頼むと、次の依頼から仕事の重さでHaikuに出し分けてくれます。

Modsとは、Claude Codeの画面や動きを、自分好みに作り替える拡張機能です。10月1日に公式機能として加わった、Claude Codeの内側で動く小さなプログラム(JavaScript/TypeScript)です。
できることは4つ。画面の右や下に利用状況などを出すペイン、スピナーやツールの行の差し替え、ツールを呼ぶ前後に処理を挟むフック、「/」で始まる自分のコマンドです。
ここからが本題です。このModsの中では、プログラムだけでなく、AIも呼べます。毎ターンSonnetで呼ぶと、1回ごとの費用が積み上がります。Haiku 5.5に替えれば、同じ回数でも単価は約20分の1です。
僕は自分用のModsを3つ使っています。
1つ目は、右のペインに出す利用状況です。プログラムだけで動き、AIは呼びません。

2つ目は、ここまでと次の一手のまとめです。毎ターン、Haikuを呼んでいます。

3つ目は、セッション名の付け替えです。こちらも毎ターン、Haikuです。

Modsの中の小さなAIは、Haikuで十分でした。
作り方は、作りたい動きを日本語でClaude Codeに頼むだけです。ただし、入れるのは信頼できるものだけにしてください。Modsは自分の権限で動きます。

APIとは、プログラムからAIを呼び出して使う仕組みです。チャット画面を開かなくても、自分のツールや仕組みの中にAIを組み込めます。
Haiku 5.5の価格は、入力0.10ドル、出力0.50ドル。GPT-6 Lunaも同じ価格です。旧Haiku 4.5の単価の10分の1で、米国系の最安クラスに、選択肢がもう1つ増えました。
安いだけではありません。Anthropicの発表では、GPT-6 Lunaとの比較が載っている項目は、すべてHaikuが上です。PC操作のOSWorldは約72%対約49%、端末操作のTerminal-Benchは約39%対約16%、コーディングのFrontierCodeは約46%対約42%です。Terminal-Benchは、推論を最大にしたときの値です。

安さには前提があります。入力が10万トークンを超えると、そのリクエスト全体が約5倍の単価になります。
GPT-6 Lunaは約27万トークンを超えると、入力が2倍、出力が1.5倍です。長い入力が多い用途では、Lunaのほうが安くなる場面があります。
対策は、長い資料を分割や要約してから渡すことです。キャッシュや、50%引きになるバッチも使います。

安さが効くのは、呼ぶ回数が多い場所です。サブエージェントは下請けを替え、Modsはまとめ係を替え、APIは長い入力だけ避けます。
今日やることは3つです。
1. ルールを貼る。振り分けのルールをClaude Codeに貼って、設定を頼みます。
2. まとめ係を作る。Modsの再現用の依頼文で、自分用のまとめ係を作ります。
3. 使用量を比べる。1週間後に、使用量を見比べます。
本体は変えません。替えるのは、下請けを1つだけです。
10万トークン以下の入力なら、100万トークンあたり入力が0.10ドル、出力が0.50ドルです。Sonnet 5.5の約20分の1で、旧Haiku 4.5の単価の10分の1にあたります。GPT-6 Lunaも同じ価格です。
モデルを呼ぶ回数が多い、サブエージェント、Mods、APIの3か所です。サブエージェントでは、探す・絞る・仕分ける・確かめるの4つの軽い仕事を任せます。設計の判断、曖昧な依頼の解釈、原因の分からない不具合は、本体に残します。
入力が10万トークンを超えると、そのリクエスト全体が約5倍の単価になります。長い資料は分割や要約をしてから渡し、キャッシュや50%引きのバッチも使います。Modsは自分の権限で動くので、入れるのは信頼できるものだけにします。
AIを徹底的に使いこなすためだけのコミュニティ「フロンティア・リーダーズ」。サブエージェントやModsの設計を、実務を持ち寄りながら探っています:https://frontier-leaders.vercel.app/
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