2026年10月8日、AnthropicがClaudeのArtifactsに「Claude Dashboards」と「Claude Motion」を加えました。どちらもベータ版です。
Dashboardsは、つないだデータへの質問から、更新できるダッシュボードを作る機能です。Motionは、文章や図表をコードで動かして、説明用のアニメーションにする機能です。
どちらも、出てきた成果物の中身を開いて、人が直せます。数字の裏にはSQLがあり、動きはコードで作られているからです。
この記事では、Dashboardsを架空データで実際に動かした画面と一緒に、「開いて直せる」ことが仕事でどう効くのかを追います。

提供範囲は、機能ごとに違います。Dashboardsは、Pro・Max・Team・Enterpriseの有料プラン向けのベータです。MotionはTeamとEnterprise向けのベータです。
Claudeが作れる成果物は、データとアニメーションにまで広がりました。会話の返事から、「仕事で直して使う資料」へ。そんな発表です。

実機のArtifactsでは、「Make something new」にDashboard(Beta)が並んでいました。選ぶと、左にチャット、右に成果物の画面が開く分割ビューになります。
つなげるデータは、Amazon Redshift、BigQuery、ClickHouse、Databricks、Snowflake、Salesforceなどです。そのうえで、「今四半期の地域別売上を表示して」のように、業務の言葉で聞きます。
内部では、チャートごとにClaudeがSQLを書いて実行し、その結果を数値やグラフにします。これまでは、依頼する人が要件を書き、分析担当がSQLを作り、見た目を調整する往復がありました。その往復が、一つの会話に収まります。
実際に確かめるため、2026年7〜9月の東日本・西日本の売上と注文件数を架空で用意し、外部のデータにはつながずに作らせました。出てきたのは、売上と件数のカード、月別と地域別のグラフ、地域のフィルター、元データの表です。
地域を東日本に切り替えると、450万円・45件に変わり、元データの表も3行に絞られました。

地域別のグラフで西日本の棒を押すと、270万円・27件に変わり、フィルターと表も合わせて動きます。


公式の説明では、ダッシュボードの数値を押すと、その値を出した基礎クエリを開けます。クエリの意味はClaudeに説明させられ、各チャートには最終更新時刻が出ます。
架空データの画面でも、数値の根拠を見るメニューから、入力データ、計算式(Formula)、結果(Result)が開きました。外部のデータにつないでいないので、計算式はSQLではなくJavaScriptです。

結果の表は、全体720万円・72件、東日本450万円・45件、西日本270万円・27件。入力データから計算し直しても、一致しました。
数字から計算の手順へ逆にたどれるので、列、結合、条件、集計式を人が点検できます。ただし、SQLが見えることは、答えが正しいことの保証ではありません。「売上」や「解約」の定義が違えば、文法として正しいSQLでも結論は外れます。
直したいときは、会話で頼みます。見出しを「架空売上・表示編集テスト」に変え、グラフの色を緑にするよう頼むと、データも集計式もフィルターも保ったまま、見た目だけが変わりました。合計は720万円・72件のままです。

もう一つ、更新の条件があります。公式は、データの変化に合わせて最新に保つと説明していますが、検証でfreeeから読み込んだ数値は、取得した時点の固定値でした。自動更新はされないと、Claude自身が画面で説明しています。
コネクタでつなぐことと、更新が続くことは別です。導入の前に、更新の仕組みを確かめておく必要があります。

BIツールは不要になるのか。発表を読むかぎり、そうは言っていません。Anthropic自身が、より深い分析が必要なときは、Amplitude、Grafana、Hex、Mixpanel、Omni、PostHog、Sigmaなどへ送れると説明しています。Looker、Tableauなども近日対応とのことです。
役割は、こう分けるのが現実的でしょう。問いを試して、根拠のSQLを見ながら素早く直す前工程がClaude。承認済みの指標、アクセス権、監査、配布が要る後工程が、既存のBIです。
探索はClaudeで、運用は既存基盤で。引き渡し先の顔ぶれからは、そんな分業が見えてきます。
小さな一回きりの分析なら、引き渡さずにClaudeの中で終えて構いません。

MotionはTeamとEnterprise向けのため、手元のMaxアカウントでは動かせていません。新規チャットで「/motion」と入れても、候補が出ませんでした。Motionの中身は、公式の説明をもとに整理します。
作れるのは、四半期レポートを30秒にまとめた説明動画、グラフの動き付け、製品ウォークスルーなどです。メッセージ欄の「Output」から「Motion」を選ぶか、ArtifactsタブでMotionのテンプレートを選んで、内容を説明します。
直すときは、会話で頼むか、エディタで直接書き換えます。仕上がったら、MP4で書き出せます。
動かす対象は、テキスト、チャート、図形、画像です。実体はそれらを動かすコードで、動画生成モデルは使いません。実写風の映像やAI人物は作らない、と明記されています。
コードだからできることがあります。たとえば売上が120万円から135万円に変わっても、映像を撮り直さず、直したい数値や言葉、タイミングだけを直して、書き出し直すだけです。
仕上げは、外部のツールに渡せます。Adobe、Descript、HeyGen、Higgsfield、invideo、Luma AI、Runwayなどが引き渡し先に挙がっています。音声や実写、字幕を足すなら、Claudeで構成と初稿を作り、専門ツールで仕上げる分業になります。

企業で使うなら、プランに加えて、管理者の設定がいります。Enterpriseでは、DashboardsもMotionも初期状態でオフです。管理者が「Organization settings」の「Artifacts」から有効にします。Teamでは、Motionは初期状態でオンです。
管理者は、テンプレートのオン・オフと外部共有を別々に設定できます。ArtifactsはCMEK(自社で管理する暗号鍵でデータを守る仕組み)にも対応しました。
最初の一歩は、答えを既存の資料で照合できる小さな案件です。Dashboardsなら、過去の月の地域別売上。既存のBIの数字と、合計、期間、除外条件を比べます。差が出たら、質問のあいまいさ、テーブルの選び方、結合、指標の定義のどこで生じたかを切り分けます。
Motionなら、既存のスライド1枚を30秒の説明にします。
試すときは、作る時間だけでなく、直した回数、レビューにかかった時間、差の原因も記録してください。見た目の出来より、同じ条件で正しい集計を再現できるかが、導入判断の材料です。
Dashboardsは、Pro・Max・Team・Enterpriseの有料プラン向けのベータです。MotionはTeamとEnterprise向けのベータです。Enterpriseでは、どちらも初期状態でオフで、管理者が「Organization settings」の「Artifacts」から有効にします。Teamでは、Motionは初期状態でオンです。
公式は、データの変化に合わせて最新に保つと説明しています。ただし、検証でfreeeから読み込んだ数値は、取得した時点の固定値でした。コネクタでつなぐことと、更新が続くことは別なので、導入前に更新の仕組みを確かめる必要があります。
不要になるとは言えません。Anthropic自身が、より深い分析が必要なときは、HexやSigma、Grafanaなどの既存ツールへ引き渡せると説明しています。問いを試して根拠のSQLを見ながら直す前工程はClaude、承認済みの指標・アクセス権・監査・配布が要る後工程は既存のBIという分業が現実的です。
Claudeの新機能を、実務に組み込むところまで使い倒したい方へ。AIを徹底的に使いこなすためだけのコミュニティ「フロンティア・リーダーズ」:https://frontier-leaders.vercel.app/
読んで終わりにせず、2時間で手を動かして、自分専用の仕組みを1つ残す。実践のハンズオンのアーカイブ:https://handson.workstyle-evolution.co.jp/
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